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52 ロケットには善き夢を詰めて



 『細工』のピアスはヨウルがイヤリングに変化させた。

 誰もピアス穴ないんだもん、仕方ない。


 和室に布団を3枚敷いてごろ寝の体制だ。

 サリーはゲストルームに退避した。無理は良くない。

 さて、何から話そうか。


 そう思ったら朝だった。嘘だろう。また時間泥棒がでた。

 愕然の17日目だ。おはよう。



「おはよー。リュアルテ、よく寝るなあ」


「面目ない。この体、夜に弱い」


「リューは、おそらく食事の量がまだ足りないんだろう。リアルでも魔力をギリギリまで使ったら、空腹になったし眠くなった!」


「ああ、だからバイトは食事とおやつは食べ放題なのか。

 リクエストがあれば取り寄せてくれるらしいし」

 いっぱい食べてはいるんだけどなあ。

 このコンパクトボディで、現役男子高校生並みには。燃費悪い。


「なにそれ、聞いてない。重要なことじゃん」


「私も聞いてない。よし、合流先はリューの所にしよう。

 環境が良さそうだ」


「施設は周りになんにもない山奥だけどいいのか?

 あ、でも風呂は温泉とサウナがあった」

 温泉は温度が低くてボイラーが必要なタイプ。

 そのボイラーは魔石燃料だった。

 どうもその手のことも研究している施設らしい。


「温泉、いいな!」


「どーせ軟禁されるし。生活環境いいのは高評価じゃん」


「軟禁とは言い過ぎだ。

 ただ護衛付きで遊びに出るのは、心情として難しそうだな。

 周りになんと説明していいか困る」

 強面のゴツい兄さんらと一緒にいたら、クラスの友達はビビリ散らかしそうだし、中学時代からのつれらは変に勘違いして威嚇して突撃してきそう。


「なにそれ出ていいの、やっぱり聞いてない」


「それは聞いたぞ!」

 だよな。

 ヨウルさ。マジでやばくない?

 どんどん心配になるんだけど。


「あと少ししかない授業がリモートなのは諦めたけど、大学もそうなら切ないな。

 大学には人脈造りも目標だから」

 とーさんも勉強は留年しない程度にして、人付き合いを優先しろって言ってくれた。

 でもさ。とーさんは自分の頭の出来がいいから鷹揚だけど、凡人は努力しないといけんのよ?

 英単語は抜け落ちるし、数式は閃かないんだぞ?

 推薦で受かれて本当に良かった。


 そういや今年から推薦が決まる時期が大幅に早くなって、オレも皆も慌てたっけ。

 例年は12月くらいに合否が出るのに、今年から推薦は8月には結果が出ていた。

 これも『異界撹拌』のせいじゃないとは言いきれない。推薦組はいつもに増して素行面のチェックは厳しかったと合格後に聞いたから。

 政府的にはもっと早く情報が漏れるつもりだったのかもな。そんなスケジュールだ。


「…そうか。そう言われると残念だな。違う人脈には恵まれそうではあるが!」

 布団の中で朝のもだもだはここでタイムアップ。



「おはよう御座います。よい朝ですね。皆さま、お食事の前に身繕いをさせていただいても宜しいでしょうか」

 膝をついたサリーが、障子戸を開いて起こしに来てくれたからね。

 に、してもサリー。ブラシがけする気、満々だな?

 そのおニュウのブラシ高そうだけど、買ったの?

 よし、皆もピカピカにされてしまうといい。





 場所は【睡蓮荘】の東屋だ。朝食後に集められた。

 アリアン嬢とクロフリャカ嬢、トト教官も一緒だ。

「見て、この柱素敵な彫刻。オリジナルかしら?」

「クロ、水辺大好き!お花浮かんでいるのキレイね!」

 何気にホテルの東屋に入るのは初めてな女子2人はきゃっきゃしている。和むわ、ほっこり。


 この場にサリーはいない。一旦寝てリアルに戻って報告してくるそう。

 いいニュースが聞けるといいが。


「今日集まって貰ったのは、今期は無事にロケット大祭にサリアータも参加することになったからだ」

 女子はわーっと盛り上がって拍手しているが、男子ときたらなにそれ顔だ。


「ロケットにアタシたちが持つ、善なるものを詰め込んで、どこか知らない彼方へ打ち上げるお祭りよ。

 かつてアタシたちの祖先が、遠いどこかの人たちの祈りと希望を受け取ったように、今度は自分たちが誰かの杖になれますようにってね」


「つまりロケットにダンジョンやらその説明になるものや、隣人と巧くやる豆知識や、技術のもろもろを詰め込んで、界の狭間にぶちこもうって企画だな。

 うちの大陸じゃあ年2回やっている。なにごともなければ」

 教官たちは代わりばんこに説明する。



 クエスト!


