いざゆかん、そこの街へ!
無事に魔力を収穫を得てアリスの住む家まで帰ってきた
中心部からぶっとおしで歩いてきたので、すでに夜中だ
3日ぶりとなるアリスには聞きたい事がたくさんできた
「ただいま、アリス」
「おぅ、お帰り。どうやら無事に終わったようだね」
「た、ただいまですお師匠様~」
「ソノ、休んで良いよ。」
「ありがとうございますー・・・・・すー」
そのまま倒れて寝始めるソノ。よっぽど疲れてたんだなぁ
うつぶせにぶっ倒れたまま寝れるとか器用なやつだ
「仕方のない子だね」
そういうとアリスはアリスはソラに手のひらを向けて魔力を放つ
ソラがふわりと浮いたと思うと、家のベランダにあったハンモックにふわりと移動した
「魔法って便利っすね」
「うん?そうさね、便利ではあるね。でも万能じゃないんだ気をつけな」
そういうとアリスは家に入っていく、俺たちもついて入っていく
「とりあえず、飯の用意はできてるよ」
中に入るとテーブルの上にご飯が用意してあった
昨夜の現象のあらましと、俺のスキルについて話す
その上で疑問を聞いてみた
「アリスさん、あの、頭に響く声はなんですか?」
「神の声とされているね、ゆえにここは神の聖域とされているのさ」
「神・・か」
「本当にいるかどうか分からないがね。新しく覚えたスキルなんかを教えてくれる便利な声としておけばいいさ」
「なるほど、攻撃魔法Lv1ってスキルがあるんだけどこれって魔法が使えるようになってることだよね?でもどうしたらいいか分からないんだ」
「あんたスキルが分かるのかい!?それは・・そこまでわかるのはレアなスキルだよ・・・」
え。感知スキルでわかんないの?
「普通は鑑定玉で見てもらうもんなんだがね。まぁいいさ」
「魔法とは思い描く現象を現実に起こすことができるのさ。ただ、そのLvに応じた威力でしか発動しない」
「つまり、ここに氷を生み出そうと考える」
アリスが指をピンと立てて、その先に魔力が集中していく
そのまま魔力が渦を巻いていくのが見える
キンッ
「おお・・氷ができた!」
アリスの指先に直径5センチくらいの四角い透明な氷がふよふよと浮いている
「これで大体Lv1ってとこだね。Lv2で倍、Lv3でさらに倍の大きさというところさ」
なるほど、じゃあ10センチ、20センチ・・40センチと倍倍になっていくのか
ミオだとLv10だから、2560センチ・・・って約26mってか!すげえな
「まぁ、実際は魔力にもかなり影響されるからその限りではないよ。だけど、高Lvの攻撃魔法をもっているやつには気をつけな。単純に考えると1Lvでも上なら。倍の威力があるからね」
「あとあんた、回復魔法も使えるんだね。それは怪我をしたときの回復度と考えていいよ」
「たとえば回復魔法Lv10だとどのくらいの効果がでるんだ?」
俺がそう言うと、ふむ、とアリスは考え込む
「もしもー回復魔法Lv10なんてとこまで成長しているとして、死んでいなければなんとかなる。というLvじゃないかね。この国に1人いるという話は聞いたことがある程度のレアスキルだね」
ミオのスキルやべぇな。最強なんじゃね?
「あともう1つ聞きたいんだけど、Lvに上限ってあるの?」
「あるともいえるし、ないとも言える。そもそも人によってLv上限は違うと考えられている。一般的な魔法使いでのLv平均は6前後とされているよ。10ともなれば英雄と言われても過言ではないねちなみに鑑定玉で見られた過去の最大攻撃魔法はLv20、古の勇者で確認されて以降は聞かないね。」
勇者か。勇者は異世界人だったって話だからそれも関係あるのかな?
