58 魔王ルートは潰れています
「思ったより難しー。スカってなる」
「同じ棒でも箒のようにはいかないものなのですわね」
白玉狩り30分コースをこなして、キッチンスペースに移動してきた。
野菜の下処理専門場、付与したキッチン道具を貸し出している所だ。
従業員がMPが余っている時に練習できるように、付箋を貼られた野菜が山積みになっている。
加工した野菜を指定された調理場に運ぶまでがここの仕事だ。
「訓練すればメモリの消費を抑えられるから、頑張れ」
そんなわけで芋と三角巾、マスクを渡す。
ついでにその場全員に『洗浄』を掛ける。
「『洗浄』の訓練をしたい人?」
まずマスク。髪をひとつに結んで三角巾をする。エプロンはサイズの合う予備がなかったので、今日はサボりだ。
「はあい。おにい、そういうこと?」
「そうだ。チェルは『皮むき』と『カット』どちらをやりたい?」
「両方してみたいですけど、簡単なのはどちらかしら」
「お前は『鋏』があるから、シナジーがある『カット』かな。
最初はわたしが手本を見せる。まずは『造水』」
ざばり。たらいの中に水を注ぐ。これで芋が水に浸かった。
「『洗浄』。これで汚れを落とす。水に浸けてやらないと土が散るので注意だ」
落ちた土はたらいの底に溜まっている。
『体内倉庫』があれば汚れは格納してしまえるが、今は見せる為に手順を踏む。
「続いて『皮むき』だ。わたしは持っていないスキルなので付与のイヤリングをしている」
耳元を示す。
食品用のプラ籠を2種類ずつ準備する。
片方は生ゴミ用だ。
「『念動』で芋を持ち上げる」
そして横に用意してある、水を張った金たらいに芋を移す。
「綺麗な水に芋をもう一度潜らせる。汚れがついてないか確認して『皮むき』だ。残った芽の窪みは『解体』で抉る」
新しいジャガイモだから芽は出てないけど、手本なのでやってみせる。
『念動』でそのまま、剥き芋を次行程用の箱に落とす。
「スキルを使うとこんな感じだ。スキルを使わないで作業すると、器用さを育てるスイッチを踏むのでそちらをしてもいい。
あと『体内倉庫』を活用すると持っているスキルの部分は自動化できる。魔力が続く限りはだから、今はそんなこともあるぐらいで頭の隅に仕舞っておいていてくれ」
そこでメイドさんがマリーの前に芋を補充してくれる。
「んんん『造水』ないみたいだから、水道でいい?」
ステータスが見れないマリーは、新しいスキルを聞くたびに試してみろとアドバイスをした。
残念そうに唇を尖らせている。
「もちろん」
「『カット』はどの大きさに致しましょう?」
チェルの問いには、メイドさんが答えてくれた。付箋に書いてある指示を見せる。
「では、千切りで。ジャガイモのガレットの材料にしたいとのことでお願いします」
指示によると、ガレットの芋はデンプンの滑りとりはいらないそうだ。
メイドさんはジャガイモを5つ、まな板に置く。
「はい、やってみます『カット』!
…まあ、素敵!
本当に出来ましたわ!」
作業は一瞬。均一な千切りになるジャガイモに、チェルは歓声を上げる。
お前はこの手のスキル、気に入ると思っていた。
便利な家電とか大好きだもんな。
「ステータスでどれだけMPを使ったか確認してみろ。
………したな?
あと半分のMPで何回使える?」
「50回ですわ」
「じゃあ、その数まで練習していい。
教官、マリーは何回ですか?」
「40だな」
「ということだ」
「たらいにお芋さん、40杯って多いよ?」
「芋なら他にいくらでも使いますので」
メイドさんの弁に納得したマリーは水道に芋を運んで貰って、水が貯まるのを待っている。
兄妹揃って体が小さいから、重いものは持てない。メイドさんが面倒見てくれて助かる。
オレはオレで芋をむく。
他のメイドさんらも同じように野菜を剥いたり、刻んだりをしている。同じくスキル未習得のグループだ。彼女らはMPの都合でしょっちゅう入れ替わっている。
「お兄さま、MPが終わってしまいました。包丁で千切りしていていいですか?」
「お前は手も小さいから気を付けろよ」
元のサイズとは違うからな?
