最後に笑うモノ
(どうだ?頼むこれで!)
渾身の蹴り。
エネルギーの殆どを消費したのだ。
これで決着をつけたい。
その願いは届くのか?
砂煙が上がる瓦礫の山。
視界がよくなると同時に聞こえる瓦礫の崩れる音。
そうゴクドーはまだ生きていた。
瓦礫を払い、尚立ち上がるその姿は全身血だらけ。
瀕死状態であるのは明らかだ。
「ま、さか、この星でこれ程のダメージを負うとは・・・。この勝負はキサマの勝ちだ。」
「なら、これで終わらせる。」
片膝を地につけ、紫の血で身体を染めたゴクドーへ駆け出し、拳を握り締めてトドメを―――。
「だが、ワレはまだ死ぬ訳にはいかぬ!ガッ!」
ゴクドーの両目から放たれた眩い閃光。
目くらましに俺は反射的にシールダーを呼び寄せ、防御態勢を。
だがゴクドーの狙いは俺ではなかった。
「あ・・・・。」
「このオンナはワレが貰う!」
流星キックでエネルギーを大方消費した事で解除された領域展開。
動けないルビーを攫うには絶好の機会だ。
残された腕が彼女へと伸びる。
だが、
「な!?」
ゴクドーは自分の眼が疑う。
何故なら、ルビーは自らの意思で動き、ゴクドーの魔の手から逃れたのだ。
「今よ、シールダー行って!」
「ぐはっ!!」
彼女の指示に破壊されていたシールダー4基が起動、火花を散らしながら続々とゴクドーを串刺し。
「ぐはっ!な、何故だ・・・。オマエはワレの毒で動けないはずでは・・・。」
「ダークダイヤが戦っている間、ワタシが何もしていないと思っているなら大間違い。」
そう、ルビーは安全な領域展開の中で自身が受けた毒を解析して解毒、そして壊されたシールダーの修理を秘かに行っていたのだ。
「ガ、ガ、ガ・・・・。まさか、あのような状態でも勝利に貪欲であったか・・・。ますます、オマエが欲しくなったぞ。」
「ワタシはアナタのモノなんかにならない。絶対に。」
「そう、か。それは残念、だ。ガ、ガ、ガ。」
笑いながら吐血するゴクドー。
爛々に輝いていた金色の瞳は徐々に濁り始め、その場に座り込む。
「嗚呼・・・、ワレはここまで、か。申し訳、ありません首領様。どうやらこの星はアナタ様のお導きを必要としていないようです。」
「・・・・・、天命を受けた物言い。」
「首領様の言葉こそ、天命。ワレの生きる道筋・・・。」
ルビーの言葉に口を緩ませ、全ての手を天に捧げる。
「この星に、幸あらん事を・・・・・・。」
この言葉を最後にゴクドーの眼の灯は消えた。




