表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/83

潜入

「ユウセイ、牧崎雅行は二日前から地方に出張。連絡はつかない。何処にいるかも不明。因みに木之本蒼衣も体調不良を理由に数日前から定期公演を欠席。彼女の行方も分かっていない。」

「益々きな臭いですね。」

 無線から聞こえるルリからの報告。

 牧崎に疑いを持った俺達はすぐさま彼との接触を試みる。が、芸能プロダクションに連絡しても彼がどこにいるのか誰も知らなく行方知れず。

 そこで俺は手掛かりを得る為に牧崎が住んでいるマンションへと向かった。

 エナジードリンクで眠気を吹き飛ばして変身、マントで姿を消し彼が住む409号室へ。

「ユウセイ、牧崎が去年健康診断で採血された血液を入手した。今から吸血鬼の血痕から検出された人間のDNAと一致するか鑑定する。」

「わかりました。俺はこのまま家の中に侵入します。」

 扉に耳を当て、中の様子を確認。

 生活音は全く聞こえない。

 留守のようだ。

「了解。侵入を許可する。」

 ピッキング開始。

 マントのステルス機能があるので音だけ気をつければ昼間でも見つかる心配はない。

 5分後、ようやく解錠に成功。

 素早く扉を開けて中へと侵入。

 鍵をかけてようやくひと息落とし、中へと進む。

 今回、牧崎の家に侵入した目的は二つ。

 彼が今、何処にいるのか?と彼が吸血鬼である証拠を見つける為。

 最もルリが今、とあるルートから手に入れた牧崎の血液と吸血鬼から採取した血液が一致するか鑑定している最中。

 だが、それ以外の証拠も手に入れたかった。

 特に変わった所はないごく普通の部屋。

 リビングを見た後寝室へ。

「ここも特になし。」

 くまなく調べて何も出てこなかったので次の部屋へ。

「ここは作業部屋?」

 デスクトップと本棚が一つ。

 本棚にはアイドルの写真と特徴を記されたノートや各々の参考書がぎっしり。

 流し見するが何もなかったので本棚からデスクトップへと移動。

「やはりパスワードでロックされているか・・・。」

 コードを接続して、ハッキング開始。

 複雑難題なセキュリティではないので難なく突破。

 すぐにフォルダを開いて中身を確認。

「中身は写真が殆ど。風景写真が多いな。特におかしい所はない、けど・・・。」

 俺が注目したのは容量。

 フォルダの数の割に容量がかなり使っているのだ。

「これは隠しファイルがありそうだな・・・・。お、あったぞ。セキュリティロック。いかにも怪しいな。」

 ブレンリット星生まれの俺にとって地球の最新型パソコンは型落ち当然。

 難なく解除。

 中身を確認した俺の目には衝撃的な内容が飛び込む。

 それは犯されている女性を撮影した写真や動画。

 いずれも俺と同年代から20代まで若い女性。

 動画からは芸能界での成功を餌にカラダを強要する牧崎の興奮した声が聞こえた。

「コイツ、こんな事をしていたのか!」

 怒りに震える手。

 胸に襲いかかるムカムカを抑えつつ動画をチェックするのは牧崎が吸血鬼である証拠があるかもしれないから。

 そしてその勘は当たる。

 見つけたのは女性の部屋を盗撮した動画。

 そこに映るのは喜多街陽子。

 普段の生活を盗撮しているだけであるが突然の訪問者によって状況は一変。

―あら、いらっしゃいプロデューサー?きゃあ!もういきなり抱きついてきてどうした・・・・いやあああ!!!―

 喜多村陽子に抱きついた牧崎の額が突然青く輝き、吸血鬼の姿へと変身。

 首元に咬みつき血を吸う牧崎。

 抵抗が弱まったところでソファに押し倒して衣服を剥ぎ取り、レイプ。

 無理矢理、乱暴に犯して血を吸う。

―ヨーコ、このまま俺の眷属に堕ちろ―

 汚い喘ぎ声を叫び終えたヨーコの目が赤く光るとマスターと頭を垂れる。

「これは血?自身の血を飲ませて眷属にしているのか?」

 この考えはもう一つの動画、木ノ本蒼衣がレイプされている動画を確認して正しい事を確認。

 俺はこの隠しフォルダのデータをヘルメットに内蔵されている小型コンピュータにコピー。

 牧崎が吸血鬼である証拠と共に犯罪の証拠を手に入れた。

「よし。成果は上々。」

「ユウセイ、聞こえる。今DNA結果が出た。吸血鬼から検出された人間の血液と牧崎の血液は完全一致。」

「こっちも牧崎が吸血鬼である証拠を手に入れました。これの二つの証拠があるのなら彼に対しての手配書が出せるはずです。それと眷属になる条件もわかりました。」

「成果上々。すぐに警察に連絡して手配所を作成してもらう。」

「お願いします。俺もすぐにそっちに戻り――――。」

「先輩!ごめんなさい!!」

 突然通信に割り込んできたのはアメジスト。

「た、助けてください!」

 切羽詰まった彼女の声に俺達の緊張感が一気に高まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