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デスゲームで死んだらパラレルロボ世界だったんですが?  作者: 蒼井茜


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9/12

どうしてこうなった!(前振り)

 追加の射撃試験を終えてプラプラとその辺を歩いていた。

 というか迷子になっていた俺は遠慮なく凛にメールを送る。


『迷った、場所これ、助けて』


 写真を添付したそれはすぐに届き、そして返事も爆速で届いた。


『動くな』


 その言葉に従い壁にもたれかかる。

 そして今の自分を客観的に見る事にした。

 まず俺という個人、あるいは故人。

 デスゲームのラスボス戦で死んだと思っていたらギアがある世界にいた。

 そこには死んでいたはずの凛達がいて、ギアに乗る事が普通、自転車レベルで普及している。

 当然パイロット科なんていう専門の育成学校もあって、それはこの世界においてエリートコースである。

 推定だが俺はその中でも上澄みの成績を叩きだした……と、思う。


 少なくとも二つ名のようなミドルネームを持つ家庭の子と同等以上に戦えたという事実、何なら圧倒してたけどそれは機体が汎用機だったというだけの話だ。

 操縦テクニックだけなら負ける気はしないけど、専用機というその差を埋めるだけのユニーク機体なんか持ち出されたら流石に対処が難しい。

 けど勝てないとは言わない、つまり俺はこの世界だとそれなりに強いわけで、ある意味で言えば勝ち組コースでもある。


 たださっき教官が言っていた「エースが一個小隊に落とされる」という言葉。

 これから察するに戦争にならない程度の戦闘はちょくちょくある。

 そして俺は今学生であると同時に予備兵みたいな扱いでもある。

 端的に言えば落としやすいエースとでも言えばいいか……。

 叔父さんがギアをくれるという話にしても、カスタムしたところでそれは毛が生えた程度の汎用機にすぎない。


 なんなら目立つ分狙われやすくなる。

 つまりとんでもなく死にやすいわけだ。

 ……かといって今更手抜きをしたとしても最前線送りになるであろうという確証がある。

 勘だけど、確証なのだ。


「詰んでるな」


 まるで隠居していたコロニー近くにラスボスが出現すると聞かされた時のような気分だ。

 せめていい機体を手に入れられれば話は変わってくるが、それでも焼け石に水。

 生き残りを考えるなら極限まで装甲を分厚くした鈍重な機体でチマチマ射撃戦をしつつ、必要に応じてパージするようなシステムを用意すれば……いやだめだな、むしろ的にしかならねえわ。

 じゃあ逆に極限まで装甲を削った高速起動の機体を用意すれば……逃げるだけなら確実、回避も弾幕程度なら抜けられる。


 生存確率だけならこっちの方が高いが代償もデカい。

 かすれば死ぬし、逃げ場が無くなれば終わり、さらに完全に包囲されたらどうにもならないのは変わらず、下手に逃げたら敵前逃亡扱いになる。

 ……いや、ラスボス戦とあまり変わらない絶望感の学生生活ってなんだそれ。


「まぁ、なるようになるか」


 隠居を決め込むにしても俺が使うギアの設定って一般的には不人気だろうしな。

 バランサーもジャイロも無しで飛べと言われたらみんな嫌がる。

 俺も最初は何度も、シミュレーターでだけど自爆したし。

 かといって新しいギアの開発ができるかと言われると、直すのは得意でも作るのはちょっとなぁ……。

 出来なくはないけど、既存の機体の延長線でしかないから。

 というわけで将来的な事を含めて俺が死ぬ確率はそれなりにあるわけだ。

 だったら逆転の発想はどうだ。


 ひたすら生き抜いて、生き延びて、生きながらえて、そんで将校クラスになってしまえば前線に駆り出される機会は極端に減る。

 案外悪くないかもしれん……というか楽隠居させてもらえるような立場じゃないからな。

 それ以外に生き延びるルートが見えない。

 だとすれば坂月に言っていた機体のコンセプトは半分くらい無視した方がいいな……。

 あいつは俺が高速起動の近接戦闘機に乗ると考えてたらしいが、俺の得意分野を生かすならそれは理にかなっている。


 ただ近接戦だけというのがネックになるので最低限の射撃武器と、そして不測の無い程度に近接武器、可能なら変形機構も欲しいな。

 これをメインに安全マージンを取りつつ叔父さんに相談してみるか。


「あ、いた!」


「凛! 助かったぞ! この学校めっちゃ入り組んでて迷子になってたんだ!」


「そりゃそうよ、いざという時は防衛基地になるんだから」


「……そんなに情勢ヤバい?」


「ヤバいというほどじゃないけど、近隣諸国との軋轢はそこそこ。小競り合い程度の戦闘は頻発しているし、スクランブルなんか毎日何回もある。このくらい常識よ? アニメばっかりじゃなくてニュースも見たら?」


「そういう凛だって最近じゃ海外ドラマばっかりじゃないか」


「私はちゃんとニュースも見てるから! 朝寝坊大好きなお兄ちゃんとは違うの!」


 あー、いいなぁこれ。

 妹にお兄ちゃんと呼ばれる、本来なら味わう事が出来なかった歳でのこれだ。

 こんなんシスコンになるしかないじゃないか!

 凛は俺が護る!

 ……となると本格的に俺が生き延びる必要も出てくるな。

 俺の隣が一番安全という状況を作っておきたい。

 よし決めた、俺将校目指す!



想像以上に好評な模様で嬉しい限り、感謝感激でございます。

あいにくストックが無いのですぐには無理ですが、3月ころから10万文字まで毎日更新で駆け抜けようという計画を立てました。

お楽しみに。

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