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プロローグ 聖皇英雄譚

 それはむかし、むかし……世に混沌と戦火、そして凄惨な死だけが在る『魔神戦役』とされた時代のお話。

 人族と亜人族──魔族の闘い……100年以上の年月戦火が続いた『()()()()』。


 きっかけは小さな『争い』でも一度灯ってしまった戦火の火種は薪により大きくなり……いつしか『闘い』となった。


 魔族は『魔神』と呼ばれた存在を筆頭とし、万の軍勢を率いて進軍を開始した。

 人族も対抗し、大規模な国同士が手を組み、それまでは友好関係を築けずにいた多数亜人族すらも味方につけ魔族と闘った。


 多種多様な種族を味方にし、何よりも莫大な領土を持つ人族が優勢に進んだ……のも、たった数年だけであった。


 種族として淘汰(とうた)された魔族の怒りは底を知らず、本来協力などしない彼らが……人族と亜人族が手を取りあったように、お互いの牙を研ぎ合い有り得ぬ協定を結んだ……。


 広がるのは戦いだけ。朱色が染み付いた大地、刃が朽ちる時の流れ、増え続け……無意味に火葬される死に体。


 1年……5年……10年から、数十年の年月へ。


 多くの人族を救い、千の魔族を屠った『勇者』ハーロルは魔族の軍に立ち向かい、無惨な斬首刑にて魔族の礎となった。

 『傀儡の魔王』との戦闘で、『戦鎧』ドリスが命を散らし……屍となり、操り人形の如くかつての戦友を屍へと変えた。

 当時最強と謳われた戦王国デュランスの王子『剣聖』ユーリ・ラグシアス・デュランは多くの軍勢を以てして『魔神』の首元まで刃を突き立て……圧倒的な力の差により戦王国は滅亡した。


 多くの英雄が血を流し、大地にある血色へと変わっていった。

 戦争は終わらずどちらかが根絶やしにされるまで尽きぬ最期の連鎖。


 戦争は大戦となり、100を越える時が過ぎた頃……人族の英雄『聖皇』アスタル・リスタの台頭が希望の風となり、また『魔神大戦』を終わらせる魔族にとっての絶望の風音となった。


 『聖皇』アスタルは多くの冒険と出会いに別れ……時に魔、時に龍、時に神をも斥けて、ただ平らかなる世の到来を夢見え、仲間とともに戦い続け……『聖皇』は『魔神』の座へと至る。


 『聖皇』アスタル・リスタを筆頭に──

 ──『剣帝』エディ・ローレン。

 ──『天龍』グランダラサ。

 ──『聖女』アース・ユグレス。

 数々の英雄たちが、『魔神』と戦い……勝ちを得た。

 100年の時を経て、戦争に勝利した。あまりにも多くの犠牲を払ってきた『魔神大戦』は『聖皇』アスタル・リスタによって人族として勝利し幕を閉じたのだ。


 そうして100年続いた大戦は終結し、平和な時代が500年続いたとさ。





 以上、「聖皇英雄譚・新編集版」より一部抜粋──

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