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デスゲームで死んだらパラレルロボ世界だったんですが?  作者: 蒼井茜


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シミュレーター

 レーティング的にアウトな本を片付けてから俺達は疲れから睡魔に襲われた。

 早々に、まだ9時前後という時間だったが寝る事にした。

 暇だと騒いでおいて、と思われるかもしれないが健康上の理由というやつで軍人さん達には勘弁してもらおう。

 どのみち明日からもしばらくここに留まる事になるのだから。

 ……思えば俺、学校の授業ほとんど出てないな。

 こうなる前はパソコンでの通信だったが高校卒業証明書を得る程度の学力はあったが、今でも覚えているかは怪しい。

 流石にそんなのが将校になるとかいうのは洒落にしてもつまらなすぎるので、もう少し真面目に授業に出ようと思いながら眠った。


 そして朝、豚汁と焼き魚、そして白い飯。

 再考の朝食を食べ終えてからしばらくボードゲームで遊んだ。

 TRPGでもよかったんだが、ぶっちゃけた話するとシナリオの量が膨大で、どれも短時間で終わる奴ばかりだったんだけど……なんというか、内容の方にレーティング規制かけるべきだなという結論になったんだよ。

 軍人らしくRやGがゴロゴロ出てくるシナリオばかりだったので途中から使えそうなのを捜すのをやめた。


「よし、角とった!」


「でも次パスしかできないよ?」


「ぬあぁ!」


 凜が良平相手にリバーシで遊んでいるが、戦局は圧倒的不利な様子。

 パーフェクト負けにならなかったのは温情なんだろうな……。


「失礼します」


「どうぞ」


 テントの外から声をかけられたので、ルールブックを読んでいた俺が対応する。

 クリスは朝食の後二度寝かましたので、まだ夢の中だ。


「皆さんの端末を返却しに来ました。一応、昨日の事などはあまり口外しないでいただけると助かります」


「あぁ、その辺はわきまえてます」


 まぁ情報統制ができたかと言えば、現代社会じゃそれは無理だ。

 なんなら衛星で見ていた他国がやいやい言ってきているかもしれない。

 そこまでされたら流石にギアで殴り込みかけるくらいの気概を持っているのが対インベーダー軍なのだが、そんな騒ぎになってないあたり酷い形で広まったわけじゃないだろう。

 だからと言って好き勝手に現場情報とか言って拡散されるのも嫌だろうからな。


「それとシミュレーターですが、使い古しの物でよければと許可が出ました。この後すぐ運び込む予定ですが……」


「なにかありました?」


「いえ、このテントに併設されている発電機はそれほど大きい物ではないので、専用の物を置くかホスピタルギアを裏手に置かせてもらう事になると思います」


「あぁ、構いませんよ。一人はあぁして寝てますし、照明があればテント内でも影とか気にしません。というかエアコンまであるのでゆっくりさせてもらってます」


「すみません、色々お手数おかけして……ところで、一つお伺いしたいのですが」


「なんでしょう」


「雨傘幸助さん、ですよね」


「はい」


 名簿にでも名前が載ってたんだろうけど、なんか緊張した様子だな。


「あなたの組んだシミュレーション、まさに最前線をそのまま模倣したような出来栄えでした。私もやらせていただきましたが……今までのはただのお遊びですね。あれを正式に導入すれば軍の被害も抑えられるようになるでしょう。新人たちはどんどん撃墜されながらも先に進めるようになってきています。不自然に対しての嗅覚が鋭敏になりつつあり、スコアも上昇傾向。それに加えて積極的にギアに触れるようになり、メカニックとの間柄もよくなっています。中にはメカニックと恋仲になった者もいまして、今度パインサラダとステーキを作ってもらうなどと惚気ていましたね。軍全体を代表してお礼を言わせてください」


 そういや俺が組んだシミュレーション、あれ軍にも流したっておやっさんが言ってたっけ。

 早口でお礼を言われたからいまいち頭に入ってこなかったが……ん? 死亡フラグ立てた奴いない?

 まぁいいや、お礼を言われて悪い気もしないし。


「あの程度でよければいくらでも。実は学園の方ではもっとランダム性やイレギュラーの多い物があるので、データだけでもという話をしてみてはどうでしょう」


「それも雨傘さんが?」


「えぇ、凛……妹の練習用に作ったついでに実習や授業に出ないのを目溢ししてもらえるよう作りました。とはいえツクヨミ改とスサノオがある程度完成したので、あとはいくつか案を投げて学業に専念しようかなと思っています」


「なるほど……あれらの機体も素晴らしい物ですね。惜しむらくは、あのツクヨミ改という機体は我々の中でも扱えるのは極少数でしょう」


「意外と素直な機体なので、耐G訓練さえ積めば難しくありませんよ」


「僭越ながら、雨傘さんはどこでそれを?」


「機密事項です」


 唇に人差し指を当ててウィンクしておく。

 大抵の人は元ネタ通り見逃してくれるし、そうじゃなくても男がこんな事すれば呆れて退散する物だ。


「なるほど、特別な特訓という事ですね……もし公開する機会があればそれも是非お願いします」


「あ、あはは、わかりました」


 どうしよう……今度負荷も完全再現したシミュレーションとか用意しようかな。

 超重力下惑星での戦闘とか、ブラックホール近くで常にブースターふかしながらオートジャイロやバランサーが意味を成さない状況での戦闘みたいなの。

 全部マニュアル操縦できるようになるだけでだいぶ違うんだよね。

 そこから隊列組んでとか、そういうのができるようになるまでには時間かかるけど。


 ゲーム時代だとアヴァロンってチームがパレードみたいな事やったりしてメンバー増やしてたっけ。

 最終的にラウンズって言われる上位メンバー以外生き残れなかったみたいで、騎士団とか言われてたのが少数精鋭の組織になったけど。

 というかほぼ全滅しかけたゲームでチームとして生き残ってた時点であいつらすごい奴らだったからなぁ。

 うん、あのゲームは糞だったけど少し参考にさせてもらおう。

 それに、厳しい訓練を早めに終わらせておけば後が楽だ。

 ということで、凛には地獄を見てもらう。

 ふふふ、オセロで負け越している程度で泣くようなメンタルとはおさらばだ、我が妹よ。


 それはそれとして泣かせた良平も一緒にシミュレーターにぶち込む。

 逃がさねえぞ?

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― 新着の感想 ―
思ったが、シミュ弄ることが出来るのは結構チートじゃないか? やろうと思えばゲームのストーリー順に難易度上げていって最終盤の戦いも事前に体験とかさせられるだろこれ。 イージーとまでは言わんが軍全体を大幅…
>パインサラダとステーキ ついでに、プロポーズ用の花束を用意しよう(PJ)
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