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光源の元へ

「ユウセイ、あれ!」

 ルリが指差す先に見えた一筋の光。

 そして耳へ微かに届く爆発音。

「あれはビーム?サファイアか!?」

 アイコンタクトは一瞬。

「変身!」

「JEWELRY DRESS UP!」

 変身した俺達はすぐさま現場へ急行。

「ユウセイ、ワタシに構わず急いで。」

 移動速度は俺の方がかなり上。

 ルビーの言葉に甘え、俺は更に速度を上げ、いざ光源が見えた大広場へ。

 そこで眼にしたのは吸血鬼に押し倒されているサファイア。

 首筋に牙を串刺し血を吸おうとしている。

 させるか!

 身体が反射的に吸血鬼へ必殺の流星キックを放っていた。

「邪魔が入ったか。くそが・・・・。」

「流星キックが上手く決まらなかったか・・・。」

 舌打ち。

 キックが顔に当たる直前、上手く体を動かし威力を往なしたのだ。

 だがそれでもかなりのダメージは受けている模様。

 足取りがかなりふらついている。

「お前が吸血鬼だな。サファイアに何をしようとした?」

「血をサファイアの血・・飲ませろ。」

「させるものか!サファイアに渡さない。ここでお前を倒す!」

 畳みかける。

 が、俺の拳が届く前にコウモリの羽を羽ばたかせ空へと飛ぶ。

「2対1。俺様が不利だ。逃げさせてもらう。」

 背中を向けて逃げようとする吸血鬼。

 悔しがる俺を見て空中戦が出来ない事を察しているようだ。

「だけど俺だけだと思わない方がいいぞ。」

「逃がさない。シールダー、いって!」

 夜空の彼方から姿を見せる6基のシールダー。

 ルビーが追い付いてきたのだ。

 吸血鬼の周りを取り囲むように飛び回り、逃げ道を塞ぐ。

「逃がさない。ここでお前を倒す!」

 歯軋りをする吸血鬼。

 逃げ道がない事を悟ると突然、「キイィ~~~~~~~~~~~~!」

 口から強烈な超音波を放ったのだ。

「あ、頭が・・・。」

「耳がおかしくなる。」

 両耳を塞ぎ、その場で蹲る俺達。

 シールダーも超音波の影響で操作不能となり、地面に墜落。

 その隙を縫って吸血鬼は夜空へと消え去っていった。

「くそ、逃がられたか・・・。」

 追撃したい気持ちはある。

 がそれよりも俺はサファイアの容体が心配だった。

「大丈夫かサファイア!怪我は?」

 倒れるサファイアを抱きかかえ、視診。

 目立った外傷は見当たらない。

「だ、大丈夫よ・・・。打ち身程度。噛まれてもいないわ。」

「そうか、よかった・・・。」

 心の底からの安堵。

 そして今になって手が震え始める。

 沙織の身に何か起こった事を想像していたからだ。

「・・・・・・何でそこまで私の事を心配するのよ。」

「え?」

「手が震えるぐらい心配して?どうせ私の体が目当て―――。」

「心配するに決まっているだろう!それぐらい俺は大切に思っているから!」

「っ!!!」

「あっ・・・。」

 思わず本音が出てしまった。

 気まずさからサファイアの顔から視線を逸らす。

 でもそれが間違いだった。

 今のサファイアの格好はランジェリーモードにほぼ等しい。

 上半身はレーシングブラだけ、肌の露出が多い恰好。

「武装は大破したのか・・・。復旧は?」

「エネルギー残量はほぼゼロ。」

 俺はルビーを呼ぶ。

「この赤い染みは血痕?吸血鬼の血痕ならば有益な情報を得られるはず。――――何?」

「サファイアが大破している。エネルギー供給を。」

 ルビーがサファイアの元に近付き、胸元に手を載せる。

「ダメ。損傷が激しい。ワタシのエネルギーでは賄いきれない。これは修復になる。」

「そうなるとかなりの時間を要するな・・・・。吸血鬼の事を考えるとあまり時間をかけたくないのだが・・・。」

 とりあえずラボへ運んだ方が良い、と判断。

 サファイアを持ち上げようとした。

 が、ルビーがそれを止める。

「ラボに運ぶのは後。一ついい方法がある。」

「それはどんな――――。」

 ここで俺は言葉が途切れる。

 上唇を舐めるルビーの表情を見て、俺は察してしまったから。

「ル、ルビー・・・、一体何をする気?」

 サファイアも嫌な予感を抱いた模様。

「大丈夫サファイア。とっても気持ちよくなれる。」と呟いた後、彼女は指を鳴らして音声認識。

「領域展開。」

 

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