表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/83

一騎打ち

それは突然だった。

 ダークダイヤの通信システムに1通のメールが届いていた。

 俺は変身して指定された場所―――人気がない雑木林へと赴く。

「待っていたわよダークダイヤ!」

 そう、俺を呼び出したのはサファイア。

「まさかサファイア()から二人きりで逢いたい、と言ってくるとは驚いたよ。どうしたのだ?」

「私はアンタを許さない。親友のルビーを変えたアンタを!」

「彼女が望んだ事だ。」

「ふざけないで!弱味を握って無理矢理犯し堕としたのでしょう!絶対に許さない。」

「ならどうするつもりだ?」

「アンタを倒す。ルビーに二度と近寄らせない為に。」

「いいだろう。相手をしてやる。だが、負ければどうなるか?分かっているよな。」

「私はアンタなんかに負けない!負けてたまるものですか!」

 サファイアとの一騎打ちが始まる。


「早まったか?」

 戦いが始まって早々に後悔。

 木陰に身を潜め、少しだけ顔を覗かせて周囲を見渡す。

 背の高い木々は夜空の月や星の光を遮り、薄暗い。

 戦い開始と同時に銃弾を放ったサファイアはその直後、この森の中へ。

 お互い身を隠し出方を伺う。

「開始早々にサファイアの姿を見失ったのが失敗だったな。相手の仕掛けに乗せられたか・・・。」

 俺の武装は素手――つまり近接のみ。

 一方のサファイアは射撃に特化した武装。

 つまり間合いを広げられると俺の手数はないに等しく、相手の単独場となるのだ。

「相手に気取られずに近づけるか、が勝負の鍵だな。」

 片面だけ覗かせて周囲に目を凝らす。

「それにしても何処に隠れている?あの重装甲ならば木陰に隠れきれず、直ぐ発見できると―――。」

 ビームが頭を掠める。

「あっぶな〜!身を屈めていなかったら顔面直撃だったぞ。」

 木に隠れ、高鳴る心臓の鼓動を落ち着かせる。

「それにしても、どうして俺がここに隠れているとわかったのだ?敵感知センサーは搭載していないはずなのに――うわっ!」

 真横を通り過ぎるビームに驚き、慌ててその場から離脱。

 走り抜ける最中、次々と狙い放たれるビーム。

 俺は逃げながら地面に転がる小石を掴み、光源へと投げ込む。

「っ!」

 銃声が止まり、駆けて離脱するサファイアの姿を目撃。

 それはあの仰々しい重装甲ではなく、コケティッシュなボディのシルエット。

 俺は再び別の木陰に身を潜め、サファイアの姿を思い返す。

「あれはもしかして簡易装甲?」

 銃器や銃弾などを装備しているサファイアの装甲の重量はビジュエール・セイントの中で一番重い。

 スムーズな動きを確保するために背中と脚部にジェットブースターが搭載されており、普段はホバー走行で移動する。

 しかしそれでは入り組んだ道や狭い範囲の移動が困難であると考えた前世の俺はその欠点を補う為に考案したのが簡易装甲。

 最低限の装備だけに留める事で機動性と俊敏性を向上させた設計となっている。

 しかし、この提案は過去、快羅によって否決されていた。

「お蔵入りになっていたと思っていたが、流石ルリ先輩。その欠点を把握して採用していたのか・・・。」

 サファイアがいるであろう場所に小石を投げる。

 木陰からライフル銃を構えて姿を見せるサファイア。

 ランジェリーモードであるセパレート型レーシングブラの上には銃器が内蔵されたアーマーはなく身軽。

 唯一の装甲は腰部から臀部への鋼鉄製スカートで脚部は膝元まであるロングブーツを履いていた。

「成程、ライフル銃とビームガンだけ。実弾系を全て排除した事で軽量化、機動性を向上させたのか・・・。」

 襲う光線を避けつつ相手の武装を注意深く確認。

「実弾系がないのなら、こっちに分があるかもしれない。」

 でもそれはかなり危険な橋を渡る事が必須。

「やるしかないな・・・。」

 俺は覚悟を決め、あのゴクドーから取り返した光学迷彩のマントを召喚・装着。

 木々に隠れながら移動する。

 このマントの表面にはセンサーの感知を阻害する液状電子回路がラミネート加工されており、それによりセンサーと視界を掻い潜れる仕様となっている。

 物音に気をつけながら素早く移動。

だが、

「そこね!」

 サファイアは俺がいる付近を狙い撃つ。

「感知阻害が通用していない?!いや違う。これはサファイアの勘だ。」

 完全な的外れではないがその付近を狙う仕草から判断。

 おそらく彼女は草木の僅かな揺れや空気の流れ、気配などから俺の居場所を探っていたようだ。

「そう言えば沙織は妙に勘が鋭いだよな。おまけに視力や聴力も良いし。」

 狙撃手としての素質は十分にある事が窺える。

 今隠れている木陰からサファイアがいる付近までを目測。

「8mと少し、と言う所か。ならば。」

 取り出したのは領域結界を展開させる装置。

 それをあさっての方向、若葉が揺れるように狙いを定めて投擲。

ガサッ!

「!!?」

 音に釣られて反射的にその方向へ銃口を向けたと同時に行動開始。

「くっ!」

 迫る気配を察知したのであろう。

 慌てて俺の方へ銃口を向け乱射。

 腰部の隠し手もハンドガンを所持して連射。

 放たれた光線の嵐の中、身体に掠めるのも気を止めずに突き進む。

(あと、もう少し。)

「このっ!」

 銃の引き金をひきながらバックステップ。

 俺に距離を詰められると負ける、と判断したのだろう。

 それは正しい。

 光線の一つが俺に直撃―――する寸前、弾かれる。

「嘘!?何で?」

 サファイアが驚くのも無理もない。

 何故ならこのマントは先日、改良したばかりなのだから。

 本来は隠密行動を目的とした物であるが、表面に特殊な加工を施し、ビーム系の攻撃を弾くようにしたのだ。

 この考えは前からあり、このマントを手に入れた事とルリ先輩の研究所設備のお陰で実現する事ができたのだ。

「くっ。」

 マントを翻して邁進。

 サファイアとの距離が徐々に縮まり、残り2mを切った頃合いにベルトに内蔵しているロープを発射。

「きゃあっ!」

 手足の自由を奪い、そのまま近くの大木に吊される。

「ヘンタイ!」

 サファイアの顔が火照るのは俺の放ったロープが何故か亀甲縛りになったから。

 そのせいで身体の凹凸ラインはよりはっきり。

 特に凸部分の胸は谷間にロープが食い込んでいる事でその大きさをさらに強調。

 尻も寄せられた状態で、股筋にロープが通過して上へと押し上げられている事から少し動いただけで刺激を感じてしまう体勢にさせられていた。

(俺の意思でしたのでは無いけど、多分わかってくれないだろうな。)

「んっ。あん。ちょっとやめてよ・・・。」

 一文字に閉ざされた口から漏れる声。

 ロープの先に装着されているローターがサファイアのクリトリスに刺激を与えていた。

「ま、また私を辱めに遭わすつもり?」

「ああ、そのつもりだ。」

 サファイアの顎を持ち上げ、彼女の輝く瞳に向かって言い放つ。

「お前を俺に負けたのだ。敗者は勝者の命に従ってもらわないと、な。」

 潤んだ色っぽい唇を噛み締めるサファイア。

「ではサファイアよ、楽しませてもらうぞ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