 あなたはロケット祭のエントリー資格を得ました。

 より善き夢を彼方の友へ届けましょう!


 報酬 ブルーブラッド+1


 ※このイベントには追加報酬が予定されます。



「前々回はセイランが、前回はサリアータがボロボロで。大陸の支援はそちらに流れたから1年半ぶりね」


 あ。これか。これだな?

 謎技術の出所って。


 他所にこーいう三千世界が広がってるなら、地球人同士ちょっとは協力しないと困るもんな。

 異界の人、イイ人ばかりとは限らんし。

 出会い頭の夢魔とか、あれは酷かった。


 …………いや?ひょっとして、お他所の世界的には例に出してもいいくらいにマイルドな一件だったのかも。夢魔の上層部はまともだったし。


 アメリカ映画の宇宙人とかヌメってした侵略者系多いけど、外見だけならまだしも、そんな中身の人らがいないとも限らんしな。


「教官!界の接触、及び界の違う他種人類の交流は良くある事例なのでしょうか!」

 同じことを考えたらしいエンフィが手を挙げる。


「夢魔族のことか?

 彼らはダンジョンに特化した種族だからな。彼らを媒介にすれば、あるいは恐らくといったとこか」


「あの人たちの故郷は凄く過酷な土地だったらしいの。野良ダンジョンでの生活が天国と思えるくらいには。

 ちょっと想像がつかないけどね。

 アタシ夢魔族の一部は許せないけど、そいつらのやらかしに気付いてあわてふためいて事態を収集に来た、ダンジョンに引き込もっていたタイプの人は真っ当な人が多いって印象だったわ」


「……異文化コミュニケーションは、お前さんらの糧にはなるだろうが。

 いや、子供の今のうちか会わせるのなら」


「そうね。彼らの倫理ガードは子供にしか働かないから」


「人格者でもエロエロなんすか?」

 なんのしがらみのないヨウルは好奇心いっぱいだ。

 そしてエンフィ。こいつは困ったときや都合が悪い時もアルカイックスマイルだ。

 なんか因縁おありです?


「そうね。エロエロね」

 トト教官の口からエロエロ言われると居たたまれない。ドキドキしちゃうね。男の子だもの。


「だな。事態の収集に来た奴らは、エロスが発動しないように腹にナイフを差し込んで会見に臨んだらしいぞ。ビビるわ」


「ヒェ、懐剣としてお守りじゃなくて、ブスッと?」


「直接ザクッと。そんな覚悟を見せられたらセイランも矛先が迷うわよね。

 会見中ずっとそんなことしたら、レベルダウンも相当なはずよ」


「政治家って怖いわ。そんなことしなくちゃいけないの…?」

 エロエロという単語だけで顔を赤くしたアリアン嬢だが、一気に素面に戻る。


「アリアン嬢!それは特殊な例だと思う!」


「そうだな。特殊だ。彼らが【春】ではない状態なのは子供の時代と、骨と皮しかないような飢餓状態、大怪我をしている時と、魔力が2割を切っている時。それくらいなんだそうだ」

 魔力が2割を切るとだるくてしんどくて目眩もして、立つのも億劫になる。

 生理痛と同じくらいね。そう女性の話を耳に挟んで仰天したこともある。

 女の人って、大変なんだな。


「ちなみに本国住まいの修行僧はその飢餓状態が通常運転だそうよ。

 それを聞いたら、悪いけど夢魔に産まれなくて良かったわあってなったわ。

 そこまでしなきゃ、理性を保てないとか。もうね」


「そのうち、紹介しよう。なにお前さんらにはしなだれかかりはせん。

 15以下の子供はあいつら特有の倫理コードが働くからな。

 規制してもはみ出しモノが出るこちらの方が、この点だけは問題だ」


「そうねその点だけは立派よね」


「教官、わたしはロケットが気になります。

 具体的には何をしますか?」

 区切りがついたところで、話の流れをもとに戻す。

 前のアバターは夢魔大嫌いだったけど、リュアルテくんも少し苦手なようだ。

 なんとはなしにゾワゾワする。

 親戚でも失ったかね。エルブルト系人種的に。


「あーちゃん、クロちゃん。男の子たちに教えて上げて」


「はい、教官。

 そうね。庶民は美味しいものを食べて、気持ち程度の寄付をして、お神輿担いでパレードする日ね。屋台が沢山出て、楽しいわよ。

 ちょっとお洒落もするかしら」

 気を取り直したアリアン嬢が、指を折りながら教えてくれる。

 夏祭りみたいなものかな?


「クロの村じゃ、吟遊詩人のおにーさんたちが来てくれて、みんなで歌って踊るの!

