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笑みの裏側に潜む思惑

お嬢様!」

 ダークダイヤが逃亡して数分後、エメラルドとパールに変身した樹里・乃亜がルビーの元へと駆け付ける。

 彼女達はルビーとの連絡が途絶えた事に異変を察知してこの場へと駆け付けたのだ。

「到着が遅れて申し訳ございません。」

「エメラルド、構わない。今回はワタシ一人で対処するつもりだったから。」

「それで途中で連絡が通じなくなった原因は?」

「ダークダイヤに通信を遮断された。でも大したことはない。彼は逃亡した。」

「追跡なされますか?」

「必要ない。」

 バールの問いを一蹴。

「彼の処遇はワタシに一任してほしい。」

「・・・・わかりました。」

「お嬢様がそう仰るのであれば。」

「二人共、このまま撤退する。」

「承知いたしました。」

「帰りの車は用意できております。こちらへ。」

 エメラルドの案内で廃工場を後にするルビー。

 ふと、後ろを振り返り、そしていくつかの星が輝く夜空を見上げる。

 ルビーは何を考えているのか?

 それは本人のみぞ知るのみ。

「・・・・、次が楽しみ。」

 口の中で小さく呟いたルビーはどこか嬉しそうであった。



「最高だ。」

 冷蔵庫から取り出したアップルジュースを一気飲み。

 体中に染み渡る冷たい感触は自身の熱気ですぐに消える。

 それぐらい俺は興奮が冷めあがらない状態。

 優越感から笑いが込み上がる。

「エネルギーも奪い、そしてルビーを痛めつけた。さぞ悔しいだろう。」

 手塩に育てた愛娘が無様に負けて痛めつけられた事実を知り、怪羅の悔しがる顔が目に浮かぶ。

「これで終わりじゃない。もっとルビーからエネルギーを奪い取ってやる。一番効率が良さそうだからな。」と口にしているが、本音はルビーのカラダが忘れられないから。

 普段は隠されたあのエロいカラダ。

 触り心地も良く、吸い付いて離れられないエロいカラダに俺は一瞬でハマっていた。

 もっと犯したい。穢したい。

 普段、表情の変化が乏しい白露瑠璃子を苦痛で穢したい。

 そしてそのまま俺のモノに染め上げて――。

「――って何を考えているんだ俺は!」

 脳裏に浮かんだ邪推を慌てて追い払う。

「俺がビジュエール・セイントに手を出しているのはエネルギーを奪う為。それ以外の目的はない。」

 敢えて言葉を口にして否定。

 だが脳内にいるもう一人の俺が囁く。

ーいいじゃないか。散々奪われてきたのだから。研究も、命も、大事な幼馴染も。悔しかっただろう。奪えよー

「・・・・・・。」

ーどうせエネルギーを奪うのに犯す。なんなら怪羅の目の前で陵辱の限りを尽くせばいい。ボロ雑巾になるまで使い古してそして最後は捨て―――。

「最優先事項はエネルギーを奪う事。ジェノ・ブリークスを倒すのが大優先だ。」

 自分自身に言い聞かす。

「ルビーの処遇については保留。」

 もう一度、自分自身に言い聞かせる。

 でないと俺の感情が先走り、止まらなくなりそうだから。

 忘れる為に気持ちを落ち着かせて今回の反省点をあげ、対策に取り組む。

 だけど、その最中でも脳の片隅にはルビーの事がずっと残り続けていた。


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