「はい、でも小さい包丁を用意して下さいましたの。ゆっくりなら大丈夫ですわ」
見ればぎこちなさもなく、上手に包丁を使っている。リアルスキルは伊達じゃないか。
「ぴゃー。皆早い。間に合わないよう」
『洗浄』は直ぐだが、水が貯まるのが少し時間が掛かる。
「誰も急かしてないから、焦らなくていい」
言いつつ『造水』で満たしてやる。それに『洗浄』を掛けたマリーはほう、と溜め息をついた。
「スキルって便利だねえ」
リアルでも使えたらいいのに、そんな顔だ。
これは下手に相槌を打てないな。
「…『洗浄』はスキル化すると快適だから、たくさん練習するといい」
「MPが足りないよう」
「お前の年で80もあれば、かなり多いんじゃないか」
「そなの?」
「私は15の時は40ほどでした」
補助してくれるメイドさんの補足が入る。
「かわりに彼女らは身体能力に特化している。素晴らしく足が早いぞ」
「ええ、いいなあ。カッコいい。んん、無い物ねだりしちゃうのはよくない。よし、頑張る!」
陸上部的には羨ましかったらしい。
芋のおかわりにふんすふんすしているマリーを横目に、オレは人間皮むき器になる。
あっという間に皮を剥かれていく芋の群れ。
オレはMPでなんとかなるものは割と強い。手を使う作業になると、てんで雑魚だが。
「リュアルテ。魔力の方は習熟してそうだから、手作業をしてみろ」
思った通り、教官からアドバイスが飛ばされる。ああ、無双タイムの短さよ。
「はい」
しおしおとイヤリングを所定の位置に返して、包丁を持つ。
しょりしょり丁寧に剥いていく。
ジャガは林檎より凹凸があって難しいな。
『皮むき』では薄く皮が剥けたのに、手作業の芋の皮の分厚いことったら。
しばらく無心で作業する。
魔石を弄るよりは、仕事に起伏があるから飽きてはこない。これは刃物を握っているという緊張感があるからかも。
「おにい、MPきれたー」
「こっちで一緒に芋を剥くか?」
「うん」
マリーもオレより包丁が上手い。するすると器用に剥いていく。
「この後ってどうするの?」
「夕飯の後は図書室に連れて行くつもりだ。明日の予定は、教官どうしましょう?」
「午前は女子らの淑女教育に混ぜてるか?
同性の友人もいるだろう」
アリアン嬢やクロフリャカ嬢と?
迷惑にならんかな。
「淑女教育とは何をするんです?
マリーにも出来そうなものですか?」
チェルは『礼法』が生えてるから問題ないにしても、マリーは体力もなさそうだし心配だ。
「今のところ、息抜きやお遊びの延長戦みたいなモンらしいからなあ。
お茶会の作法つーことで茶をしばいたり、ドレスアップしてみたり。
ちょっと待て聞いてみる」
教官は『コール』を掛けて何やら連絡をとり始める。
「…明日の予定は布巾に刺し子をするってよ。興味があるならどうぞ是非だそうだ。
参加するか?」
「チェル、お前もおいで」
「なんでしょうお兄さま」
「明日の午前の予定だが、わたしの級友と授業を一緒に受けてみるか?
針仕事の手習いをやるらしい」
「まあ!お邪魔じゃないのなら、喜んで!」
「おにいは、どうするの?」
「わたしも混ざっていいなら参加しよう。最初の1度くらいは、付き添いしたほうがいいだろう?
