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冒険者ギルド

コンコンと、部屋の扉がノックされる


「はいよー」


俺はドアをがちゃりと開けるとそこにはミツキが居た


「シンタ君、ちょっと良いかな?」


真剣な表情で


「どうぞ、入って」


普通に考えれば男の部屋に入るなんてって年頃のはずなのだが、ミツキはそういう事をもう考えるような性格では無くなっていた

日本に居た時のミツキとはもう、かなり違う。数々の冒険を潜り抜け、そして強くなった

冒険をしていると一つのテントでみんなで寝るということもザラで慣れてしまっているともいえる


「で、どうしたの?」


「うん、街で情報集めてたんだけど、砦の吸血鬼が倒されたっていう情報が来てないのよ・・・」


「え?報告してないからじゃなくて?」


「ええ、報告書は送ったの。でも、確認調査の為に行った人が言うには吸血鬼はまだいたみたいで・・しかも男の吸血鬼」


え?なんでだ?

イルミネなら何か知っているか?


「なぁイルミネ、今の話わかるか?」


「え?」


ミツキが俺の視線を追うとそこには壁を前に寝転がっているイルミナが居た


「・・・にゃ・・・たぶんダグルとかいう奴にゃ・・吸血鬼化スキルで吸血鬼にしたときに、あの場所からは離れられない契約にしているのにゃ・・・」


「ふーん・・死んで無かったのかあいつ」


ミツキがイルミネを指さしてぱくぱく口を開けたり閉めたりしている


「まぁ害はないと思う・・にゃ・・・私と違って、あそこに固定されているからにゃ・・」


「ちょ!シンタ君!イルミネが何かおかしいわ!寝転がってこっち向かないし壁に話しかけてるし!おかしなしゃべり方してるし!」


見るとイルミネがビクンと震えた


「あーミオの呪いでちょっとな・・・」


「えええ!?ちょっと可哀そうじゃない!?」


「ええんじゃ、あれはあの位が静かでちょうどいいのじゃ」


ミオがニヤニヤしながらそう言った


「えええ・・・」

だがしかし、相手はあの強いイルミネである。普通に開放されれば・・確かに、今でも勝てるかどうかわからない相手であることはミツキにはわかっている


仕方ないと思って、ミツキは考えるのをやめた


「そいやさ、ミツキはこの街で何する予定だったの?」


確か、予定にあるとかで来たんだよな



「うん、冒険者ギルドの昇段試験があるの。今私、B級なんだけどA級への試験がこの街で行われるのよ」


なるほど、冒険者ギルドね・・・その何級とかの位を上げるために頑張ってたんだな

異世界ライフ楽しんでるんだなぁ


「シンタ君も登録したら?結構やりがいあるわよ」


「そうだな・・・」


後で分かったのだが、本来のギルドの仕事依頼は大したものはない

ミツキは勇者候補だかで、特別な・・・英雄になりやすい依頼が多く寄せられていたようだ

これはイルミネの証言から明らかになった


当のミツキは意識はなかったもののギルドぐるみで勇者への意識、また強さを得るための試練などをミツキはこなしていたようで、それを持って「やりがい」があったようだ




あ。ドルファーどうすんだよ。放置か?


まあいいか・・・



翌日ー




俺とミオ、ミツキはギルドへ

ドルファー、ソノは武器防具、鍛冶屋へと向かう

マリーは教会に行った


ギルドに到着して俺は驚いた

まるで学校だ

外観も中もかなり大きく、宿屋に食堂、闘技場を擁した施設だった


ミツキはすぐさま受付を済ませ、別室に案内されて行った。

C級からB級への試験は今までのギルドクエストの達成評価及び実技試験らしい

達成評価はやはり申し分なく、戦闘能力を計られる実技試験が今日あるようだ


いつでも試験は受けられるが、受けられる場所はこの街のみのようだ



試験の時間までは間があり、俺は冒険者登録をする事にした

そこで俺は、なぜ「冒険者」と呼ばれているのか説明を受ける


「えー、冒険者ギルドの成り立ちは古く、建国以前にまで遡ります」


そこで、世界地図が貼りだされた。かなり古いものだ


「当時、世界地図はこの範囲・・つまり人類はこの範囲でしか生活、または管理できていなかったのです」


へえ・・・けっこう狭い範囲だな・・


「それがいつの日か冒険者ギルドが出来、まだ冒険者とも言われなかった有志によって開拓が進められていきます・・・・・・・・」


なるほど、最初は開拓ギルドだったのか・・・それが広域結界による安全圏が広がるにつれてその結界外調査の「冒険者」となっていったと・・・


現在一定の評価と戦闘能力を認められた者のみが結界外に行けるルールがあるらしい


C級ではまだ実力不足で・・B級以上が結界外探査可能か・・


まだ実際は細かい取り決めがあったが、結界を抜けるためのアクセサリを貰えるのはB級からだ

だから冒険者になる者は必ずといって良いほど、B級を目指し結界外を目指すのだそうだ


「そしてこれが、現在の最新地図です。歴代の冒険者達の手によって徐々に結界も広げられて行きました」


説明を聞きおわると


「それでは、冒険者ギルドへようこそ!頑張って下さい!」


どうやらこれで冒険者として登録ができたようだ。

F級からのスタート

登録には試験も年齢制限も何もなく、その「冒険者」の意味と有り様を覚えておけと言う説明会参加が条件だった


「成程なー、冒険者になれば色々と有利なサポートがあるのか」


全ギルド登録冒険者に与えられる特典は施設の利用

各ギルド支店における、格安宿泊施設の利用が可能だ


その他でも各冒険者クラスで色々と特権もあるとか

俺はまだ関係ないなと思い、部屋を出てミツキの試験会場となっているコロシアムに向かう


着けばちょうど始まるようだった

先ほどの説明してくれたギルド職員の姿も見えるのでひょっとしたら時間を合わせたのかもしれない


空いていた席に座って試験者の入場を待つ


見渡せばなにやら弁当売りまでいる始末で、これは娯楽扱いなのか?と思ったがそうではないらしい


理由は本日の試験官「紅蓮のソフィア」

どうやら数少ないS級冒険者のようで有名人なんだとか


B級昇格試験にS級が試験官として対応するなど異例らしく、それでこんなにも見物人が集まったようだ



そしてー試験が始まる



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