第三話「殺し屋」Part.4
‥‥‥カラン。
溶けた氷が鳴った。
アカハチは、昔の苦い思い出に思いを馳せ、胸を痛めた。
(もう、取り返しもつかないのにな‥‥‥)
アカハチは目を瞑り、グラスに残った酒を一息に煽った。
グラスを乱暴に置き、目を開けたそのときだった。
「アカハチ!!」
(―――えっ!?)
懐かしい声がした。
振り返ったアカハチの目の前には何と、あの愛しいミアが立っていた!
「アタシ、あんたを‥‥‥」
昔のまま、何も変わらない姿の彼女がそこにいる。
間違いない。目の前にいるのは、あの時のミアだった。
「愛してるの!!」
「ミアッ!!!」
アカハチは走った!彼女の元へ!!
「ミア!!」
(夢なら、醒めないでくれ―――!!)
アカハチは、愛しいミアを抱き締めた。
そして、ずっと言えなかった言葉を口にする。
「愛してる‥‥‥」
もう離さない!!
アカハチは、ミアを強く抱き締め目を閉じた。
その瞬間、
グラリ---!!
地面が揺れた気がした。
(なんだ――!?)
ユラリ
目の前の視界が歪む。
抱き締めているはずのミアの感触が薄れていく。
「嫌だ!ミア!!ミアーーーー!!」
アカハチの視界は歪み、世界は眩しい光に包まれいった・・・・。