「で、アリスの最大Lvは?」
実はさっきアリスを感知したけどわかんなかったのだ。妨害されたような感じで。
「あたしかい、攻撃魔法Lv10だね、回復はLv5」
「すげぇな!英雄じゃん!」
「ふふ、まぁねぇ200年生きていてこれだからもう上がらないと思うが」
あ、あとそういえばもうひとつあったな
「なぁ、おれ自身にはLvってものがないのか?HPやMPが増えたりとか。」
そうなのだ、魔法にはLvがあるのに、俺自身にはない。RPGとかだと普通はあるのにな。
「ないよ。肉体的なLvって意味だろ?それは鍛えて強くなるしかないからね。まぁ、MPは魔法Lvとの関係性もあるようだけどね。あとは肉体強化だねぇ魔力による肉体強化。だがこれもHPを増やすものではないよ。筋力や俊敏を増やすものだからね」
ふむふむ。いくら魔法が強くてもHPは増えない。つまり強力な攻撃を受けるとおわりってことか
どうやらこれで魔法講義は終わり
あとは、何かのきっかけでLvはあがるとか。精神的なものに依存しているとかなんとか。経験ではないということらしい
「主殿よ。我のLvは攻撃も回復も10なのじゃが、これ以上あがらんのかのう・・・」
なにやらミオがしょんぼりしている。
「いや、10あれば英雄っていってるじゃん。不満なのか?」
なんかアリスがぱくぱくしている
「いやの、主殿、かつて勇者はLv20じゃったんじゃろ?戦ったら負けるではないか・・・」
この使い魔は勇者と戦う気なのか?
アリスが目を見開いてぱくぱくしている。なんか魚みたいだな
「まぁ気にしないでもいいんじゃないのか?何かのきっかけでLvあがるらしいし。」
「じゃがのう・・・」
アリスが今度はプルプルしている。
「なぁ、アリス、10あったら十分なんだよな?」
アリスががた!っと立ち上がって
「攻撃も回復もLv10じゃとおおおおおおおおおおおおおおおおおおオ!」
でかい声だして叫んだ。
アリスが落ち着くまでしばらくかかったが、なんとか落ち着いた。
途中すごいブツブツいってて帰ってこないんじゃないかと思ったよ。
「使い魔よ、あんた本当に異世界からきたのかい?攻撃も回復もLv10なんて聞いたことがないよ」
「でも勇者は20あったんだろう?」
「攻撃はね。回復は確かLv2だったはずだ」
むふーっと鼻息を鳴らすアリス
「ふむ、アリス殿よ。分からぬのよ。この世界が懐かしいなーとは思うとこもあるのじゃが、昨夜ソノから聞いたこの国の名前や地名には聞き覚えがない。おそらく似たような世界にはおったとおもうのじゃが」
「なるほどね。。あんた達は同じ国の出ではないのかい?」
「ふむ、主殿とは違う世界出身じゃよ」
え、やっぱそうだったのね。魔法つかえるとか俺の世界じゃなかったもんな
「なるほどねぇ・・・だけどあんた達の主従関係はどういうことなんだい?明らかに使い魔のほうが強いじゃないか」
「あーそれ俺も聞いてないわ」
そういえばサポートキャラとしか説明受けてない。
「そうじゃのー、色々あってな、主殿について幸せにすることにしたんじゃよ」
「それ説明になってないからな」
「じゃけど恥ずかしいもん。もうこれ以上は秘密なのじゃ」
真っ赤になった顔を手で隠しながらくねくねしている
「まぁいいさ、それだけ強ければこの国では敵なしだろうしね」
「で、あんたらこれからどうするんだい?」
「そうだな、友人が一人この世界にきているんだ。それを追ってきたからとりあえず探そうと思ってる」
「異世界人がもう一人きてるってかい?」
「30日ほど前になるけど、来てるはずなんだ。」
「30日前・・ね・・・異世界人が来たとしたらここに寄っててもおかしくないんだが・・・知らないね」
ん?異世界人はここに寄るようなことになってるのかな?
