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ミツキという少女について

中学校からの親友がいじめられていたのに気づいたのはー

高校に入学して1年が過ぎたあたりだった


私は高校で剣道部に入部し、朝練とか、夢中になりすぎていた

クラスが別だったのもあるかもしれない。


彼女に異変を感じ、助けよう、そう思った矢先だった

彼女は失踪してしまった


私に相談してくれたらとか、

もっと早く気づいていたらとか、

部活に入らなかったらとか、


とか、とか、とか、


言い訳には事欠かなかった


私はとりあえず、虐めていた子達を




暴力を使って問い詰めた




徹底的に

毎朝見かける度に

街中で見かける度に

徹底的に


幸い、部活で筋力はついていたし、竹刀ではあるけど、武器もあったから


失踪してから1週間後、自宅に、私宛に届いていた親友からの手紙を見つけた


私は内心、ビクビクしながら手紙を読んだ


私への恨みが書いてあるのではないか、と


だけどそれには、恨みではなく感謝が書いてあった

いままでありがとうとか、そんな感じ


私は一晩中、親友を思いながら、泣いた


翌日親友の家を訪ねて、部屋に上がらせて貰った時にソレを見つけた




まるで女神の姿をした像


まるで邪神の姿をした像


そして、その像の使い方


そして、親友は異世界へ行ったということ


まず、ソレは異世界への召喚装置であるとゆうこと

一ヶ月に一度、私達の学校の屋上にその像を持って行くと、異世界へ行ける


それだけわかった私はいてもたってもいられなくなり、でもどうすることもできなくて


その日を待った


今思えば、異世界に行くのに像が必要なのに、彼女の部屋にあったのはおかしな話だ


使えば消えてしまうはずの像が


でも私はもうそこまで頭が回らなくなっていたのよ



そしてひと月後、私は学校の屋上にいた


風の気持ちいい日だった


旅立ちの日にはもってこいだと思う


もうこの世界には未練などない


親友はいない、きっと向こうで待っているし


私はイジメっ子たちを暴力で追い詰めたせいで、学校も退学になった


そのついでに、両親は離婚してしまったし


私の非行を口実に母は父をあなたのせいよ、と喧嘩をし、父も父で、おまえのせいだと突き放し


挙句離婚


私は祖母に引き取られる予定になっていた


だけど間に合った


この屋上にたどり着いたとき、なんだか全てがどうでも良くなって、吹っ切れた


異世界なんてあるかないかもわからないけど、


どこか遠くに行きたかったのよね



そう言えば、異世界に行く直前に


シンタ君が屋上に来たっけ。なんだか深刻な顔してたなあ


あれは何だったんだろう?


だけど、もう像はないし、追ってこれないよね


そこでふと気づいた


ああそうか


あのとき親友の部屋で見つけた像は


私が追って来ると信じた親友が用意してくれてたんだねと





----------


あれから10か月が過ぎた


「ミツキさん」


「ええ、気づいてます・・・誰か追ってきてる」


「冒険者でしょうか?」


「その可能性は高いわね。敵意を感じないから」


異世界から来た私には、ほかの人にはない感知スキルがある


魔力の大きさや攻撃力の大きさが、なんとなく分かる程度の感知スキル


私のは、その上で相手の敵意、善意を判別することができる


私はこのスキルで異世界にきてからの10ヶ月を生き抜いてきた


基本、善意悪意だけでの判断だが危機は事前にスルーできたものがほとんどだったし


「すさまじい魔力ね・・・ひょっとして、森の魔女アリスかしら?」


「その可能性はありますね、ここは古代の森からさほど離れてはいない」


一度だけ、森の魔女アリスの魔力を感知したことがある

善意や悪意といったものは感じなかったが、その魔力の大きさには驚いた


だけどこの世界にきてわずか10ヶ月だけれど

私の魔力はその森の魔女アリスを超えたと思う


「んー超えてたと思ったんだけどなぁ」


今感じている魔力は私よりもかなり大きい

チートのハズの私よりも?



焚き火を囲んで、3人で夕食をとっていた


大き目の石をいくつか集め、その中に枯れ木


魔法で軽く火をつける


そして、街で仕入れたチーズ、野菜、肉


さらにはオリジナル味噌!


これで作る鍋は格別だ


最初はくさいとか怖いとか、闇の料理だとか言われたけど、幸いにも仲間は気に入ってくれた


私の仲間は3人


1人は先行、偵察のダグル。私は心の中で隠密と呼んでいる


今は北の砦の様子を伺うためにここにはいない


2人目は魔法使いマリー。彼女は魔女アリスのライバルと言われる、深遠の魔女クロットの弟子と聞いている


今もこのなかなか強烈な臭いを放つ鍋のまわりに結界をはって、臭いがもれないようにしてくれている


3人目は王国最強(自称)の剣士ドルファー。見た目はごっつい筋肉の塊そしてヒゲ


だけど剣技はまるで華麗なバレリーナが如く繊細な動きをする


超強い。でもそのギャップがちょっとキモい


「さて、っと。ダグルいないし、私ちゃっちゃと誰か確かめてくるね」


「大丈夫か?俺がついていこう」


ドルファーは結構やさしい。だけどそれじゃあだめだ


「大丈夫よ、マリーを一人にしてはダメ、ドルファーはここにいて」


「気をつけていって下さいね、何があるかわかりませんから」


「了解マリー、んじゃ、ちょっと魔法で近くまで送ってくれるかな?」


マリーの頭上から魔方陣が現れる

それが、ふわっと私の上に移動して、ゆっくりと降りてくる


さて、どんなやつがつけてきたのか・・



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