腐った少女の遺体
つまり、その子は殺されたという事だ。
先生はそれ以上詳しいことは言わなかった。
いや、知らされていないのかもしれない。
現にこの事を説明している最中の顔が明らかに動揺していた。
私たちの担任はそんなには感情をあらわにしないおとなしい先生だ。
けれど、その表情は不安と動揺と恐怖を必死に堪えているのがわかった。
クラスを見渡すと皆、動揺している。
ハルカは目を開き、葵は聞きたくないとばかり耳を塞いでいた。
そんな中、私は落ち着いていた。
兄を亡くしてからあまり時間がたっていないのもあるし、自分は襲われないだろうと思っていた。
放課後は全ての部活動を中止し、集団下校をすることになった。
私はこの歳で集団下校はめんどくさいなぁと、明らかに周りの空気とは場違いなことを考えていた。
「病気で混乱してしまってるこの状況でまた、とんでもない自体になってしまいましたね」
「うん、そうだね」
病気が発見されて、もう20年ぐらい経っているが感染が広まったのはここ1、2年で広がっていった。それなのに感染経路が分からないのだからたちが悪い。
何も分からないのだから、変な噂や偏見が最初のうちは飛び交った。
病人に近くにいる人と一緒にいると感染てししまう、とか国連の職員が特効薬を持っていてそれを一般人には隠している、とか神が環境破壊をしている人間を罰するものだ、とか病気を移せば治るとかほかにも色々あった。
けれど、葵の言ったようにそれも最近は落ち着いてきた。
人間は飽きやすい生き物だから。
「あら、随分と落ち着いているのね、感心しちゃう」
「状況を飲み込むのに精一杯なのよ。現実感が無さ過ぎる。何処か夢を見ているんじゃないかと思っているぐらいよ」
「あら、じゃあ目を覚まさしてあげましょう」
葵じゃない声が葵の声がして……。
頭が真っシロニ…………。
「い¥って$9〜7|×‼︎。gb・67^9=」
何かさ………れ、一体、タイッタイナニヲ………。
熱いナニカ、アタマ……から…aki……物が。な……ニコラ…………………………………。
……………………………………
……………………………………………………
うぁえ。
アタマを振る。
酷い痛みが私を襲っていた。
「ったい……何が……。」
「……なっ、何をするんですか。ヒナさんが何をしたんですかっ⁉︎」
葵が誰かに言った方向を私は向こうとした同時に声が聞こえた。
「あんたの恐ろしい夢を覚ましてあげたんだけどね。ヒ、ナ、サ、ン」
「……一体何のこと?トキさん」
「あんたが有花を殺したんじゃないかって言ってんのよ‼︎ この、人殺し‼︎」
有花とは死んだ、いや、殺されたクラスメイトの名前だ。
確かに私と有花は仲良くはなかったけど……。
「はん、それが何の証拠になるっていうの?証拠を出してから言ってよ」
「よく言えたもんね……。有花がいなくなる前の日に散々、喧嘩していたくせにねっ‼︎」
私と彼女はあの日、蹴る殴るまで発展しそうなぐらい喧嘩したがそれがどうしたというのだ。
確かにあの日はドロドロした気持ちで過ごした気もするが、それと私が殺人者である証拠にはならないはずだ。
だけど、人はそんな些細な事でも気になるとどんどん気になってしまう。
周りの野次馬が増えてきた。
ここで下手な事を言ってしまえば一気に周りに広がってしまう。
どうすればいい? 頭もクラクラしてきた。