勝利の美肉
「はぁ・・・。」
ゴクドーの死を確信した事でようやく安堵の息を零したルビーに駆け寄る。
「ルビー!」
「ユウセイ!」
ふらつく足を動かし、俺の胸へと飛び込むルビーを優しく抱き支える。
「大丈夫か?」
「うん平気。信じてた。絶対に助けに来てくれると。」
涙ぐむルビー。声も若干震えている。
今まで受けた恐怖が今、ぶり返してきたのだろう。
安心させるために強く抱きしめる。
「間に合ってよかったです。」
心の底からの噓偽りない言葉だ。
「それに嬉しい。ユウセイの・・・ゴクドーに言い放った、あの言葉。」
―――お前なんかにジュエリー・ルビーを渡してたまるか!―――
何度もリフレインされる。
「ね、ユウセイ。」
涙で潤んだ瞳が俺を真っすぐ捉える。
防具は破壊されているのでほぼランジェリーモード状態のルビーはボリューム感ある乳肉を俺の胸元へと強く押し当てる。
「あの言葉、どういうつもりで言ったの?」
「言葉にしてほしいですか?」
「行動で示して。」
親指でルビーの顎を押し上げる。
目を瞑り、待ち構えるルビー。
俺はプルプルした色っぽい唇を奪「ルビー!応答してください!」おうとしたら、エメラルドからの無線が。
「――――、どうしたの?エメラルド。」
平然を装い返事するが、ルビーの表情には怒りと不満が。
「やっと応答しました。メールでも連絡が取れなくなって心配していたのです。」
「問題ない。タランシュラのボスが攻めてきただけ。無事に倒した。そちらの様子は?」
「全員無事です。数分前に突然、敵の編隊が総崩れして宙へ散り散りに逃げ出しました。」
ゴクドーが死んだことで戦意消失、宇宙へと逃げ出したのだろう。
「今どこにいますか?そっちに合流します。」
(ここまでだな・・・。)
今、この状況で他のビジュエール・セイントに見つかるのは宜しくない。
なので、ひっそりとこの場から去る事を決める。
「え?ルビー?」
が、ルビーが俺の腕を掴んで離さない。
「合流の必要はない。このまま解散。」
「え?でも・・・・。」
「エメラルドとパールはこの後、あの男との会合がある。そっちを優先。」
「ですが・・・。」
「それにワタシはこのままラボで引き籠りたい。今回の戦いでひらめいた事がある。」
白露先輩も俺と同じで一度何かひらめくと部屋に閉じこもり没頭する癖があるのだ。
「・・・・わかりました。アメジストとサファイアにはこちらから連絡しておきますね。」
お疲れ様です、を最後に通信が切れる。
「これで邪魔者はいない。」
「・・・・仲間を呼ばずに俺と二人だけになるなんて・・・・。どういう事ですか?」
「意地悪・・・。」
「どうしてもルビーの口から聞きたいのさ。」
ルビーは俺にカラダを預け、熱のこもった吐息交じりで囁いた。
「お願い。このままワタシを連れ去って。」
押し倒したい衝動を押し殺してルビーを連れ去る。
辿り着いた先は俺の部屋。
俺と彼女が身体を重ね合い、ベッドへと倒れ込む。
情熱的な抱擁。
夜が明けるまで俺達は互いの身体を貪り合った。
以上で1章〈ルビー編〉が終了となります。




