告白
朝のホームルームでとんでもない発表があったその日の昼時間。
「悠人くん、入学式から好きでした。付き合って下さい。」
俺は屋上で告白されていた。
まぁ、これで何人目かな?(髪をさらっ)本当にモテ男は困るな(髪をさらっ)
「ごめん今、俺好きな人いるから」
俺調べだと、この断り方が1番さっぱり諦めてくれると思う。(個人的な意見です)
「だ、だよね」
そう言って涙を目に溜めながら走って行った。結局、屋上では俺1人になってしまった...いや、2人だった。
「おいおい、これで何人目だよ」
どこから現れたのか、後ろから朝陽が肩を組んできた。
「お前、いつから見ていた?」
こいつにプライバシーって言葉知らないのか?これだからバカは。普通知り合いの告白シーン見るかよ。俺は見るよ。
「そんなの最初からに決まってんだろ。あ、ちなみにわざとじゃないから、偶然だから偶然」
「とりあえず、今は信じてやるよ」
「それで?」
「ん?」
「まだ1ヶ月経ってないけど何人目だ?」
「そりゃ、こんだけかな?」
俺はそう言って指を8本立てる。
「流石ですね、悠人さーん、1人ぐらい分けてくれても」
こいつバカだけじゃなくクズでカスになっちまうな。評価が最悪だ。
「お前、こういう関連の冗談はほどほどにしておけよ」
あまりこのネタでの話はしたくないと釘を打つ。
「はいはい、その通りですね」
「本当に分かってるか?」
「Yes」
「舐めてんなこのガキ」
俺はそう言って朝陽の髪をわしゃわしゃする。
「それよりもどう思うよ?朝のやつ」
やはり、メインの話題はそれであったらしい。多分どこのグループの生徒もほとんどこの話題で持ちきりだろうな。
「確かに前々から国立のしかも、遊戯特化の学校がそこらのボードゲームで終わると思わなかったが、これは.....」
「これは?」
「いや、なんでもない」
話をやめて俺は購買で買った『校長推薦!とっても美味しい焼きそばパン』を頬張る。
うむ、美味しい。しかも、無料だなんて最高ではないか。そりゃ、金が掛かると言っても誰も持ってないけどな。
「そういえば、俺さぁ、上級生が金持ってるとこ見たんだよね」
朝陽がふと言い出す。
「なんで持ってるんだと思う?ここって隔離されてるし」
「購買に自動販売機、ベーシックショップも制限はあるものの全部無料だし国立だからで説明できるのか確かに不思議だな」
補足として説明すると...違う違う
説明しよう!!ベーシックショップとはこの学校の敷地内にある大型ショップのことで主に服や日用品、食べ物、本屋、などのイオ●とかア●タとかのイメージだ。
この際だ。この学校の設備について話そう。
まずこの学校は学校エリア・商店エリア・自然エリア・寮エリアの4つのエリアに分けられる。
敷地内には今言ったベーシックショップの他にはカフェや映画館や飲食店などがある。
これは先輩から聞いた話なのだが、カフェや飲食店などは生徒が自分達で立ち上げるているらしい。なんでそんなことしたのか分からないが。
それらの店があるエリアを商店エリアと呼ばれている。だが、1年生は立ち入り禁止なっている。なんでや!不平等でしょうが!
(ベーシックショップは寮のそばにあるので使える)
以上、悠人くんの説明のコーナーでした。
「どっかのタイミングで必要になるんじゃね(脳死)」
「そうかもな、あと、脳死で答えるな」
「俺、考えても分かんないから(脳死)」
「そういえば、お前いつも脳死だったわ」
「いや、ゾンビ!!」
何かを掴んでいるような手を前に出してそう言う。それは、霜降●明星の粗●やないか!
「いつか、分かるんじゃね(脳死)」
俺も朝陽のようになってみる。
「それな(脳死)」
この状況、他の人から見たらヤバい会話みたいになるじゃないか。実際そうだけど。
俺たちはそろそろ昼休憩が終わる時間になった事を確認して教室に帰った。
6限目。
「はい、それではこれからのこの学校についての説明をしていきます」
朝と同様にクラスの雰囲気は緊張状態が続いている。
「どれから話そうかなぁ.....そうだ、まず一つ目これからは商店エリアが立ち入り可能になります」
クラスがざわつく。もちろん歓喜の方だ。1ヶ月間ずっと存在だけを上級生から聞かされていたにも関わらず一度行ったことがないからな。
「同時に!これからは全て無料キャンペーンは終了します」
やっぱり、なんかあったな。フラグ回収がプロレベルなんだよな。
またしてもざわつく。もちろん今回は絶望の方だ。
「今までとは新入生のための移行措置のために基本的にベーシックショップ等の商品が無料であったと思いますがこれからはお金を払ってもらいます」
「でも先生、俺たち誰も金なんて持ってないぜ」
クラスの誰しもが思っていた事を朝陽が代弁する。
「そこで朝、話した星を使います。あの星1個で10,000pと変換できます。そして、このポイントは1p=1円という事になっています。あと一応、星は現金とも変えることができます」
1人が持っている星の数は10個つまり、1人につき100,000円分を持っていることだな。星の変動がなければ最高でも90,000円で生活しなければ行けないわけだ。居住費やライフラインの料金が掛からないと考えても無理だ。impossibleだ。
飲食関連だけで詰む。いや、切り詰めればそれなりにはいけるのか?
「無料じゃなくなったって言っても、生活必需品はある程度無料のままだから、餓死なんて事にはならないから安心して」
あら安心!!なんて思うかよ不安要素ありありだわ。
「上級生の中には月1000円で生活している無欲な修行僧みたいな人もいるので頑張れば3年間を36,000円で暮らせるって事だから安心して下さい」
なら安心!じゃねえよ、同じことを2回繰り返すな。
「先生、反対にお金を星に変える事はできるのですか?」
1人の女子生徒...水沢ひかりが丁寧な口調で質問をする。
正直俺もその事は気になっている。
「いい質問ですね。星一つは100,000円で交換する事ができます」
星を金に変えるのはいいけど金から星に変えるのはあまり得策ではないようだな。
「他に質問はありますか?」
「はい」
俺の天使こと北条芽依が挙手する。
「現金以外に電子マネーとかにはできないんですか?」
「これまたgood questionだね。要望が有れば電子マネーにできます。実際に7,8割の生徒はそうしています。持ち運びがやっぱりいいよね」
この人って本当の教師だよね?内容はいいんだけど『いい質問』→『good question』にしたり、あんたの担当は数学だろ!
英語を使っていいのは英検1級以上だけだ!
※全くそんな事はありません。この主人公のいう事は聞かないで下さい。大事なことなのでもう一度言います。英語は地球に生きる全ての生物が使っていいです。アリでもカマキリでもミミズでもトゲアリトゲナシトゲトゲでも使っていいです。以上注意書きでした。
「それと遊戯棟解放の話だけど、アプリの方に案内が出ているから、それ見ながら実際に行ってみるといいよ」
1ヶ月焦らしに焦らされた遊戯棟、行ってみるか。