【2日目】
今日は、日記に書くことが多い。
簡単な1日にの流れは、午前中は座学を行い、午後は実践的な訓練だった。
午前中の座学で分かったことは、この国の名前、国がどこにあるのか、大まかな歴史、なぜ魔王が産まれたのかだった。
ぶっちゃけ、勉強が苦手だから大まかなことしか覚えていないんだけど。
まず国の名前は、「光の国ライタニア」と言うらしい。
そして、この世界には大陸が一つしかないようだ。大きな大陸の中に6つの国があり、その中心地にある国がライタニアなんだとか。
そして、ライタニアを囲む様に
灼熱の火山を抱える「火の国ファトラ」
清らかな湖と大河を治める「水の国アクシー」
堅牢な城塞と鉱山を誇る「土の国ダルトンへイブ」
高原の草原を吹き抜ける風に生きる「風の国ウィン」
そして、大森林を支配する精霊の国「木の国トゥリトゥリ」
の五つの国が存在している。
この6ヵ国は人間に手足のように、それぞれが世界にとって大事な役割を担っているとのことで争いは起きないようだ。
そのため、大規模な戦争のようなものは、建国1000年以来起きていないんだとか。
ただし、この世界には魔物というものが存在しているとのこと。
そのため、武力の維持は不可欠らしく、完全に安全な世界ではなかったようだ。
歴史の座学では、光の国が建国される前の歴史を学んだ。
まとめて書いちゃえば、光の国だけではなく、大陸に存在している6ヵ国が同時に建国されたとのことだ。
なぜ6ヵ国同時だったのか。
ここで、出てくるのが魔王の存在だ。
1000年前の世界では、国と言うものは細かく分かれており、それこそ戦争もあったようだ。
その世界で、唐突に現れたのが大魔王バルラーラ。
バルラーラって名前弱そうに聞こえるけど、とんでもなく強かったらしい。
バルラーラは、それまで存在していなかった魔物と魔族を産みだし、世界の6割を滅ぼしたというのだから、名前から想像できない強さなのだろう。
しかし生き残った人族が神に頼り、今回のように勇者を召喚して魔王側に対抗したようだ。
その後、頭、右手、右足、左手、左足、そして心臓を現在の6ヵ国が建国し封印をしているとのことだ。
ライタニアでは、心臓を封印している。
白髪の長い爺さんの娘さんが、大陸全体に結界を張れるのは心臓を封印している国に産まれたことが由来しているらしい。
ちなみに今更なんだけど、白髪の長い爺さんが王様で。娘さんがお姫様なんだってさ。
いや、まぁ分かってたけどね!!!そうだよね!だってめっちゃ偉い雰囲気出てたもんね!
そして最後に魔王が生まれた理由。
それは。
神様同士の喧嘩らしい。
俺の方が強い生命体を作れるんだ!!!!って実力行使を始めたのが魔王側の神。
いやいや、いきなりそんな強いやつ作るなよ!そんなら、こっちは異世界の人間に加護を与えて戦わせちゃう!って対抗したのが、人族側の神なのだとか。
しょーもな!
魔王の誕生の理由が一番しょうもなかった。
神が作ったからいます!ってことでしょ?陰謀論とかも、なにもない。ただ作られたから存在し、対抗する神の生命体を殲滅する。
もはや可哀そうだ。
じゃあ、なぜ魔王が復活するのか。
前回の神同士の争いから1000年経ち、もう一回1000年経ったからリベンジだ!と魔王側の神がリベンジに燃えているらしい。
まず、光の国以外の5ヵ国に、ダンジョンと言われる異空間に繋がる大きな建造物を生成し、そこから新たに作り出した魔物や魔族をこの世界に送り出そうとしているとのこと。
向こうの目的は、封印されている大魔王バルラーラの身体を手に入れること。
魔王が復活したと聞いていたのに、大魔王の身体を手に入れるって何?みたいな。
先生に聞いたら教えてくれた。
まず、魔王が現れたと言ったが、これは本当。
ダンジョンの主と呼ばれているものが魔王と呼ばれているらしい。
ということは、この世界にいる魔王は現在5体いるということだ。
なぜ、魔王が5体もいて目的が大魔王の身体なのか。
ダンジョンの主である魔王は、封印されている1000年前の魔王の身体を手にすることで、己を強化することが出来るとのこと。
そのため、人族側とは異なりダンジョン同士で結束しているわけではなく相手の5人の魔王は、魔王でお互いに殺し合いをするらしい。
そして、最後に生き残った魔王が、新たな大魔王となり世界を滅ぼすとのこと。
神の話では、魔王が1体になり完全になるのは2年後だということだ。
それまでに、5体の魔王を滅ぼさないといけない。
その役目を担ったのが、今回召喚された勇者4人なのだ。
ちなみに、なんでこんなに魔王側の内情に詳しいのかと言うと、人族側の神がルールをしっかり定めたらしく、それは各国の王に贈ったからなのだとか。
なんというか、扱い雑だな。とか思ったけど。神からしたら、俺らは雑に扱っても良い存在なのかもしれない。
ゲームのキャラクターみたいな。
所詮は同じ次元の生き物じゃないしな。
ついでに、今回の争いのルールが次の通りだ。
①ダンジョンが生まれてから1ヶ月は魔王側は外に出てはいけない。
②大魔王の身体を手に入れたら魔王を倒したら、大魔王の身体はドロップする。
③魔王を倒すと、そのダンジョンは消滅する。
④勇者は1回だけ召喚していい。
ダンジョンが生まれてから一ヶ月しか猶予ないのかー。
あと、どのくらいなのよ。と思ったらダンジョンが5ヵ国に生まれたのが1週間前らしい。あと3週間で魔王たちは、ダンジョンから進行してくるとのこと。
その3週間の間に、勇者を鍛えるのだとか。
頑張れ!勇者!負けるな!勇者!
え?俺はって?
俺も特訓だって。
出てきた魔王勢は、大魔王の身体の封印を解きやすくするために、姫さんを狙ってくるから。
あー、やだやだ。
そんな感じで、座学というか説明が終わって、午後からは特訓だった。
特訓って言っても、初日は体力測定的な。基礎能力の確認とか適性のチェック。
この世界には、異世界物語よろしく魔法があるらしく、魔法の適性があるかも確認をした。
俺には、水魔法の適性があった。水飲み放題だね!やった!
水よでろー!と意識してみたら、サッカーボールくらいの大きさの水の塊が出てきた。
1口飲んでみたら生ぬるかったので捨てようと思ったが、俺よりたくさん動いている勇者達が羨ましそうに見ていたので、飲ませてあげた。
めっちゃ喜んでた。 やるじゃん水魔法。
勇者たちにも、適正がたくさんあったが、力のコントロールができず災害みたいになってた。竜巻が起きたり、地面が一瞬でスケートリンクになったりとハチャメチャだ。
雷が10m先に落ちたときには死ぬかと思った。てか、たぶん魔法使いの先生が"盾を"とか言っていたから、守って貰えていなかったら感電してたかもしれない。
勇者達にはには力のコントロールを頑張ってほしい。
そんなこんなで、今日は終わりだった。
今から晩飯。
昨日のご飯は、みんな平等だった!やったぜ!!!
ただ、今日からは分からない。なぜなら、勇者の消費エネルギーが多いらしく、いっぱい食わないと体力が維持できないらしい。
アスリートだな勇者。頑張れ。
まぁ、俺のご飯は普通ぐらい出してくれたらいいや。