教官、午後からはわたしはいつものですよね?」
「そうだな。そうして貰えると助かるな」
「わたしの午後は、ダンジョンの沸き潰しの予定がある。場を離れるが、お前たちはどうしたい?」
「白玉リベンジ!」
「料理技能を1通り覚えられたら、と」
「わかった頼んでおこう。明日の帰りは迎えに来るから一緒に帰ろう」
バーベキュー場やらは予約でいっぱいで入れないのが残念だ。
朝の営業時間前なら平気だから、遊ぶのは様子を見てからだ。
自力で個人資産も作りたいだろうし。
「教官、豆やキノコの収穫はこの子らはこなせると思われますか?」
「踊り子豆はよしとけ。キノコは、付き添いがいればいいだろう」
「お任せください」
教官の言葉にメイドさんが請け負ってくれる。
「頼む。
と、言うことでキノコ狩りはしてもいいぞ。きちんと自分たちで予約を取ること。
先に渡したパスポートを見せれば無料で入れるから」
「キノコ。めえめえ鳴くやつ。知ってる!」
CMで使われたもんな。あやつ。
夕飯を取った後は、妹らは目がしょぼしょぼだ。
そんなことだと思って部屋で食べて正解だった。
予備の鍵を管理するサリーが起きるまでは、スペアキーがないので部屋から出ないことを申しつけて客室に通す。
客室はダブルベッドが2台にトイレとバスルームが完備してあるから困りはしないだろう。
今日の買い物を備え付けのソファーに置いて、小型冷蔵庫に飲み物の補充もしておく。
「おにい、ありがと」
「おやすみなさい。お兄さま」
「お休み」
ぱたん。ドアを閉める。
「記憶がなくても、兄ちゃんで妹なもんだな」
図書室に向かう道すがら、教官が呟きながら顎を擦った。
「兄妹揃って常識がないのは問題ですか?」
「いいや、仲良くやれるなら構わねえさ」
「一緒のおかげで、多少物知らずでも兄の威厳は保てそうですね」
「……お前らはもっと悔しがってもいいんだろうに」
不機嫌です。面白くないって教官の態度は、それだけオレらを気にかけてくれているから。
リュアルテくんならいざ知らず、中の人の年齢からして、それが読み取れないほど子供ではない。
困ったな。
「ダンジョンマスターって不幸な身の上だと魔王になりそうじゃないですか?」
「そう思うか」
教官の足が止まる。
「ええ」
物語に不幸はつきものだ。
主人公が酷い目に会うほどに、訪れたささやかな幸せが人の胸を打つ。
「教官は、脱税で捕まるダンジョンマスターって、笑い話にしてくれましたが。
この間、世界地図を見たんです。
北の海を魔界にしてしまったのも、南西の大地を暗黒大陸にしてしまったのもダンジョンマスターでしょう?
話には聞いてましたが、あまりに範囲が広くてビックリしました」
北海は船を出せないどころか、沿岸部すら危険地帯だ。
昆布が高値で取り引きされるのはそのせいもある。
「仮にわたしが何もかも失くして、なのに元気で記憶もきちんとしていて、周りの人も酷い人ばかりだったら。
わたしは悪い主人公もこなせてしまったんじゃないかって」
リュアルテくん悪く元気に育ったなら、ラスボスの前の中ボスくらいなら張れそう。
魔力多いし、ダンジョンマスターだし。
ダンジョンで育てた魔物でスタンピードはファンタジーの定番だ。
「だから記憶がないのも、大怪我したのもそんなに悪いことじゃなかったんですよ。
負のエネルギーがないということですし。
死にかけたところを助けて貰って大事にされれば、どんなへそ曲がりでも感謝します。
わたしも例外じゃありません」
「魔王の道は遠そうか?」
それはかなり難しい。
「わたしが今からそのルートに乗るのはサリアータの全てを沈める必要がありますね。
その上尚且つ生き残り、大勢に裏切られる酷い目に会わなければ無理っていう難易度の高さです」
流石にそこまでのシナリオは、用意されてはないだろう。
つまりオレのアバターになってしまった時点で、リュアルテくんの中ボスフラグはバキバキよ。
「妹も無事でしたし」
リュアルテくん元々妹いた設定だったのか、まあ素直に喜ぶこと、喜ぶこと。
ほつ、ほつと胸のうちが暖かい。
なんか無性にあいつらを甘やかしたくて困る。
中の人はリュアルテくんより年上だってのにさ。
「ああ、運が良かったな。ダンジョンの沸き潰しが進めば、他にも救助できるやつが増えるかもしれないぞ。その予兆がある」
エンフィのとこかな?
