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準備

 学校の帰りに有料となってしまったベーシックショップへ立ち寄る。

 

 すぅー、肉が高い。昨今の物価高が身体の端から端まで染み渡る。本当に日本の不景気を《《にくむ》》ね、肉だけに…。

 しょうもないことを考えつつ切らした食材をカートに入れる。


「あれ?悠人くんじゃん」

 声の方に視線を向わせると見覚えのある女子3人がいた。

「えっと、茉由と...」

「香菜とさゆりだよ〜、まだ覚えてないのはけしからんよ」

 佐久間茉由、国枝さゆり、高橋香菜、試験で同じチームの女子3人だ。


「他クラスなのに仲いいんだな」

「サバゲーのことは詳しくないけどチームワークが大事なんでしょ?じゃあ、仲良くした方がいいよね」

 茉由に同調するようにさゆりと香菜が首を縦に振る。

 この2人はまだイケメンで天才的で究極的なアイドルな俺に対する緊張があるよだ。


「じゃあ、俺も誘えよ」

「えー、積極的だなぁ、女子だけで積もる話もあるというものですよ」

「それは確かに」

「でも、今のは俺様系彼氏みたいで嫌いじゃないよ」

 一瞬、さっきの自分の発言をフラッシュバックした。『じゃあ、俺も誘えよ』、確かにちょっと恥ずかしい。


「あれ?顔赤くなってるよぉ〜?」

 佐久間茉由、真凛とか麻美と違って常に攻撃体制だ。慣れないのもあるのか、相手としてはかなり苦手な分類かも知れない。


「そりゃ、美女3人が前にいたらね」

 国枝さゆりと高橋香菜の顔は急激に赤くなる。ただ、茉由だけは変化を表面に表さない。


「ありがと」

「とりあえず、残り3週間程度仲良くやって行こうぜ」

「もち」


 そうやって3人と別れた。しかし、俺が買い物を済ませ、店を出ると1人となった国枝さゆりがいた。


「あの...ごめん待ち伏せみたいに」

「全然いいけど、どうした?」

「...連絡先交換してください」

「ん?もちろんいいけど、どうして?」

「えっと...試験関連で連絡必要かなって思って。ほら、茉由ちゃんもチーム内の仲が良い方が良いかな…って」

 段々と声が細々くなる。もちろん、高橋香菜の意図なんて俺じゃなくても誰でもわかる。

 いやー、鈍感系主人公もありだよなぁ。

 何はともあれ、とりあえずさゆりとRINEを交換する。


 商業エリア、カラオケ店『ビックビブラート』。


 そこではチーム12の作戦会議が行われていた。


チーム12

1年A組 望月真凜

1年B組 花橋咲希はなはしさき

1年C組 鈴木太郎すずきたろう

1年D組 小林亜美こばやしあみ

1年E組 南波真紀なんばまき

1年F組 宮本和樹みやもとかずき


「とりあえず、今日の朝聞いたルールを参考にすると運動能力で勝つ見込みが少ないチームほど司令塔が大事になるね」

 そう総括したのはE組南波真紀なんばまき

 

「真凛ちゃんは運動部だけど、この試験できそうだったりする?」

 

「いや、運動神経にはそれなりに自信あるけど男子には勝てないしサバゲーとか銃バンバンするやつはやったことないから...あんまり期待しないで欲しいかも」

 まだこのメンバーと出会って10分ぐらいしか経ってないけど、この南波真紀って子すごい。いろんな人に意見を求めながらグループとして話を進めている。グループディスカッションで一人はいて欲しい人ランキング1位だ。

 いや、待て、この凄さがわかる私も大分凄いのでは?


「真凛ちゃん、どうした?」

「え?あ、いやなんでも」

 この人の心を見通すかのような瞳、綺麗な瞳に一粒の恐怖を感じる。


「じゃあさ、南波さん司令塔やってよ」

 そう言ったのは鈴木太郎。いや、名前平凡すぎるでしょ。こういうこと言うのは良くないけど。太郎くんのご両親ごめんなさい。


「確かに、それがいいかも、この場をまとめてるのも真紀ちゃんだし」 

 私がそういうと小林亜美と花橋咲希も同調する。


「でも、南波ほどの運動神経持って司令塔送りは勿体無い気もするけどな」

 一人反対意見を示したのは宮本和樹であった。

 ちなみに宮本和樹については私も少し知ってる。男子バスケットボール全中優勝メンバーの一人だ。私もよく同じテニス部女子の『あのさあのさ、めちゃかっこいい人いたんだよね』を枕詞にこの人の話を聞く。ムカつくことに悠人の話もその情報網からちょくちょく入ってくる。

 それはともかく、そんな宮本くんと南波さんの関係はあまり分からなかった。


「私も真凛ちゃんと同じで男子を相手にしたら別に普通だから」

「おまえの強みは運動能力というか視野だろ」

「まぁ、そうだけど、そんな活かせられる自信ないよ」

「俺としちゃ本人がそう思うならそれでいいけどさ」

 結構二人は仲が良いようだ。


「2人ってどういう関係なの?」

 それを聞いたのは小林亜美であった。おそらくこの女、宮本和樹を狙っているのだろう。


「え?あー、男女違うけど同じバスケ部だから、色々交流があるんだよね」

「ふーん」

 亜美はやや安心した表情を見せる。

「もしかして、付き合ってるとか想像しちゃった?やめてよね笑笑、こんなやつと」

「おい、こんな奴ってなんだよ笑」

 あれ?結構満更でもない感じだ。 

 同じスポーツのエース同士が恋仲って結構良いよね、私の好み。あ、でもバスケ部の次期エースはどちらかというとくれないくんの方か。

 そんなことはどうでも良い、私はこの2人の恋路を見守り隊に就任するのだ。


 

 



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