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紅蓮のソフィア

「紅蓮のソフィア」


「その名を王国全土にとどろかせたのは、わずか15歳の時だー」


「いや、誰だアンタ」


シンタの横に座って解説を始めた男は何故か鹿の被り物をした変な男だ

その特徴的な頭・・角がきらりと光る


「まぁまぁ誰だっていぃじゃねぇか。紅蓮のソフィア、彼女のおっかけみたいなもんだ」


「おっかけかよ・・」


「彼女の凄いところはその槍さばきだけじゃねぇぜ?名前の通り紅い炎を使う。魔法の技術も特級ってわけよ」


魔法ねぇ・・

その男の話は止まらず、いかに強いか美しいかを延々と語っていたのだが


急にざわめきがシンと静まる

コロシアムの中央に目をやると、いつの間にかミツキがそこに立っていて


紅いマントをした・・・紅蓮のソフィアが歩いてミツキに近寄って来ていた







「お久しぶりです」


「本当・・久しぶり・・ミツキ」


かつてミツキがこの世界に来た時、行く当てもなかった彼女に手を差し伸べたのが彼女・・ソフィアだった


「本当・・もうこんなとこまで来たのね」


こんなとこまでとは、B級への昇格試験だ

わずか10か月でB級昇格試験はかなりの異例のスピードである

通常であれば、それこそ10年ないしの経験でなんとかB級に届くかといったところであるのだがミツキはそれを10か月で成し遂げたことになる


そしてそれは、ミツキが肉体Lvを手に入れる以前に決まっていたことであるからして


「ソフィアさん、本気で行きます」


それは、爆発的に強くなったと断言できるミツキの実力をソフィアで測る気でいたのだ

そしてソフィアとの差がどれだけ縮まったのかを、知りたかった


「おいで・・」


ソフィアがそう呟くや否や、ミツキは駆け出した

正統派の剣士であるミツキは初めに正面から斬り掛かる!


ギィン


相当なスピードを乗せたにも関わらずソフィアに簡単に受け止められた一刀目だったが、ミツキは想定内とばかりに二刀、三刀目を繰り出すがそのどれもが槍によって弾かれる


「おお・・すげぇなあの嬢ちゃん」


隣の鹿がなにか喋っている


「今まで紅蓮のソフィアの昇格試験ってのは、受けに回っても受け止めたり弾いたりなんてこたぁなかったんだ・・無音で終わってる。今の攻撃も俺にゃわかんねぇけど、音が違わぁな・・・」


ミツキのLvは36だ

そして相手の紅蓮のソフィアのステータスを覗き見る


ソフィア 

称号:紅蓮:聖七星


え?レベルなしかよ


HP 4200

MP 1300

攻撃力 35000

魔力 2800

俊敏 1600


へぇ・・総合ではミツキよりは下なものの、俊敏はミツキより上か

アップデートなしでここまでかよ


スキルはっと・・ん?


スキル:槍術Lv10 剣術Lv10 近接Lv10 魔法 Lv10

ギフト:英傑・未来予知


は?なんだそれ

スキルのレベルも異様に高い。むしろ、俺たちに近いな。それどころかギフトってなんだ?


----追加プラグインを確認しました----


----ギフトプラグインをインストールしました----


強制インストール!?


前回みたいなはい、いいえじゃないのかよ


----ギフト:      を獲得しました


謎ギフトゲットだ・・


それよりもミツキだ、俺はミツキを見ると

なぜかソフィアと目が合ってしまった


しかも睨まれてる


一瞬の出来事だった


「うっは、俺っちの方見てたよな、なあなあ!!」


隣の鹿がウザイ


お、ミツキが仕掛けるか


ミツキの剣術が段々とソフィアを追い詰めるが、ソフィアは表情を変えない。未来予知のせいか?


ソフィアが槍を構えた先に、剣を合わせるような吸い込まれているような不思議な光景が目に入る


「っ!!なんで!!」


何故剣の先にことごとく槍があるのか


「ミツキ、強くなった」


ソフィアが一瞬燃え上がったように炎を纏う


ギィィン!!


一瞬でミツキの後ろに回り込むと槍を突き出していたがミツキの剣がソレを阻んだ


ミツキはその隙を逃さず、槍を手で引き寄せてソフィアの首筋へと剣を突き立てた



「まさか、ソフィアが負ける!?」



そんな声がチラホラ聞こえるが

まあ、レベルそのものが上がっていたミツキは少し前から言えば爆発的に強くなっているはずであり、当然の結果かもしれなかった


だがー


「ほら、気を抜かないで」


ソフィアがそう言った途端にミツキは崩れ落ちた


「うん、まぁB級合格じゃないかな?A級でもいいくらいだと思います」


ソフィアはそう審判員に言うと、奥へと帰っていった


シンと静まり返ったコロシアムが大歓声に包まれたのはソフィアが完全に意識を失ってからだった




そこはコロシアム医務室


「怪我ぁねぇな。ま、大丈夫だ」


「ありがとうございます」


すぐに意識を取り戻したミツキだったが念のために診てもらっていた


「あーあ。勝てると思ったのになぁ」


「勝ててもおかしくない戦力差だったけど、やっぱギフトのあるなしかなぁ」


俺がそう言うと


「あ、やっぱり?私も感知で見てさ、そのままギフトは取れたんだけど・・熟練度の差かな」


なんと、ミツキもそこまでは分かっていたようだ


「私のギフト、「確率変動」ってよくわかんないし」


そうミツキが言うと、ミオが目を見開いて


「ほぉう、なかなか良いギフトじゃの。それはアタリじゃ」


「何が当たりなんだ?」


「勝てない相手だからこそ勝てる目が出るギフトじゃな、成長すればそれこそ勝敗の確率を変えるほどになるじゃろ」


なるほどね。サイコロの目を常に六を出し続けるようなギフトってことか

ただし、それは極端な例で不可能が可能になるわけでもなくサイコロの例えだと、3分の1の確率になるようなものらしいが、それでも大したチートと言える


「おらお前ら。医務室はうるせぇのはお断りなんだよ。さっさと出てけ」


医務室のおっさんに追い出されると、ドアの前には


紅蓮のソフィアが居た


そして俺を


じっと見つめて


「お帰りなさい・・・シンタ様」


そう言って抱きついてきたのだった

もうすぐお盆休みなのでひきこもるぞ

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