真夜中の密会
「いきなりこんな夜中に呼び出して、どうしたのかしら?」
「うん、ボク達二人を緊急で呼び出したから何かがあったのかも・・・。」
夜22時、人気がない市民グラウンドへとやってきたサファイアとアメジスト。
彼女達はルビーから緊急の呼び出しを受け、この場所へとやってきた。
「気をつけてアメジスト。」
嫌な予感が背中を撫でる。
アメジストに離れないよう注意を促し、自分は臀部にあるハンドガンに手をかける。
何か異常があればすぐに撃てるように。
ガサッ!
背後から聞こえた土を踏む足音。
振り返った二人は暗闇から姿を見てた相手を見て敵意をむき出しに。
それは仕方がない事。
何故なら相手は彼女達を辱めたダークダイヤだから。
「落ち着け。俺はお前達に危害を加えるつもりはない。」
「その言葉、信じると思う?」
サファイアの意見はごもっとも。
だから俺は両手を挙げて敵対の意思がない事を表明する。
「俺がこの場に来たのは二人に謝罪をしたいからだ。彼女に頼んで、な。」
「「彼女?」」
「ワタシのこと。」
「ルビー!?」
二人が驚くのは無理もない。
何故ならルビーは俺に寄り添ったから。
「何をしているのルビー!?」
「サファイアにアメジスト、心配いらない。彼とは和解した。」
「和解、ですか?」
「どういう事?」
今にも俺を打ち抜こうとする殺意。
「ダークダイヤはストーンジュエリーのエネルギーを欲していた。だから潤沢な量を彼に渡した。二人からエネルギーを奪う必要がなくなった。」
「もう君達からエネルギーを奪う事はしない。すまなかった。俺の勘違いで二人の心に深い傷を負わせてしまった。」
「勘違い、ですか?」
「ダークダイヤはワタシ達が八重島怪羅の手の者だと勘違いしていた。彼はあの男に強い恨みを持っている。そしてこれからはワタシ達に協力してくれる事になった。」
「そうなのですか!」
「アメジスト、安易に信用してはダメ。」
警戒心が強いサファイア。
銃口を俺へと向ける。
「何を企んでいるの?」
「俺は何も企んではいない。ジェノ・ブリークスという共通の敵がいるのだ。協力するのは当たり前だろう。」
「アンタがジェノ・ブリークスの一員かもしれない。」
「ダークダイヤはワタシがタランシュラのボスに捕らえられた所を助け、共闘した。その考えは否定できる。」
「だが表立っての協力は出来ない。八重島怪羅が俺の正体を知れば確実に抹消しようとするからな。」
「だからエメラルドとパールには彼の正体や内通している事はバレてはいけない。」
「なら今後私達には干渉しないでほしいわ。」
どうやらサファイアはダークダイヤと手を結ぶつもりは全くないご様子。
悩む素振りを見せるアメジストもどちらかといえばサファイアの意見寄り。
でもそれは仕方がない事。
過去の事は水に流し、辱めを行った相手と握手などできるはずもない。
銃口を降ろし敵意を向けてこなくなるだけでも成果だ。
だから俺はそれでも構わない、と言うつもりだった。
が、それを阻む人物が。
「それでは困る。彼はワタシ以上にストーンジュエルに精通。そして彼はワタシ達をより強くする方法をみつけた。」
「本当ですか?!」
「方法?それは一体何?」
警戒心を緩めないサファイア。
それは元の性格も影響している。
「簡単。ダークダイヤとまぐわう事。」
「「まぐわう!?」」
頭から湯気を出し茹でだこ状態になるアメジスト。
そして頭に血が昇り激怒するサファイア。
「ダークダイヤ!アンタ、ルビーに!私の親友まで手を出したのね!」
容赦なく引かれる引き金。
だが光線はルビーのシールダーに阻まれる。
「サファイア、これはワタシが望んだ事。」
「ルビー!」
「ちょっとお姉ちゃん、先輩も落ち着いて。」
焦りのあまり素が表に出ているアメジスト。
だけど動揺するのも分かる。
俺も平然を装っているが内心ヒヤヒヤ。
それぐらいサファイアは激怒。
彼女がここまで怒っている姿を今まで一度も見たことがないのだ。
「安心する。彼はテクニシャン。骨抜き、病みつきになる。とても気持ちいい体験ができる。」
「骨抜き!病みつき!気持ちいい体験!?も、もしかして先輩!」
これ以上はマズい。
怒りの臨界点間近のサファイアに身の危険を察知。
ルビーに窘めようとしたが、遅かった。
「だから二人共、ワタシと一緒にダークダイヤの性奴隷になろう?」
「なるものですか!」「なりません!」




