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剣と魔法の世界  作者: ぺ
4/20

魔の森に住む者

やっと異世界で会話します

一通りの確認を終えた蓮也。とりあえずマップの示す方向にひたすら歩こうと思い進もうとしたときに聞こえてきた声に思わず足を止める。


「ギィーーーーー!」

「ギャァーーーー!」


恐らくなんかの魔物みたいなのの声。そりゃ異世界だからいるとは思っていたが本当にいるとはと思いながら少しずつ近づいていく。少し行くと開けた場所に背の低いボロ布をまとった気持ち悪い雑魚モンスターの定番ゴブリン…ではなく、

小さな竜のような集団がいた。初っ端はゴブリンみたいな弱いのが来るとなんとなく思ってた蓮也はこれにびびり、無意識に後退る。


パキッ


その音が響いた瞬間に一斉に蓮也の方を向く小さい竜。どの竜も羽はなくでかいトカゲのようだが眼だけは爛々と輝いていた。それを見て思わず悲鳴が出る蓮也。


「ひっ…」


それが合図だったかのように一斉に駆け出してくるデカイトカゲ。眼は完全に捕食者の眼だった。蓮也は必死で来た道を走り出した。

あれはやばいやばいやばいやばい。絶対に逃げないと…!すでに魔法のことなど頭にない。化け物に餌として見られ逃げることしか考えられなかった。化物トカゲの集団は速かったが、蓮也も基本スペックを上げてもらい、普通の人間ではありえない速さで走っていたが、やはりlv1ゆえなのか徐々に化物トカゲに差を詰められていく。このままだと追いつかれて食われる…食われる…?俺が…?嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ!このままじゃジリ貧だ、なんかないかなにか…と必死に考えていた蓮也の腰に痛みが走る。慌てて痛みがした場所を見てみると先頭を走ってたであろうトカゲが制服越しに噛み付いていた。痛みはベルト付近に噛み付いているため余りないがスピードがかなり落ち、パニックになりそのまま転んでしまう。そのまま後続を走っていたトカゲが少しずつ追いつき、最初に噛み付いたリーダーのようなトカゲ同様こちらに噛みつこうと寄ってくる。その眼をみて、ここは夢なんかじゃなくれっきとした現実で、自分がこれから食われると言う恐ろしさに思わず意識を手放しかける。死ぬ間際にもし次があるのならこれからは浮わついた考えは捨て、生きるためならなんでもしようと思いながら、迫り来るトカゲを顎をみていた。トカゲとは思えないような牙を生やした口が迫ってくる。やたらとゆっくりに見えたそれは突然血飛沫を上げて飛んで行った。何が起こったのかんからない蓮也に対してそれをやったであろう張本人から声がかかる。


「◯▽〆>‖>!?」


何を言ってるのかさっぱりわからなかったが助けてくれたのはわかった。その男を改めてキチンと認識してみてみると恐ろしく端正な顔立ちをしていた。そしてもっとも特徴的なのが尖った耳だった。

ここは異世界。そして端正な顔立ちに尖った耳。そこから導き出される答えは一つだった。


「エル…フ…?」


俺はどうやらエルフに助けられたようだった。エルフは俺に声をかけながら化物トカゲを相手にしていたようだが、数が多すぎて辛そうだった。なんとかトカゲをさばきながら俺に声をかけていたらしい。感謝しなければ、彼がいなければ俺は間違いなく死んでいた。たった今生きるためならなんでもすると決めていたのに状況を忘れて惚けていた俺に苛立ちながら手助けをしようと立ち上がる。制服はボロボロ、助けられるまでトカゲに噛み付かれてていたということもあり破れた制服の隙間から結構な傷口がみえており、傷口の周りは血で赤く染まっていたが、なんとか立ち上がり、トカゲどもをまとめて殺すための唯一の手段である魔法を行使する。だが数が多い上に俺がちんたらしている間に囲まれていたようで、周り一帯のトカゲを殺す魔法を行使しなければならず、とりあえず目の前のトカゲを空間を斬る魔法で切り続けつつ、すべてのトカゲの存在する空間を認識するために体の感覚を研ぎ澄ましつつ、全力で思考を続ける。


ピコン スキル【高速演算】を入手しました。


そんな音が聞こえたような気もしたが、今はとにかくトカゲのいる空間を把握し、その空間一帯を魔法で消し飛ばさなければならない。音が聞こえてから思考が速くなった気もしたが、焦りで蓮也は気づかないまま、魔法を行使する。


「壊れろ」


そう呟くとともに周り一帯にいたトカゲはすべてガラスが割れるような音とともに消滅し、蓮也はすべてのトカゲを倒したことを確認し膝をつく。かなりの量がいたトカゲがすべて消え去ったことに呆然としていたエルフの男が蓮也に話しかけてくる。


「▽#//#/_@>?!」


何を言ってるのかはさっぱりだったが…。やったのが蓮也なのは気付いているようで、男はしきりに蓮也に声をかける。蓮也としても返事をしたいのは山々なので通じないとわかりつつも日本語で言葉を返す。


「あー、言ってることがわからないけど、助けてくれてありがとう、今のは俺がやったんだ」


エルフの男も何を言ってるのかわからなかったようで少しの間困った顔をしていたが、突然思いついたように何かを唱えだした。


「イーエルーオーサールエルバターシェ!」


すると光が蓮也を包み、エルフの男が満足げにこちらを見て口を開く。


「私の言葉がわかるか?」


急に流暢な日本語で話しかけられびっくりしつつなんとか返事を返す。


「あ、ああ、わかるよ。助けてくれてありがとう、助かった。」


「気にしないでくれ、神の祝福を一身に受けている君のようなものをむざむざ見殺しにするわけにはいかない。人間にもまだ神の祝福を受けられるような魂を持つものがいたのだな…」