「他にも、誰か?」
「孤児院の子が数名纏めて救助された。エンフィの弟もな。
英雄症が出たのはその子だけだったが、ダンジョンマスター候補だった」
政府ちゃんの目論見どおりかー。
「エンフィの弟ならいくつですか?妹たちと同じなら、流石に雫石の『精製』は難しいですよ。わたしたちの年齢でギリギリという感じがします」
ここら辺は感覚的なものだ。
道の真ん中に工事中の看板が立っているのに車を進めるくらい無理。
「だよなあ。ま、候補として一緒にしとくぶんには問題ないだろ」
「リュー!」
図書室の前でエンフィ一行と合流した。
「紹介しよう。私の弟のルートだ。
ルート。彼は私の友人で、ダンジョンマスターのリュアルテだ」
「初めまして、ルートです。兄がお世話になっています」
ルートはエンフィより色の濃い金髪が、情の濃そうな印象だった。マリーと同じぐらいの年か。
「リュアルテ ノベル サリアータだ。
エンフィの弟に会えて、とても嬉しい」
手を差し伸べると、はにかみながら握り返される。
うーん。流石エンフィのリアル弟。上品だ。
「あの、サリアータって」
その上、賢い。
「沢山いる養子のひとりだな。
サリアータが崩落したさい、保護と入院が必要な子供は凡て養子になっている。
病院代は高いから」
国民保険はないんで実費だ。
「そうだったのか、てっきり縁戚かと思っていた!」
「ご領主の顔も知らないぞ?……お忙しいのだろうな」
顔は知らんがバリバリ働いている気配がある。
直筆の名前の入った許可証などを、既に何枚も頂いている。
書類仕事だけでも大変そうだ。
「過労で倒れられないといいんだがな」
エンフィも同じ感想を持っているようだ。うん、うんと頷き合う。
「エンフィ。わたしの妹も同じタイミングで救助されたんだ。
紹介したかったが、疲れて寝てしまったので明日にでも顔合わせがしたい」
「ああ、聞いた。会うのを楽しみにしていたが、それならば仕方ない。
明日の朝食は一緒にとろう。ヨウルにも声を掛けてある!」
「了解した。
ルート、わたしと妹たちとも仲良くしてくれるか?」
「あっ、はい。僕で良ければ!」
「エンフィ、お前の友達、弟をタラしてるけどいいのかよ?」
ジャスミンは残念なやつだなあ。
エンフィが人をどついてる姿なんて初めて見た。弟くんも目を丸くしているから似た意見なんだろう。
大丈夫、それ仲良しなだけだから。
「アスターク教官、リューを借りてもいいですか。帰りはジャスミンに部屋まで送らせるので!
あと、紹介が遅れました。弟のルートです!」
「え、えと、初めまして?」
初対面の教官に悲鳴を上げず挨拶ができるなんて、ルート、大物か。
初心者なら、妹の反応が順当だ。でかい熊だぞ、教官は。
「おう、宜しくな。
じゃあ、ジャスミン頼んだ」
「畏まりまして。教官殿も、よい夜を」
「お休みなさい。また明日」
挨拶をして図書室に入る。
誰も居ない部屋はしんとして、本の香りに満ちていた。
「え、この本飾りじゃなくて全部読めるんですか?!」
おっ、気づいた。驚くよな。通った道を同じ反応をされて内心ニヨる。
「図書カードに名前を記入すれば、1冊まで借りられる。
リアルと違って本は高価だからな!」
「わたし達はテーブルで作業をするから、今読む本と借りる本を選ぶといい」
「はい!」
食い気味に返事をして、本棚に向かう尻には見えない尾がある。
「本が好きなんだな」
「自慢の弟だ!賢くて礼儀正しくて、どこに出しても恥ずかしくないのは保証しよう!