 チーズはうりものだからいつもは食べないんだけど、その日だけはとくべつなのよ!」


「ダンジョンマスターはロケットに詰めるダンジョンを造って寄進するな。

 職人なら身形に合わせた物資を奉納する。

 俺らは金銭を寄付したり、労力を提供したりする。

 歌手は歌で寿くし、酒屋は振る舞い酒を出す。

 大陸挙げての大祭だな。

 この半年に一度の祭礼資金は災害が起きた時の互助としても使われる。

 サリアータの大結界はここの費用からも賄われているぞ」

 どでかい保険制度だな。


「私はようやく0レベルダンジョンを造れるようになったばかりですが、そんなのでいいんですか?」

 アリアン嬢がおずおずと手を挙げる。


「むしろそれを期待されているな。訓練用のダンジョンは階層が下のものほど多いといい。食物連鎖はわかるか?それだ」


「幾つぐらい造ればいいでしょう!1人100基ですか!」


「んなわけあるか、扉職人らを困らせたいんか。泣くぞ?」

 エンフィのボケにヨウルが乗っかる。


「んフッ、そうね、泣いちゃうかしらね。

 1人2基あれば充分よ。余裕があったら『エンチャント』アクセサリとか制作してもいいんじゃないかしら。

 もし、スキルもなにもない状態で崩落に立ち合わなくちゃいけなかったら、苦しいわ」


「ロケットは界流に乗って飛ばされる。崩落が起きそうな所に辿り着くとその地を守るように根を張るから、後は現地任せだな」


「巧く知的生命体が見つけてくれたらいいのだけど、ロケットだけでもその場しのぎにはなるはずだから」


「口の悪いのはボトルレター扱いだがな」


「あら素敵じゃない。ボトルレター。成立が難しいほどロマンがあるわ」


「受け取った人はビックリするでしょうね」

 うちの政府ちゃんとか、よその政府ちゃんとか。あとどこかの第一発見者さん。


「喜んでくれるといいわね」

 トト教官は時折、女神さまみたいに素敵だ。

 神話とかの怖いやつじゃなくて、ふわっとしたファンタジーの慈しみ深い、そんなタイプの。

 これはテルテル教官も夢中になるわ。






「それじゃ第4回クラス会議を始めるぞ。

 お題はどんなダンジョンを奉納するか、だな」

 なし崩しに学級委員長を押し付けられたヨウルが司会をとる。


「はーい。白玉ダンジョンならつくれるの」


「でも、ビリビリ棒がないと狩るのは辛くないかしら。

 一度、普通の棒で倒すの試してみたけれど、惨憺たる有り様で笑いしか出てこなかったわ」

 それな。補助具ありきのダンジョンは避けた方がよさげである。


「リュアルテのとこのキノコや豆はどーよ。位階的には丁度だろ」


「それもいいが、わたしはスライムを押したい。物理的にも心理的にも、それほど抵抗なく狩れると思う」


「スライムはたべれないよ?」


「だが、ゼリー部分は植物用栄養剤に、皮はプラスチックやビニールの材料になる。いいな!」


「いいんじゃないかしら。生ゴミ腐ると不衛生だし、お肉やお野菜のダンジョンの他にもスライムがあると便利よ。きっと」


「オレらは雑食つーか、わりと何でも食べるけど、種族によっては食えないものとかありそうだもんな。植物用の栄養剤なら潰しが効いていいと思う」


「肉、魚、植物、繊維。あと必要そうなのは生体金属か」


「生体金属は私たちよりレベルが高いダンジョンマスターの範囲だろう!

 レベル5くらいまでに抑えたい」


「そっかあ。あんまり強くてもこまるのね。むずかしいの」


「では肉からいこうか。なにがいい?」


「魔鳩、大福雀、リスリス、美味しいけど居眠りアナグマはちょっと強いかしら」


「鳩は雀より大きいが、その分動きも遅くていいと思う」


「そうね。狩のしやすさなら鳩かしら」


「暫定で鳩だな。次は魚か。海の魚か淡水魚か!」


「海水は塩も採れるしお得じゃねえの?

 ただ、オレらの位階じゃ海の魔物は会えたらラッキーな感じだからちょい保留?」


「保留、了解。植物はマッスル小麦だろうか。穀物は重要アイテムだ」


「マッスルはお菓子向きの小麦よね。いいんじゃないかしら。

 繊維は、うーん。絹はハードル高いわよね。流石に。便利で綺麗だけど」


「蜘蛛絹は死人が出てしまう!

 代々綿花はどうだろうか!」


「代々綿花もトレントじゃん。なんもスキルなくてレベル1なら絶望じゃねえ?