彼はそう言って回復魔法?もかけてくれ、傷も癒えた。それに安堵していると彼は矢継ぎ早に質問を繰り出してきた。


「回復が遅れてすまないね、それでさっきのリトルドラゴンの群れを消したのは君がやったのか?それに人間がなんでこんなところにいる?何をしに来た?」


「待ってくれ、流石にそんなにいっぺんに聞かれても答えられない、順を追って説明する」


さっきのトカゲはリトルドラゴンというらしい。とりあえず言った通りこれまでのいきなり転移したことと神様の話をかいつまんで話した。


「なるほど…確かに数日前にベルキスタ帝国が異世界から勇者を召喚したとお告げがあったな…では君も勇者ということか?」


「お告げ…?まぁ確かにそうだが、さっきも言ったがあいつらを助ける為に俺は別行動をとってるようなものだから、勇者ではないと思うけどな」


「ふむ…そうか…。すまない、自己紹介が遅れたな、この森に住んでいる元神官のエルフのフォン・ターシャだ、君の神の祝福が見えたのも私が神の祝福をこの目で見れるというスキルがあるからでね、君にさっきかけた魔法は言語理解という魔法だから害はない、安心してくれ。お告げというのは私は占い師のスキルも少しあってね、神託のようなものが下る時もあるんだよ」


「俺こそ助けてもらったのに遅れて申し訳ない、朝比奈蓮也…いや、蓮也・朝比奈だ。よろしく頼むよ。神託ってのは文字通りってことでいいのかな?」


「ああ、文字通りの意味で神託さ。しかし…ふむ…人間なのに名字があるあたり君は貴族か何かなのかね?」


「いや、違うよ俺がいた世界はみんな名字があるし貴族なんてのはいない。それより俺も聞きたいんだがエルフっていうのはこんなに危ないところにみんな住んでいるのか?」


そう、俺が気になったのはエルフはこんな危険なところに住んでいるのかということだ。正直パニックになってなかったとしても結構危険だったと思う。


「あぁ、違うエルフは確かに森に国を作って暮らしているが私は俗世が嫌になってこんなところに住んでる偏屈なエルフだよ」


なるほど、このエルフだけがこんなところに住んでるのか。助けられたことには変わりないしいい人そうだ。少し話を聞いてみよう。


「そうか…。とりあえず改めてお礼を言わせて欲しい。命を助けてくれてありがとう。フォン・ターシャさん」


「気にしないでくれ、さっきも言ったが神に愛された人を失うのは元神官として耐えられない」


とてもいい笑顔で言い切られてしまった。しかもとても爽やかに。それと今更だが敵を倒したおかげかかなり強くなった気がする。ステータスを見てみよう。

そう思いついたのだがこの人は自分のステータスをどうやってみているのだろうか。そう思い俺と同じ腕の位置に目を這わせたら、俺と同じようなマークだか痣だかわからないものがあったので、おそらくこの世界共通だろうと思いながら聞いてみた。


「ステータスってどうやってみていますか、フォンさん」


フォンさんは不思議そうな顔をした後に納得したような顔をして言った。


「腕にあるこの痣に触れれば頭に浮かぶよ。生まれた時からあるからみんな知ってるはずだけど転移者だからな。知らないのも無理はない」


と教えてくれた。いや知ってるけどね。痣はやはりこの世界共通の者らしくみんなあるようだ。ゲームのようだがゲームのようだと思ってるとさっきのように死にかけるハメになる。もう気は抜かない。そう決意を秘め、最初の目的通り一番近くの国のことを聞いてみることにした。


「フォンさん、ここから一番近い国にいくのにどれくらいかかるかわかりますか?」


そう聞いた時フォンさんは少し考えてから答えてくれた。


「ここからならクヴェル王国の領地まで歩いて1日半といったところだな。クヴェル王国の一番近い都市は2日程だ。その都市の名前はもう忘れたけれどね、すまない」


と教えてくれた。とりあえずそこに向かうことを告げると、彼は彼の家で少し休んでからいくといいと言ってくれた。


「蓮也くん、どうやら君もそこそこに疲れているようだし、少し私の家で休憩してからいくといい。ここから歩いて5分ほどだ魔物にも出会わないだろう」


俺はその申し出にありがたく賛同してついていくことにした。あとついでにステータスの確認を済ます。


朝比奈 蓮也 17 男 lv47

HP 4870/4870 MP 480/9870

STR 3480

DEX 2450

INT 2830

AGI 3860

LUK 2340


魔法

空間掌握魔法・空間掌握権を持つ者にのみ与えられる魔法


スキル

マップlv10死の点lv2女神の祝福lv10高速演算lv1


称号 世界を渡りし者


…なんかめっちゃステータス上がってた。あいつらつよかったんだな、そりゃそうだろうけど…。なんかスキルも増えてるし…高速演算なんていつ手に入れたんだ…。途中でピコンってなった気がするけどあの時か…?などと考えてるうちにフォンさんに声をかけられた。


「ついたよ蓮也くん」


そう言われて前を見てみるがそれらしきところは何もない。強いて言うならなんかとても大きい樹があるくらいだが…。


「あの…家っぽいところがないですよ…?」


「あるだろう、目の前の樹の上を見てみたまえ」


フォンさんは子供のいたずらが成功したような笑みでそういう。言われるがまま樹の上を見上げる俺。それはもう面白いくらいに口がぽかんと開いてたんじゃないだろうか。フォンさん笑こられられてないし…。でもこれは仕方ないだろう。

だって………。


樹の枝の先の葉っぱの上に家らしきものが鎮座してるんだから…。





あと一話投稿して今日は終わりにします

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