…そんなわけで、テストプレイヤーだ。
弟はリアルでは未成年なので頼む」
「は?」
うん、いい反応だジャスミン。
「妹達もだ。
エンフィのところとは違って、うちのはごく普通の子達だ。
先行組だからといってなにがあるわけでもないが、心ないプレイヤーもいるだろう。内密に。
本人がボロを出しても気が付かなかった振りでよろしく」
「あー。もうすぐ解禁だからなあ。βってやつか。
ここでのお前らならリアル弟の1人や2人余裕で養えるからなあ」
「恐らく、未成年用に学校イベントが始まるのでは?知らないが!」
エンフィが石を取り出すので、同じく準備する。
今日は0レベルダンジョンを梯子しなかったので、あまり魔力を消費してない。
おかげでこの時間も元気だ。
「材木がやたら足りないのは、学校建設用もあると聞いたが、わたしたち専用としては大規模過ぎると思っていた」
嘘は言ってない嘘は。話してないことがあるだけで。
オレらが作業を始めると、ジャスミンが茶を淹れてくれた。
甘いミルクティーにスパイスを落としたのだ。
飲み慣れない味だが、慣れたら好きになりそうな気がする。
ナッツ入りジンジャーブレッドとかなら合うだろうか。
籠のままで机に置く。
エンフィが出したのは、でっかいピザだ。
食い合わせなんて関係ない!そんな態度が清々しい。
「わあ、ピザだ!
図書室でいいのでしょうか」
匂いにつられたようなタイミングで、ルートが本を抱えて戻ってくる。
「ルート、ここの本は保護スキルが掛かっている。
とは言っても本を触る前は手に『洗浄』をしたほうが良いだろうが」
「リューは『洗浄』いくつになった?
私は星1だ!」
「星3だ。前世に引っ張られているのかもな」
前世で星が複数ついていたスキルは伸びがいい気がする。
「うん。それならルートに『洗浄』の装具を作って欲しい!」
「あの、僕は『洗浄』はないですけど、発動体は持ってました。ポケットに入ってたんで気がつかなくて」
「それは最初から持っていたか?」
「はい」
「だったら、そちらを大事にするといい。それは5歳の誕生日の贈り物だろうから。
エンフィは会った時には『洗浄』があったから、多分それはお下がりだ」
遺品だと突きつけるのは重いので、緩い表現に留める。
「はい。そうなんですね、ふふ。懐かしいです。小さな頃は体格差も大きかったからお下がりも多かったんですよね」
「ピザが冷めるので食べて欲しい!」
「それは大変だ」
「ですよね!」
トマトソースにサラミ、バジルのオーソドックスなピザだ。
生地は薄くてパリッとしていて、香ばしい。
「ピザって美味しいんですね!
…その、リアルじゃトマトにアレルギーがあって」
エンフィがジャンクフード慣れしてなかったのはそれかあ。
弟に付き合ったのか、いい兄ちゃんじゃん。
「腹に空きがあるなら、ハンバーガーやナゲットもあるぞ。ケチャップも」
マルフクのうちのハンバーガーは厚切りトマトが入っている。旨い。
「すごく気になります!けど、夕御飯も食べたので…!」
「そんな時はMP消費だ。魔力を使うと腹が減る!」
「テルテル先生がお薦めしてくれた資金稼ぎのそれですね」
ルートも白玉魔石の『精製』を始める。
いっぱい練習しとくといい。
この先山ほど作ることになるから。
「慣れないうちは、このカウンターを使って魔力の管理をするといい!」
小さい兄が更に小さい弟の面倒を見ているのは微笑ましいな。
ゲームでの外見だけは。
エンフィの中の人は一見すらりとはしてたけど羨ましくなるような細マッチョだったし、ルートもきっと腕っぷしが立つんだろうどうせ。
喧嘩しないようにしよ。