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ダンジョンへいこう3


難なくボスを撃破したー


「あ、呆気ないです」


ボスだった残骸を前に4人は何か不満気な感じでぶつぶつ言っている


「物足りなさそうだね」


シンタがそう言うと、ミツキが答えた


「あ、そういう事でもないのよ。今の戦いはこう、カチッとハマったって言うか」


「そうだな、連携が完璧だった」


「そう、ドルドルの言う通りです。なんだか全力を出さなかったけど、安定して勝てた感じで・・・」


まあ、上手くいったならいいんじゃないか?


見れば奥に出口らしきものがあり、進むと地上に出た

またあの道のりを帰ると思っていただけに拍子抜けしたが、楽なのは良い事だ


「空間が歪んでますね?不思議です」


そう、出口は入り口と同じ場所に出た

一本道だったから有り得ないのだが

いつの間にか転送されていたらしいな


「とりあえず、何処か近くの街にいくかな。戦利品とかも整理しないとな」


俺がそう言うと、みんながコクリと頷いた

そして俺のポケットの中には古いデザインのカギが一つ

先ほどのダンジョンボス撃破のときに見つけたものだ


「エデンの鍵」と書かれたそのカギは、予想もなにもエデンに行くための鍵だろう


イルミネに聞いたところ、エデンの園への行く方法は分からないらしい


ただ、すべてのダンジョンに通じているとのことだ


イルミネ自信も行った時のことは覚えておらず、行き方も不明らしい


やはり元老院か



この世界の人口はどうやら俺が思っているよりもかなり多いらしい


ダンジョンの近辺・・といっても、普通にいけば1日は余裕でかかる距離に街があった

もともとは吸血鬼退治の後にはこの街に来る予定だった


ちなみにモンスター討伐の報告もそこで行えるとのことだ


「進軍速度があり得ないスピードですね・・・」


マリーが言った

そうなのだ、レベルアップの恩恵でわずか1時間程度で着いてしまった


ドルファーの行きつけの宿屋に部屋をとる

宿につくとそそくさと部屋に入る

そこで今回の収穫を分け合う・・・

なぜか各々気に入ったものは重ならずに特に喧嘩にもならなかったが


「それにしても・・・Lvの概念そのものが変わってしまうなんてね」


「そうだな。ミツキ殿はステータスがわかるのでこれがどういう物かよくわかるのだろう?」


話はバージョンアップによるLvの変化の事だ

HPやMP、その他のステータスも大幅に増量している

その代わり、今まであった剣術Lvとか魔法Lvと言ったものがなくなっているのだ

ソノ、ドルファーやマリーの見解によればそれらはなくなったように見えておそらくは裏ステータスのように存在しているのではないかという意見

ミツキと俺は、肉体Lvに統合されている形で存在しているという意見


だが、そもそも現状は影響がないのだから気にするほどではないということでまとまった

共通する認識ではこの件は秘匿し、なるべく広めないように努めようということになって


それでいったんお開きで自由時間である

一人一部屋取るといった豪華仕様なパーティだったので


俺も一部屋与えられた部屋に戻った


そこで


「ちょっと!遅いんだけど!!」


イルミネである


「なんだ、起きたのか」


「なんだじゃないわよ!起きて棺桶あけたらすごい量の荷物が乗ってて雪崩起こしたんだからね!」


「あーそうか」

棺桶も荷物みたいなものだからなー


「もしかしてあたし荷物扱いしたんじゃないでしょうね」


「そ、そんなことないだろ?」


「はぁ、まぁいいわ。肉体と体力の損傷回復に結構時間食っちゃったわね」


そう言ってイルミネは外に出ていこうとするので


「どこ行くんだ?言っとくけど俺からは許可がないとあまり離れられないぞ?」


「知ってるわよ!あんたらがダンジョンもぐっている間に逃げようとしたら凄まじい電撃を・・・」


そう言って顔を青くする


「おお、そうじゃったなー」

ミオが思い出したように手を叩く


「罰付きだったのか俺はてっきり動けなくなる程度だとばかり・・・」


「罰なんてもんじゃないわ・・・私じゃなかったら死んじゃってるわよアレ」


「で、どこ行くんだよ」


「食事よ。おなかすいちゃったから」


「ちょっとまて、吸血鬼の食事ってまさか・・・」


「そうよ」


血を・・・飲みに行くのか!?


「血を飲むことは許さない」


「え!?いや、私野菜しか食べないんだけど・・・血も飲むっていえば飲めるけど、生臭くて好きじゃないし。初めて飲んだ時、その人間が眷属になっちゃって大変だったからもう飲む気はないわ」


え?野菜しか・・・ベジタリアン吸血鬼かよ!吸血って名前ついてんのに!!


「そ・・それならいいかな・・まぁ血は飲むなよ」


「わかってるわ、ていうか飲まないって。下で食事取ったらまた帰ってくるわ」


そう言ってイルミネはよろよろと部屋から出て行った


「難儀な奴じゃの」


「いやお前がそれ言うか」


「うむ、それに少々煩いのー。ちょっと静かになる呪いでも掛けとくかの」


ミオはそう言うと手をふった


ドダダダダダダ!


バダンッ!


顔を真っ赤にしたイルミネが息を切らしながら帰ってきた


「ど・・どうしたんだ?」


「・・・・・・・・・・っ!!!!」


何もしゃべらない


「ちょ・・ちょっと・・あんたら何したのにゃ」


にゃ?噛んだのか?


「さっきからしゃべってたら語尾ににゃってつくようになったのにゃ!!!」


ぶはっ


後ろをみるとミオが腹を抱えて転げまわっている


「え・・・っと・・・」


俺がおろおろしていると


「もう・・外で喋れないのにゃ・・・」


真っ赤な顔のまま瞳に大粒の涙を抱えて座り込んでしまった

さ・・さすがにちょっと可哀そうだな


「ミオ、呪い解いてやれよ・・・」


「ふは・・・はははははは」


だめだ、笑い転げて会話が出来ない


そしてイルミネはゆっくり動き出し、部屋の隅っこで壁を相手に座り込んでしまった

少しだけ、声が聞こえた

・・・・にゃ・・・・にゃにゃ・・・・

アカン少し壊れかけてる


もうこれは見なかったことにしよう







以前書きかけだったものをリフレッシュ

ってもう二年前だったのか・・・


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