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ビジュエール・セイントVS吸血鬼

「そこまでよ!」

 声が聞こえる方を向けばサファイアを中心とした三人の美少女戦士の姿が。

「裁きの銃弾、ジュエリー・サファイア!」

「守護の盾、ジュエリー・ルビー!」

「正義の剣、ジュエリー・アメジスト!」

「「「我ら、装輝戦姫 ビジュエール・セイント!」」」

 彼女達の決めポーズに一瞬怯む。

「女性達を襲い、食い物にしてきた吸血鬼。私達はあなたを絶対に許さない。」

「五月蝿い!こうなったらお前達三人共倒してオレ様の眷属にしてやる!!」

「アメジスト、サファイア。巨大な敵。相手の攻撃に気をつけて。」

「はい。」

「絶対に倒すわ。」

 意気込むビジュエール・セイント達は散開。

 地面を殴るように何度も拳を振り降ろすバケモノ。

 軽快なステップで回避するアメジストとサファイア。

「この!」

 隠し手によるビームガンとライフル銃による3連攻撃。

 だが前回と同じく無効化。

「やっぱり私の攻撃は通用しない。」

「ならボクの剣で!」

 アメジストが振り降ろされた拳に剣で攻撃。

 だが切り傷は一瞬で塞がる。

 そうバケモノはサファイア達の攻撃が無効化されていたのではない。

 攻撃を受けると瞬時に回復しているのだけなのだ。

「・・・凄い回復力。どういう構造をしている?」

 アメジストとサファイアの攻撃を離れて観察していたルビーはシールダーを6基投射。

 シールダー達は歪な動きを見せながらバケモノに対して赤外線を投射。

「なんだ?その攻撃は?痛くもかゆくもないわ。」

 相手は攻撃だと勘違いしているが、これは相手をデータ解析しているだけに過ぎない。

「アメジスト、サファイア。このまま敵を引き付けて。相手の弱点を探る。」

「「了解。」」

 シールダーに標的が向かないように目の前で牽制の動きをみせる二人。

 元々、バケモノの意識は目の前のアメジストとサファイアに向いているのでシールダーによる解析は思いのほか順調に進めることが出来た。

「内部までの解析完了・・・。これは!」

 ルビーが驚くのも無理もない。

 それは彼女の想像を絶する構造をしていたからだ。

 バケモノの身体は一見肉に見えるがそれは見せかけで実際には土や鉄などで生成された人形。

 そしてその動力源は人間で例えると心臓部にあった。

 小部屋になっているそこには吸血鬼の姿を確認。

 肉片の椅子に座る彼の周りにはヨーコを含めた十数名の眷属達の姿が。

 彼は全裸となった眷属を犯し血を吸う。

 するとバケモノが受けた傷が回復。同時に攻撃力と防御力が上昇。

 アメジストとサファイアを徐々に追い詰めていく。

「本体の吸血鬼を何とかしないといけない。二人共、よく聞いて。」

 前線で戦う二人に無線。

 同時に前線へと向かうルビー。

「敵の弱点が分かった。データを送る。」

 作戦を伝える。

「分かりました。ボクとルビーが敵の隙を作って。」

「私の砲撃で心臓部にいる吸血鬼を狙い落とすのね。」

 ルビーとすれ違いバケモノから距離を取る。

 そしてスナイパー銃を変形させてバスターモードに。

 サングラスに表示されるレーダー。

 アメジストとルビーが敵を引きつけている間、エネルギー装填。

 狙うはバケモノの心臓部にいる吸血鬼本体。

「倒す・・・、私の手で。」

 銃を持つ手に力が入る。

 アメジストが足元を狙い体勢を崩させようと躍起。

 ルビーもシールダーを巧みに操り、バケモノの注意を逸らしつつサファイアが狙う箇所の隙を生み出そうとする。

「・・・・・・、ここ!」

 アメジストとルビーが懸命に作った一瞬の隙をサファイアは見逃さなかった。

 放たれた高エネルギーの砲撃は狙い通りバケモノの心臓部に見事命中。

だが、

「な、何で?」

 サファイアの攻撃はバケモノの厚い肉片を突破できず、吸血鬼に届かなかった。

「キャハハハ、残念だったね沙織ちゃん。」

 メルの血を啜りながら犯す吸血鬼が高笑い。

 彼は攻撃を受けている際、血を吸い常時回復しながら攻撃を耐えたのだ。

「さあ今度はオレ様の番だ。」

 頭部が大きく開き、放たれる超音波。

 それは周囲を全て吹き飛ばす程の威力。

 剣を地面に深く突き刺して懸命に耐えるアメジスト。

ルビーも6基のシールダーを地面に突き立てて上手く耐えるが、高エネルギー砲を放ち硬直状態のサファイアは耐えることが出来なかった。

 無防備に宙へと放り出されたサファイアに襲いかかる極太の腕。

「がはっ!」

 ガードも出来なかったサファイア。

 装甲が砕ける音。

 後方へと吹き飛ばられて地面に叩きつけられる。

「「サファイア!!」」

 砂煙が立ち込める方へ向かおうとするルビー。

 だがそれを吸血鬼は許さない。

 二人の前に立ちはだかり、先の道を阻む。

「これで沙織ちゃんは当分動けない。さあ次は君達の番だよ。」

 腕をぐるぐる回して威嚇。

「アメジスト、今はこの敵を倒すことに集中。」

「わかり、ました。」

 素直に頷く。

 それ程相手は強敵だと察したのだ。

 仲間を一人欠いて状態の強敵に挑むルビーとアメジストの表情には一抹の悲壮感と緊張感が流れた。


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