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今朝の真相?

それは1限目の休み時間、生徒会室には瑠璃子の呼び掛けにより明日香と沙織が集まっていた。

「どうしたの瑠璃子。もしかしてジェノ・ブリークスに動きがあったの?」

「違う。サオリとアスカに話す事がある。今朝ここで起きていた事について。」

「「ッ!」」

 一瞬硬直する二人。

 それぐらい今朝の出来事は衝撃的だった。

「あの時は明確な答えを出さなかったのは理由がある。」

「あのね瑠璃子。どんな理由があれ、白昼堂々、生徒会室で如何わしい行為をすること事態だめなの!弁明なんて聞き入れないわ。」

「ワタシはサオリとアスカの為に一肌脱いだに過ぎない。」

「ボク達の為、ですか?」

「ごめん瑠璃子。何を言っているのか分からないわ。」

 こめかみを押さえる沙織。

 この話を早く終わらせたくて仕方がないのだ。

 だから投げやりに手を振り、切り上げようとする。

「ワタシはユウセイから聞き出した。突然二人を拒絶したのかを。」

「詳しく聞かせなさい瑠璃子。」

 食い入るように尋ねる沙織。

 明日香も同じ。

 身を乗り出して続きを待つ。

「ユウセイが二人を拒絶したのには深い訳がある。」

「深い訳、ですか?」

 その内容を今か今かと待ち構える二人に瑠璃子は息を整え、そして言い放った。

「ユウセイは夢を見た。サオリとアスカを陵辱する夢を。」

「「陵辱?!」」

 斜め上の答えに愕然とする沙織と明日香。

 口をあんぐりと開けたままの二人に説明を続ける。

「そう、二人をベッドに縛って衣服を剥ぎ、二人の身体を本能赴くまま犯した夢。何度も何度も犯し続けて絶え間なく絶頂()かせて、最後はユウセイの乱暴で熱烈なテクニックに二人はメロメロ、性奴隷として幸せに暮らす夢。」

 もしこの場に悠星がいたのなら「まるで俺はタガが外れた猛獣じゃあないですか!」と抗議していただろう。

「だから朝二人に会って気まずくなった。その時夢精もしていたから恥ずかしさもあった。」

 嘘の上塗り。

 だが淡々と饒舌に語る瑠璃子の説明に沙織も明日香も疑いもせず。

 二人共それどころではなかったのだ。

「悠星くん、ボクの事をちゃんと女性として意識してくれていた。」

 頭から湯気を出し、顔を真っ赤にしながらも頬が緩む明日香と、

「悠星のエッチ、スケベ。」と非難するも喜びが隠しきれていない沙織。

 二人共、悠星が自分達を幼馴染だけでなくちゃんと女性として見てくれている事が嬉しかったのだ。

「ん?でちょっと待って。それで何で生徒会室であんな事をしていたのよ!」

「ユウセイは今まで性欲を無意識に溜め込んでいた。その結果、あのような夢を見た。故に発散させる必要がある。」

「だからって、瑠璃子がそんな事をする必要はないわよね。」

「確かにお姉ちゃんの言う通り、かも・・・。」

「ワタシもユウセイの性的興奮対象に入っている。だから問題ない。」

「問題あるわよ!」

バン!と力任せに机を叩いた音が鳴る。

「瑠璃子・・・・・・、アナタもしかして、抜け駆けするつもりだった?」

 沙織の追及は確信をついていた。

「黙秘権を使用する。」

「ずるいですよ先輩!抜け駆けはなし、と前に話し合いましたよね。」

「ならワタシみたいにアプローチをかければいい。」

「アプローチって!あんな淫らな恰好で誘うのは流石に卑怯よ瑠璃子。」

「幼馴染の関係に甘えて受身の二人に勝つ為、行動しただけ。文句を言われる筋合いはない。」

「うっ!」

「・・・・。」

 瑠璃子の厳しい指摘に言葉を失う二人。

「二人共。今の関係に依存し過ぎ。次の関係に進みたいのなら、いい加減現状を変える必要がある。だからワタシは行動を移した。」

「・・・・。」

「・・・・・・。」

「サオリ、アスカ。二人はユウセイと今後、どんな関係になりたい?」

「それは・・・。」

「ボクは・・・・。」

 言葉を濁す二人。だが、答えは言わなくても分かっている。

「今回の事はいい機会。先に進む為の。」

 これでいい。計画通りだ、と瑠璃子は心の中で深く頷く。

 別にこの場で答えを出さなくてもいい。

 二人に問いかけられた事だけでも成果はある。

(後はユウセイが上手く動かせばいい・・・。)

 その為に自分がすべき事はただ一つ。

 ()()()()()()()()()()

 それが自分の幸せに繋がる一歩となる。

 親友達の幸せを守る為、自分の幸せを得る為に瑠璃子は秘かに計画を押し進めていくのであった。

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