秋月渡
君達は能力と言う物を知っているだろうか?
生身の人間が空を飛んだり、ありえないパワーで鉄を粉々にしたりできる力
そんな力が欲しいと思った事はないだろうか?自分にそんな力があったら変われると思ったことも
でも少しだけ考えて欲しい。そんな力をリスクも無しに手に入れられるのか?
手に入れた所で何に使うのか、他人の能力が自分より上だったら差別もあるだろう
そう、結局手に入れても何もかわらない。
何故なら世界はそれほど平等でも優しくもないからだ。
2035年6月11日(月) 13時01分
能力がある事以外は普通の高校2年生であるこの俺、秋月 渡はどうしようもない人生を送っていた。成績も悪く、おまけに性格もそれほどよくない。
顔だけは普通なのが唯一の救いだが、能力者としては最低ランクのE級という有様で、
簡単に自分を表すならばそこらへんのモブといえばいいだろうか、
まあ簡単に言うと最底辺とまではいかないがその一歩手前くらいの人間だ
そんな俺だが、今日は遅れてくる新入生を教師のかわりに迎えにいくことになった。
なんで俺が頼まれたのかというと俺みたいな落ちこぼれをちゃんと見ていてくれる恩人と言うべき教師が手を離せないため、急遽代理で俺が行く事になった(無理矢理まかされた)からだ。
7月でもないのに暑い日差しがあたる校門前で待っているのだが、肝心のその生徒が1時間前にくるはずが、いまだにこないのだ。
流石のあまり怒らないと言われる俺にもイライラがたまる。
「遅くなるなら連絡でもしろよな・・・」
と独り言を呟く、能力のおかげで暑さになれているとは言え、さすがにこの炎天下の中で1時間もの待機は堪えるものがある。
イライラがたまりながら時計を見る。
13時24分
もう23分も経っていたのかと驚いたのと同時に俺の通っている学校の女子の制服を着た見知らぬ女性があるって来る。
身長が少し高く、結構な美人で透き通るような瞳。
綺麗に手入れされているであろう紫色のショートヘアが特徴的な女性だった。
「聖栄南学園高等学校ってここですか?」
その女性はそう俺に質問をしてきた。
言い遅れたが、聖栄南学園高等学校とは俺の通っている能力者限定の学校であり、生徒数13528人と大所帯のありえないほどでかい学園である。
主に能力者にできる科目が13個あり、生徒はそれを選んで授業を受ける形式だ。
ちなみに俺は勉強ができないので全部成績が悪い。
「貴方が今日から転入してくる生徒さんですか?」
と俺が質問する。少し硬すぎたかななどと考えていると女性は笑顔で
「はい!藤原 市と申します!」
藤原 市と名乗った女性は笑顔でゆっくりと話す。
名前を聞いたとき、俺は疑問が浮かんだ。
そうどこかで聞いたことのある名前なのだ。
その時、教師から聞いた名前を思い出した。確かに教師が言ってた名前と同じだということを、その事を思い出した俺の疑問はすぐに消えた。
「こんな暑いのに元気ですね、俺の名前は・・・まあどうでもいいか・・・とりあえず職員室へ連れていくからついてきてください」
と俺は自己紹介をするのを流すかのようにやめた。
どうせ覚えてもらえないし、後から嫌でも覚えるからだ。
自己紹介を渋った俺の言葉に対して市と言う女性は
「案内よろしくお願いします、えーと・・・名無しさん?」
市はゆっくりと笑顔を崩さず話す。
何故か俺はその綺麗な笑みに恐怖を感じた気がした。
バスになった後、しばらく無言になり、むかっている途中で市が口を開く
「随分とこの学園広いですね、生徒数はどのくらいなんですか?」
と学園について質問してくる。
めんどくさいのは嫌いだが、無視するのもいけないので適当に返す。
「まあ13000人くらいいるからな・・・」
などと返すと市はクスクスと笑い始め
「口調、敬語じゃなくなってるよ」
笑顔でそう語りかけてくる。
一瞬ハッとして口を塞いでしまう、それを見た市は笑いながら
「私も素でいくから君も敬語なんて使わなくていいよ・・・それと名前を教えて欲しいな」
渡に名前を聞いてくるので渡は自分の名前を教える。
「秋月 渡、呼び方はなんでもいいぜ」
「渡君か・・・いい名前ね」
名前を教えた後に市はすぐ言葉を返してくる。
なんだかんだ話しているとバスが止まる。目的地に着いたようだ
俺は市に「降りるよ」と声をかける。その言葉を聞いた市はついてくる
バスを降りた後に無言で俺と市はバス停前にある目的地の建物に入った。
渡と市、この二人が出会ったことがどんな物語になるのか、今は誰も知らない
バトル物が書きたくて書いた作品
不定期更新です。




