表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/83

買い物

 そして迎えた約束の日。

 俺の家で仲良く朝食を摂り、いざお出掛け。

 俺達が向かったのはオープンしてまだ1年も経っていない大型ショッピングモール。

 3階建てで色んな店舗が数多く軒並び、ここなら全てが揃うと言わしめる場所だ。

 休日という事で開店直後から家族連れやカップルで大賑わい。

 穏やかなBGMに活気溢れる雰囲気が伝わる。

「やっぱり、いつ来ても凄い人の数だね~。」

「ああ、ところで二人とも、今日は何を買う予定?」

 何気なく尋ねた。

「水着よ。」

「水着?!」

「もうすぐ夏でしょう。私も明日香も去年のが着られなくなったのよ。」

 どこが?とは聞かない。

 聞かなくても理解できたから。

 明日香と沙織が太ったのではない。成長しているのだ。

 胸と尻(女性を象徴する部位)が。

 俺の意味深な視線は無意識に明日香へ。

(確かに成長している。)

 上から下へ頭は動かさずに視線だけを移動させる。

(急に色っぽい身体付きになったよな。)

 小学生からずっと隣にいる幼馴染。

 以前までの幼児体型は面影なく、小柄でありながらスラリとしたスタイル。

 それでいて胸はそれなりに大きく、腰回りも引き締まり、尚且つキュートなお尻。

 本日は2段フリルのデニムショートスカートに薄ピンクのVネックフリルブラウスという本来の可愛さと最近存在を際立たせてきた色っぽさを引き出す服装だ。

「ん??」

 俺の視線に感じ小顔を傾げる明日香。

 気付かれる前に視線を沙織の方へ。

 ウエストリボンが付いたグレイチェックのフレアスカートに白のブラウスと薄茶色のカーディガン。

 一見清楚で大人しめの服装だが沙織のスタイルがそれを許さない。

 存在感際立つ巨乳からくびれ、尻まで凹凸は凄まじくブラウスもスカートもはち切れそう。

 俺と同じぐらいの身長(女性としてはやや高い)にグラビアアイドル顔負けワガママボディはエロス満点。

(どんなに頑張っても色気は抑えられないのだろうな。ん?去年の水着が着れない、て事はまだ成長している?!凄すぎるだろ、―――ヤバっ!)

 沙織の巨乳に釘付けだった俺の視線と彼女の視線が交わり、慌てて視線を逸らす。

「???」

 沙織は疑問を浮かべるがそれも一瞬。

 はは〜んと理解した表情を見せる。

(バレた・・・。)

 沙織は昔から勘が鋭く、隠し事をしてもすぐに見破られていた。

「明日香、悠星が今日のランチのデザート、奢ってくれるそうよ。」

「本当に悠星くん!」

「おい沙織、そ、それは。」

 戸惑う俺にこっそり耳打ち。

「あら、さっきまで私達のカラダを厭らしく凝視していたくせに。エッチ。」

「すいません。奢らせて頂きます。」

 素直に従う。

「交渉成立ね。あ、そうだ。折角だし悠星に私達の水着、選んで貰おうかしら。」

「え!マジで・・・?」

「ええ、私達に似合う水着、見繕ってよね。」

 学校では絶対に見せる事がない、悪戯っ子の笑みを俺だけに見せる。

「・・・・・分かりました。精一杯その大役を務めさせてもらいます。」

 白旗を挙げつつも誇らしげに思えるのは二人それぞれ腕を取り、身体を寄り添ってきたから。

 沙織も明日香もこんな事は俺にしかしない。

 それが嬉しくて誇らしく、二人に導かれるまま目的への店へと向かう。






 でもその時、俺達は気づいていなかった。

 行き交う人々に紛れ、物陰から俺達を睨みつける人影に。

 そしてこれが後に沙織を苦しめる元凶になる事をこの時誰も知る由がなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