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再戦

「動いた。」

 ルビーを陵辱して2日程経った日の深夜。

 徐に外へ出かける瑠璃子の姿を確認した俺は尾行する事にした。

(どこへ向かう気だ?)

 変身してお馴染みのステルス機能で後をつける俺は首を傾げる。

 今の所、ジェノ・ブリークスが出現した報告はない。

 一人夜道を確実な足取りで人気のない路地を通り抜け、辿り着いた先は誰もいない公園。

 以前、明日香と沙織を辱めた公園とはまた違う場所だ。

 錆びた遊具は長年使われておらず、普段から誰も訪れる事がない寂しい公園。

(こんなところで何をする気だ?)

「JEWELLERY DREESS UP!」

 髪を掬い上げて、隠れていた変身イヤリングを人差し指で軽く弾く。

 その瞬間、赤い粒子に包まれてジュエリー・ルビーへと変身した彼女は大木の陰に隠れている俺の方へと向く。

「そこにいるはわかっている。出てきてダークダイヤ。」

「・・・・・いつから気付いていた。」

「最初から。家周辺の防犯カメラからワタシを見張っていたのは知っている。」

 観念して姿を見せた俺に不敵な笑みを見せるルビー。

 そんな彼女が少し不気味。

「こんどこそ、アナタを倒す。」

 有無を言わず、シールダーの展開。俺へと襲い掛かる。

 2度目の対戦は探り合う事なし。

 シールダーを縦横無尽に展開し、様々な攻撃を仕掛けて来るのに対して俺は避け続け、ルビーの懐へ。

「んっ。」

 俺の正拳がルビーの腹部にヒット。

 鎧の防御力でダメージは余り与えられなかったが、後方へ少し下げられたルビーはすぐさまシールダーを用いて俺の行く手を阻む。

「甘いな!」

 シールダーの包囲網を掻い潜る。

 慌てて直ぐに修正するルビーの行動にほくそ笑む俺。

 手応えを感じていた。

 ビジュエール・セイントから奪ってきたストーンジュエルのおかげで動きのキレやスピードは初期に比べて雲泥の差。

 威力ある攻撃も繰り出すことが出来ている。

(いい感じに動けている。それに相手の精度が以前よりも甘い。)

 前回よりもシールダーの連携に多少のズレを見つけたのだ。

 そのズレのお陰で僅かな安全地帯が発生し、それを瞬時に見つけて移動。

 目まぐるしく移り変わる安全地帯を見つけての移動はかなりの難所。

 しかし、ある程度のエネルギーを得たダークダイヤならば可能であった。

(この程度のエネルギー量でこの動きができるのか。これは想定以上だ。)

 ようやく自分がやりたい事ができる喜びを噛み締める。

「そこだ。」

 シールダーに攻撃する事でまたしても連携にズレが生じ、安全地帯が出来るという悪循環。

(この角度と距離ならここが安全。)

 難問パズルを解き明かす感じで突き進み続ける。

「・・・・。」

 無表情を装っているが焦りの汗を流すルビー。

 護り手を押し返し、俺が迫ってきているからだ。

(ククク、焦っているな。)

 焦らずじっくりと機会を伺う。

 ゆっくりと相手を追い詰めるように虎視眈々と。

 そしてそのチャンスは訪れる。

 焦り、もしくは痺れがきれたのだろう。

 余りにも雑で不用意な動きをシールダーに指示。

 それは連携を投げ捨てて決死の突撃を仕掛けたのだ。

 俺はそれを冷静に対処。

 全てを躱した先には守護者を失った鎧纏いし少女一人。

「仕留める。」

 ブーツ底に仕込んであるブーストを起動させてルビーへと急接近、細い首へと手を伸ばした。

「うう・・・。」

「どうした?前回よりも精度が落ちていたぞ。」

 俺の右手で首を絞められたルビー。

 重量ある鎧を装備しているにも関わらず、足は地面から離れる。

 それぐらい今の俺は力が満ち溢れているのだ。

「首を絞められて処理能力が低下してシールダーの操作が不能になったか。」

 地面に転がるシールダーを冷ややかな視線を向けた後、失神寸前のルビーから手を離す。

「げほ、ごほ・・・。」

 咳き込み、崩れ落ちるルビーの頭部を鷲掴みして、解析。

(よし、アメジスト達と一緒だ。)

 プロテクトの強化は出来ていないらしい。

 またしても簡単に武装の強制解除に成功、ランジェリーモードとなるルビー。

 今度はヘルメットも消失させたのでルビーの素顔を存分に拝見できる。

「ワタシの負け・・・。また、前みたいにエネルギーを奪うの?」

「ああそうだ。楽しませてもらうぜ。」

 俺は嬉々として領域展開を起動させた。


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