異世界にて
やっと異世界に行きます
目を閉じていても眩い光が外を照らしてるのがわかった。そんな状況で目を開けられるはずもなく5分ほど目を瞑っていた。一応声を出そうとしたりもしたのだが声は出ない体は無重力の空間に放り込まれた様な所で夢の様な感覚の中をふわふわしている様な感じ。
そんな中で急に光の感覚が消えて無重力状態みたいなのも消えて立っている感覚に急になったため驚いて尻餅をついてしまう。その時にそのまま目を開け他のだが目の前に馬鹿でかい玉座…?のようなものに座って貫頭衣の様なものを着た超弩級の美人さんがいた。そんな美人さんも俺に気がついたようで笑顔でこちらに話しかけてくる。
「あら、気が付いたかしら?どこか調子の悪いところとかはない?」
と声をかけてきたのだが声まで美声だったのでとりあえずびっくりして、
「えっ、あっ、はい!元気です!」
と答えてしまい美人さんに笑われて凹んでしまう。何をしてるんだ俺は…。
「ふふ、そんなに緊張しないで。とりあえずここの説明をするわね。質問は後で受け付けるからとりあえず聞いてちょうだい。」
と言って説明を始めてくれたのだがその説明を聞いて俺はあっけに取られた後に怒りで頭が真っ白になった。
「それじゃただの誘拐じゃないか!元に戻せ!」
そう、この美人さんが言い出した話を要約するとどっかの王国が自国がピンチだから別の世界から助っ人、つまり俺たちを呼び出して戦わせようとしているということだった。
「確かにその通りなのだけど続きを聞いてちょうだい。あなたは今呼び出されている最中なのだけど私が途中であなただけここに連れてきたのよ。なぜ連れてきたとか聞かれてもあなたのこと好きだからとしか言いようがないのだけど続きを話してもいいかしら?」
と言われ渋々俺は話の続きを聞いた。
話の続きの内容は簡単だ。別の世界に飛ばされかけてた俺を目の前の美人さんが拾ってここに連れてきて、事情の説明と向こうでも生きていけるように力をくれるとのこと。俺だけの理由はさっき言ったように昔から俺のことを見ていて大好きだったからとのこと。それと連れて行ったのは美人さんではなく向こうの国の連中でそいつらのいいなりになると国の道具になるということ、召喚を阻止するのは神様のルールに抵触してしまうため無理とのこと。一番驚いたのは目の前の美人さんが美を司る神フレイヤ様だということ。そんな彼女は俺に力をくれると言っていたが何をくれるのか。
「フレイヤ様、いきなり聞くのは失礼かもしれないけど力って何をくれるんだ?」
敬語じゃないのは想い人に敬語を使われるのは嫌らしいので、こうなっている。
様付けは神様だからという理由で俺が残してる。
「私が人に与えられる最高の魔法をあげるわ。魔法が何なのかは向こうで確認してちょうだい。それと私からあなたの体の基本スペックを底上げしてあげる。これしかできないけれど、どうか死なないで。」
と言って、不思議な魔法のような光をかけてくれた。その光に包まれてから体が羽のように軽い。
とか思っていたら少し目にかかっていた髪が銀色になって顔がムズムズするので聞いてみたら、とんでもない返事が返ってきた。
「あっ…顔と髪が私好みに近づいてる…。ま、まぁカッコいいし大丈夫よ!」
と言われた。…大丈夫じゃないんじゃねえのか!?
「…ほんとにかっこいい…食べちゃいたい…」
とか聞こえてきたけどそこは努めて無視。とにかく今は光輝とその他数名の友人の安否がきになる。
「あの、フレイヤ様、俺の友達は向こうで無事かな?」
「それは大丈夫よ。向こうは戦力が欲しいから世界を渡らせて力のついてる異世界人をわざわざ呼んだのだから無下にはしないわ。当面は問題ないはずよ。だからあなたはその間に力をつけなさい。彼の国に屈しない力を。リミットとしては1年ほどね。絶対ではないけどそれまではみんな無事のはずよ。そこからは戦争に投入されたりするだろうから安全は約束できないわ。私ができるのは貴方に力を与えて、その国の力が介入しないところに転移させてあげるだけ…。もうあまり時間もないわ。力は既に付与してあるから何かあと話ししたいことはあるかしら?ないなら、向こうへの転移を始めるわ。」
とりあえず光輝たちは1年ほどは大丈夫らしい。その間に自分の体のスペックと貰った力を使えるようにして、強くならなければならない。やることは多い。転移なんてふざけたことをした奴らを必ず殴ってやると思っていたときにあまりの展開に忘れていた疑問をなげかける。
「フレイヤ様、俺のことが好きって…どういうこと?」
これだ。正直好かれている理由がさっぱりわからない。
「あぁそれはね、貴方、昔おばあさんを亡くしてからずっと命の生死について考えているでしょう?神様は人の子の魂が見れるのだけど、とても綺麗な魂をしてるのよ、貴方は。その魂を見てるととても愛おしくて…」
なる…ほど?まぁフレイヤ様がそう言うならそうなんだろう。そろそろ時間もないらしいし覚悟を決めよう。必ず光輝たちを助ける覚悟を。そしてこちらの世界に戻ろう。この世界に戻れるのかフレイヤ様に聞こうと思ったけど、怖かったのと必ず帰ると決めたので聞かないことにした。どうせやるしかないのだ。
「やり遂げてみせる…」
口に出して想いを確かめる。みんなで帰ろう。必ず。
「そろそろ時間よ、覚悟はできたかしら?向こうに着いたら自分のステータスを確認なさい。一応街の近くに転移できるようにするから。あと、マップっていうスキルもあげるからうまく使って。頑張りなさい。」
そう言われた瞬間、光が俺を包み込む。
完全に覆われる前にフレイヤ様に俺は。
「ありがとうフレイヤ様!もしもう一度会えたら、できる範囲で何でもする!この恩は忘れない、友達を助けてお礼をここに言いにくる!」
それを聞いたフレイヤ様が驚いた顔をして、次いで優しい笑顔を浮かべて手を振ってくれる。
ピコン。スキル 【女神の祝福】を手に入れました。
そんな音と共に俺はまた光にのまれた。
ある程度進むまで今日出します!