少女の腐った遺体
「それで、ひなっちは授業についていけてるの」
いきなり、答えにくいのを聞いてくる。
「先生が黒板の文字を消すのが早くてね。ノートが半分ぐらいしか写せて無いんだよね」
全く、先生は喋るのと書くことを一緒にやるから迷惑だ。
あんな、単調な作業をやるならそれこそ、ロボットや機械を雇えばいいのに……。
(なら、給料はロボットや機械に払うことになるのか。ロボットとかがお金で何を買うのだろう。あっ電気か……)
今の時代、ロボットはプログラムと部品さえ揃えればいくらでも作れる。
まぁ、ロボットが部活の指導や恋愛相談なんてできるわけないか。
つまり、先生は部活お恋愛相談が趣味の人がやる仕事なのか。
恋愛相談に来る生徒は少ないだろうが……。
「ちゃうちゃう、黒板じゃなくて内容の方」
「内容は黒板に書かれてるよ」
私は話を茶化す。
「そうじゃなくて……。うーんなんて言えばいいんだろう」
このまま、ハルカをからかうのもいいのだけど……。
本題に入る。
「ついていけないかな……。しばらく葬式で学校を休んだからもう、さっぱり」
両肩を上げる。
模範生のごとき答えを言った。
「という、日常的な会話をしてみるのだった。でへ、ペロペロ」
にっこり笑ていた。
……相手は自分より上手の捻くれ者だった。
「バッカだねなーひなっち。私が今更、成績を心配するタマだと思ったの。いくら、来年受験シーズンだからってこのハルカ様が成績気にするわけないじゃんアル」
友達である相手が日本語であるはずなのに別の言語を聞いているような気分だった。
頭が痛くなってきた。
「やっぱり、ひなっちはしかめっ面が似合うね」
「そうね、あなたの事を考えるだけで頭が痛くなるからね」
嘘も建前もない本当のことを言う。
「まさかのコクハクですかっ!百合属性は持っていないデスよー」
「ヒナ、貴方は同性愛者なの。とても興味深いです」
また、余計な子が増えた。葵だ。私は顔を青ざめた。
このでは自分は百合としてクラスの皆に認識されてしまう。
「違うって。言っているでしょ‼︎」
それから、私の百合疑惑が晴れることが当分先になってしまうのではと内心ビクビクしていた。
それから、暖かく穏やかな教室が冷たく不安に満ちた空気になるとはその時の私もハルカも葵も想像すらできなかった。
それになるには予兆があった。
昼休みにいきなり職員会議がおこなうアナウンスがあったり。
6時間目の授業がいきなり自習になったりした。
最初は私達は授業が自習になってラッキーぐらいしか考えていなかった。
昼は五月蝿い先生がいないから携帯で遊びまくったりしていた。
それを聞いたのは帰りのHRだった。
クラスメイの死体が学校から比較的近くの川から発見されたらしい。
その、クラスメイトは私達とはあまり仲良くはない子だったけど、それを喜ぶほどの汚い心は私達は持ってなかった。
いや、正確には違う。
そんな事も考えられないぐらいに混乱していた。
その子は行方不明だったとは聞いていた。
けど、この世界ではそんな事は日常茶飯事で大抵は病気に発病しだと思われる。
そして、行方不明者の創作とは消えた後残される衣服などの操作になる。
発病した人が遺体で発見される事はあり得ないのだ。