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「麻美、おはよう」

「悠人か、おはよう」

 学校に登校すると麻美はいつになく疲れたような顔をしている。

「そんな顔してどうしたんだ?」

「最近、部活がキツくてね」

 麻美はバスケ部だ。やっぱり運動部は大変なんだな。

「まぁ、なんだ、頑張ってくれ」

「言われなくても」

 帰宅部を選択して良かったと改めて思った。

 


「皆さん、席についてください」

 ホームルームの時間になり、いっちゃん先生が教室に来る。

「それではホームルームを始めます」

 学級委員である北条芽依ほうじょうめいが起立、礼と号令をかける。


「まず、次の実技試験についてです」


 そう言ってプロジェクターに画面を映す。

「もしかしたら既にチームメイトとコンタクトを取った人もいるかもしれません。ルールを改めて説明します」


 画面が切り替わり、ゲームに使われるエアガンの表が映し出される。種類としてはハンドガン、サブマシンガン、アサルトライフルの3種類をプレイヤーは自由に装備できる。


「そして、次に皆さんには役割を決めてもらいます」


 再び画面が変わる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 役割一覧。

 司令塔...フィールド外から仲間に指令を出すことができる。

 KING...プレイヤーの中から1人選ぶ。KINGに選ばれたプレイヤーがヒット(死亡)するとそのチームの敗退となる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 司令塔などの要素を入れることで本来のサバゲーとは少し違うようだ。

 

「KINGが先にHIT(死亡)した方のチームが負けとなります。しかし、他のプレイヤーは一度スタート地点に戻ることで復活できます。ただし、チームのHIT数が10を超えたらそれ以降は復活できません」

 復活の上限はあると言うことか。何度も特攻する、いわゆるゾンビ戦法は使えないと言うことだ。


「そして、司令塔はフィールドと離れた教室でこの試験を行います。司令塔は教室に置かれたモニターを見ながら味方に音声でで司令を出すことが可能です。」


「そのモニターには何が映ってるんですか?」


「フィールドの全体図、そしてGPSを元に味方の居場所が分かります。また、数十秒に一回数秒だけ相手の1人の居場所が見えるようになります。その時、相手が決めたニックネームも分かります。」

 つまり、味方の報告を参考にして相手の誰がなんのニックネームがつけられてるのかを戦闘中に把握し、誰に自チームの誰を当てるのかをオペレーションするのが司令塔の仕事ってわけだ。


「トーナメント表はもう発表されているので確認してください。それでは実技についての説明は終わります。分からないことがあれば教員に直接聞いてください」

 

 俺は『SoL』で組み合わせを確認する。

 トーナメントは左からチーム1、チーム2と続いている。つまり俺たちチーム22の初戦の相手はチーム21ということだ。

 そして、チーム21のメンバーを見ると宇治原ひまりという名前が見られた。

 なるほど。これが偶然なのかそれとも必然なのか...それは神のみぞ知るか。



「いっちゃん!」

 放課後、俺は先生の下に質問をしに行った。

「お、悠人くん、どうしたんですか?」

「試験についての質問なんですけど」

「あー、はいはい、答えれる範囲で答えます」


 そして、10分に満たない程度に質問を続けた。


「先生ありがとう」

「いえいえ」


 失礼しますと言って職員室を退出した。

 とりあえず、1つの戦法が見えた。とは言っても純粋なサバゲースキルがあればの話だがな。今回は負けても星はマイナス1だけだから俺が...。


「動く必要はない、とか思ってたりします?」

 後ろから声がした。しかし、今回はこの前と違って少し前から存在には気づいていた。

「宇治原、学校内であまり話しかけんな」

「なんでですか?別にただのクラスメイトとして話しかけてるだけなのに」

 小悪魔のような上目遣いでこちらを覗き込んでくる。

「宇治原」

「はい」

「俺を敵に回さないことをおすすめするぞ」

 宇治原ひまりの耳元で囁いた。

「ですが、私はあなたの過去を言いふらすことだって出来るんですよ」

 それは俺が1番恐れているシナリオだ。ほとんどの人が信じないような内容だけれど、微かな疑念の種はいつどのように成長するかは誰にも分からない。


 はぁ、《《この学校においては》》こいつはかなり厄介だ。


「どうすれば大人しくしてくれるんだ?」

「そうですね...あ」

 なんか閃いたようだ、頭の上に電球が朧げに見えたような見えてないような。

「今回のサバゲーで司令塔になってくださいよ」

「どういうことだ?」

「私も司令塔になるので本気の勝負をしてくださいよ。もし、クロ...悠人くんが私に勝ったら言うことに従いますよ」

 一回戦でこいつと戦うことが決まった時点でなんとなく嫌な予感はしていたが、やはりめんどくさいことになった。


「すまんが期待には応えれないな」

「はい?断るんですか?本当に言いふらしますよ」

 宇治原ひまりは初めて困惑した表紙を露見させた。


「本気は面白く無い、1割だ。1割の力でお前を倒してやるよ」

 そう言うと宇治原はニヤリと笑った。


「さすがクロー」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 ふーん、初戦でクローと宇治原が当たるのか。おもしろいじゃん。

 私もやりたいなぁ。

 でも、ここで出たところでクローに致命傷は与えれないからなぁ。タイミングを見計らいないと流石にクローには勝てない。

 宇治原が勝つなんて事にならないでくれよ、ク・ロ・ー。



 


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