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牧崎雅行

「はぁ〜〜、美しい。本当に美しいよ、沙織ちゃん。」

 十字架に貼り付けられた沙織を眺め、うっとりとする牧崎雅行。

「ようやくだ。ようやくキミをこの俺のモノにできる。美しくて魅力的なキミを。」

 スカウトをしていて初めてだった、ここまで胸が高鳴ったのは。

 巷で話題となっている少女に会いに行くも完全なデマで肩透かしを受けたあの日。

 気分転換で何気なしに足を向けた先が海水浴場だった。

 夏真っ盛りで多くの人がいる中、そこで一際輝いていたのが女の子を目撃。

 それが冴園沙織だった。

 同性が見惚れるほどの顔立ちは清純アイドルとしても女優としても成功できる美しさ。

 それに対してカラダはパーカーの上からでも分かる凹凸と美曲線。

 そのコケティッシュな体に欲望抱かない男はいない程。

 グラビアアイドルとしても頂点に君臨できる、と即座に確信。

 そして何より目を惹き付けたのは沙織の立ち振る舞い。

 自身の事を熟知しダイヤの原石を自らの手で磨き上げたその姿に鳥肌が立った事は今でも覚えている。

 見つけた!彼女こそが俺が長年求めてきた原石だ!

 初めてプロデュースしたあの少女よりも可能性を秘めた彼女を磨きたい。

 彼女が世界で輝く姿をすぐ傍で見てみたい。

 欲望のまま脇目も気にせず、彼女に声をかけていた。

 ここまで自身の美について追求している少女が芸能界に興味を示さない訳がない、と。

 だが答えは即答でノーだった。

「すいません。私、そういうのには興味がないので。」

 愕然した。

 ここまで磨き上げたその至高の身体が世に知らされない事に危機感を覚え、必死に説得。

 名刺を渡して身分を明かし、見学などあらゆる好条件を提示した。

 でも沙織は首を縦に振る事はなかった。

 本来ならここで諦めるのが通例。

 しかし諦めきれなかった。

 彼女の事を調べ上げた。

 学校や住まい、趣味や特技、好きな食べ物まで事細かに。

 それぐらい沙織を欲した。

 それは自分が正しい事を証明する為。

 あの時味わった屈辱と悔しさを晴らす為に。

 だが、彼女は牧崎の元へ来ることはなかった。

 何度も声をかけても返事は同じ。

 望みはかなり低く、報告を受けた社長からも「惜しいが仕方がない。諦めるしかないな。」と諭されたが諦めることが出来なかった。

 それぐらい沙織の事を欲した。

 何とかしてでも手に入れたい。

 何としてでも。

 どんな事をしてでも。

 そんな時だった、この力を手に入れたのは。


「ねえマスター。」

 カラダを密着させて撫で声を発するのは木ノ本蒼衣。

「ちゃんと言う通り手伝ったよ。ねえご褒美は?」

「そうだったな。」

 下着姿の蒼衣の腕を乱暴に掴む。

 沙織が目覚めるまでの間、彼女で欲求を解消するつもり。

 蒼衣の唇を乱暴に塞ぎ、影へと誘った。

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