 ご機嫌麻太郎とかどうよ。リネンは使い勝手がいいだろ」


「採用、麻太郎は鎌があれば倒せるのがいい」

 ご機嫌麻太郎のご機嫌は、そうなるくらい美味しい実をつけるからで、狩ってもアッパーにトリップしたりしなくて安全だ。そう主張しておく。


「スライムはなん基つくるの?」


「半分くらいなら被っても困らないよな?」


「村の水玉工場は3基あったよ。下水用のと生ゴミ用とウシ用の」


「ひとつの村でそれだけあるなら、いいわよね?」


「試しにひとつ造ってみようか。ギルドも欲しいと要望書が届いてたから、使って貰って叩き台にしよう」


「ギルドさ、じゃあ今まではどしてたの?」


「街営の工場に運んでいたと。『体内倉庫』便利すぎて、良し悪しだな」

 うちのスライム部屋は植物用栄養剤のゼリーと魔石だけ取って、皮は業者に売り払っている。


「プラ製品作る部屋と、調合室っている?」


「専門のじゃなくても多目的室はあっていいんじゃないか。あとトイレ」


「『洗浄』の備え付けは、トイレと出入り口で欲しいだろ。あとは処理室?」


「乾燥機と水道も欲しいわ。皮はそのままだと重いもの」


「常備品のバケツとか籠とか『保護』を掛けたいな。どんなとこで使われるか分からないから頑丈さを求めたい」


「『保護』もっているやついるー?」


「残念ながら勉強中だ」


「あるわよ。この間、出たわ。初心者の盾用の受注していたけど、日用品でもいいのね」


「アリアン嬢。覚えたいから『エンチャント』して欲しい」

 私設図書館の野望のためにも。是非、是非。


「ええ、いいわよ。皆もいるかしら?

 欲しい人は手を挙げて。…全員ね。

 直ぐに作っちゃうから、ヨウル、適当に道具にしてくれる?」

 アリアン嬢は常備している魔石を取り出す。


「よしきた、バリバリー。アクセ用のちょい良い『生体金属』買ったから使いたかったんだよな!」


「じゃあその間にわたしたちは、バケツやレードルや薬瓶やらを作るか。

 インゴットはプライベートダンジョンに積んであるから、取ってくる」

 今ある在庫は放出して、物置用のダンジョンでインゴットを回収、外に出る。

 腐らないものはプライベートダンジョンが便利だ。


「りゅーくんインゴットためこんでるの?」


「一度に市場に出すのも迷惑かなと。生体金属は長く魔力に触れていないと朽ちるし」

 肉はうちで使うけど、生体金属は寝かせてある。今はチマチマ、インゴット化している最中だ。


「しょっちゅう使うか、『体内倉庫』に仕舞うか、ダンジョンで運用するかだもんな。生体金属便利だけど、普通の金属も必要だよなあ」


「その心は?」


「露天堀の鉄鉱床が出た。白玉ダンジョンに潰すのは勿体ないよな?」

 あー。ヨウルやけに岩山引いてたけど、とうとう鉱石もでたのか。


「頼むから止めてくれ。なんちゅー勿体無いことを考えるんだ」

 それまで自由な意見を聞くだけにしていた熊教官がストップをかける。


「えーだって。鉄作りって大変っすよね?

 ダンジョン外でやると環境汚染だし、ダンジョン内で製鉄ってどうやるのかわからないし」


「だからって鉱山付きの製鉄所なんてドル箱を手放そうとするな。

 ヨウルは専門家付けてやるから、鉱山を開け。

 あとリュアルテ。崩落止めの結界の拡充に生体金属は必須だから使用分は残して売却しろ。

 それとスライム工場はいい案だ。色々手を出すよりは10基纏まった数を奉納するといい。

 ダンジョンの造りを審査する大祭委員会も、嬉し泣きするありがたさだ。

 折角のチームなんだから、規格化や効率を考えるのも悪くないぞ。

 これから祭りに参加することも増えるだろうからな。

 ダンジョンマスターは一発出すとデカイから、数年ごとに参加するケースもあるが、若手のうちは勉強にもなるし、なるべく出た方がいい」

 そこでトト教官が、肘で熊教官をどついた。

 どんっと結構な音が鳴る。

 アスターク教官はけろりとしているが、オレらがあれくらったら一撃だな。

 一瞬そんな沈黙が流れる。


「チャリティーだから、無理するのもよくないわ。

 ただこの手の実績は長い目で見ると積んだ方がいいものなの。

 楽しいイベントに参加するつもりで、やればいいわ。

 アタシたちの意見は参考程度にしてね。

 アスターク先輩は効率よく仕事が回ると楽しくなっちゃうタイプだから」


「そうだな。箱詰めするのもスペースがきっちり埋まると達成感があるな。

 ただ今回は開催できるか危ぶまれていたし、準備期間がお前さんらにとっては短いだろう。

 そう思ってつい口出ししちまった。すまんな」


「でもヨウくんとリューくんは先輩の提言は心して聞いてね。

 そう、割と切実に」


「はーい」

「はい」

 オレら返事だけはいつもいい子だ。

 けしてトト教官にビビったわけじゃない。



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