「そうなのか、まぁいいよ。街にでもいって情報収集してみるから」
「いきなりだねあんた。普通もう少し、ここで修行をとか、この世界の常識を教えてくれとかあるもんだと思うんだけど」
あー確かに常識はしらないな。あ・・・あとお金とかもないぞ。そういえば
この数日はアリスにお世話になってたからなんも考えてなかったけど
まぁテントとか食い物はミオが持ってるから大丈夫か
「まぁ、食い物とかはミオが持ってきてるからしばらくはもつよ、もしなんかあったらアリス、世話になってもいいか?」
「かまわないよ。あたしは今はこの森の管理しているだけの暇人だからね。一度街へ行っておいで」
そういうことで話はまとまって、とりあえず風呂にはいって寝ることになった
ちなみに風呂をのぞきに行ったらミオに魔法で強制的に眠らされてしまった
「おはようございますシンタさん!ミオさん!」
朝からでかい声で起こされた
「なんだソノか」
俺は寝起きはいいんだけど声がでかすぎて辛い
「はい、昨夜は良く寝れましたか?私はぐっすり完全復活ですよ!」
ええ、そりゃそうでしょうよ。ぶったおれるように寝てましたもんね
「とりあえず、朝ごはんはできているので着替えたら来て下さいね!」
そういうとソノはばたばたと部屋から出て行った
「朝から元気じゃのう・・・」
「俺もなんかすげー寝た気がするわ」
「主殿は良く寝ておったからの」
「とりあえずこのロープを解いてくれ。動けん」
魔法で眠らされていた上にロープでぐるぐる巻きにされていた
まさか身内にのぞきを妨害されるとは思ってなかったよ・・・
着替えて朝食をいただく。
アリスが街へ行くための地図と金貨をくれる
そこまでしてくれるとは思ってなかったので、御礼になにかあげようとおもったけど何が良いのかわからなかったので持ってきたお菓子をあげたらすごい喜んでくれた
これだけで金貨10枚の価値はあるとか叫びながら
さらにお菓子効果で、ソノをつけてくれることになった
街の案内をしてくれるそうだ
買出しは先日おわったばかりなので、2ヶ月は生活できる蓄えになっているとか
「ソノがおらんから半年はもつよ」
と言っていたが
「お師匠様、私そんなに食べませんよ?」
と軽くソノがキレていた。
とりあえず、半年ソノと同行できることになった
それだけの時間があればこの国を見て回れるようだし、ミツキの情報も仕入れられるだろう
「じゃ、お師匠様行ってきますね」
「ああ、気をつけて行ってくるんだよ。連絡は逐一しておいで」
「はい、行ってきます」
「アリス、助かるよ。じゃ、行ってきます」
俺たちは街に向かって歩き出す
ここから街まではおおよそ3日
冒険が始まった!
----------
「主殿、街まで歩いていくのかえ?」
「え?」
と俺
「魔法使えばすぐじゃと思うんじゃが」
「え?」
とソノ
「とりあえず、びゅーんとな?」
「「え?」」俺とソノがハモる瞬間、景色が間延びしたようになる
街の城壁が目の前に現れた
大きな岩で組まれたその壁はまさに城壁。まるでピラミッドのような高さを感じる。
ピラミッド見たことないけど
「えー・・・・・・・・・・・・」
「どうしたのじゃ主殿」
「いや、3日かけて歩く覚悟してたんだよ。それが一瞬で・・・」
「いや、ここは異世界じゃろ?日本みたいに魔法を自重せんでもええかなーとおもって。」
「ええかなーと思って・・で、着いちゃったんですね。。。ていうか魔法で・・・」
ソノもなんだかあきれた顔をしている。
「ま、ま、まぁええじゃろ?目視できるならこれ位は朝飯前じゃし」
「とりあえず、宿いきましょうか。荷物置いたら街を案内しますよ」
「そうだな・・・」
魔法って便利だなー・
なんか異世界の情緒みたいなもんが・・・定番のモンスター遭遇とかそういうのぜんぜんないけど
とりあえず街についた!!!