300 宮子虫
ハジメさんはテッテケと、長い隠し通路を速歩で進む。
【この通路、浮遊して走ると『加速』らしきバフが掛かるもし!】
「道自体に付与を掛けてあるのか、面白いな」
また謎の技術が使われてる。
【登り坂も楽々もしね!】
先史文明のお人らって、浮かんで移動してたんかな?
移動補助は甲殻人には必要なさそうなシステムだ。私道だから自分たち用に造ったっぽい。
オレも『念動』は使えるからして。過去の未来的アミューズメントを見学していると、自分の体で試したくなる。
お散歩は見るものじゃなくてやるものだ。
しかし今回ばかりは万が一、隠し通路がバレた時の用心をしておくべき。余分な足跡を残すのはNGだ。
ハジメさんドローンの活躍を見守るしかない。無念である。
「ねえ、お爺ちゃま。時々映る壁画、あれはなぁに?」
しばらく無言だった萌ちゃんだが、ようやく勇気ある突っ込みがはいる。
バフが掛かる始点と終点スポットは、休憩に使ったらしき石の椅子が置かれていたりでちょっとした休憩が取れるようになってる。
椅子に座ればよく見える位置に、指摘のあった壁画たちは描かれていた。
「笹の葉のの嫁さん。夜露のの趣味の画だな。なかなか達者な絵筆だろう?」
隠し通路は発光する白い壁だ。
格好のキャンバスでもあるわけで、絵心があれば興をそそられるのもわからなくない。
だがしかし、肝心の画題が虫である。
ハジメさんはサービス精神旺盛だ。カメラワークを意識して、絵の全景をしっかりと映してくれた。
うん。資料としてはありがたいのかなー?
大きいリアルな昆虫と、逃げ場のないトンネル絵画の組み合わせは、じんわり湿ったホラー味がある。
これで通路が薄暗かったら倍率ドン!だ。
ご隠居の言うとおり、なまじ上手で生き生きと、愛情たっぷりに描かれているからその分余計に性質が悪い。
魔物だったら倒してもいいけど、絵は倒しちゃ駄目なやつ…!
キャンバスになっている壁が、内側から発光していることもあった。
顔料を重ねて塗った濃淡使いの巧みさよ。虫の輪郭は光と影の効果でよりいっそう、リアルな質感を持って浮かび上がる。巨大な昆虫たちは今にも絵から抜け出しそうだ。
生の絵画は人を圧倒する力がある。トンネル絵画との初対面が、威力を減じる画面越しなのは良かったかもしれない。
こんなの前情報なしに突然見せられたらもう、咄嗟に『体内倉庫』から剣を取り出してしまう。カブト虫でもアウトだった。
……石人は、動植物デザインの彫刻や絵のモチーフが好きだけど、こういうのもオーケーなんだ……。
オレもよく素材集めをしている風信子蜘蛛も巨大な虫だ。
最初に旨い店に連れていかれて【あれは美味しいカニ肉。良いものだ】って胃袋に刷り込まれなければ、【やったー!今日はご馳走!大きいからたらふく食べれる!】ってテンションの狩りにはなれなかった気はする。
だけど、こう。ひたりひたりと底冷えする怖さは感じなかったのに。絵とは不思議だ。
「……夜露の方さまは、虫愛でる姫君だったって話は聞いているけど」
根切り虫っぽい絵が映ったので、実少年も難しい顔をする。
農家にとってある種の虫は不倶戴天の敵。だからオレも実少年の感性寄りだ。
先史文明人への否定的なコメントは、彼らに悲しい顔をされてしまいそうなので無言を貫く。
五月蝿くするのは内心だけだ。
「おうよ。ただの趣味だと、あながち馬鹿にしたもんじゃなかったぜ。
嵐によって運ばれた、世界樹と共生している昆虫の残骸。
小さな羽の一部分を見て、世界樹の存在を推察したのは夜露ののだ」
丁度いい、あれだ。とご隠居は折よく見えた壁画を示す。
描かれていたのは、白い羽のてんとう虫だ。
「あのてんとう虫、宮子虫は世界宮子と共に界渡りをする。
そして土壌を世界宮子が発芽しやすいように調えるんだと。
云わば世界樹の眷属だな。夜露のの弁に依れば正確には昆虫ではなく、世界樹の魔力で動く昆虫型のドローンだそうだ」
わーお。
「世界樹の指示で行動するとなると。つまりナノマシンのようなものか」
体が大きな魔物ほど、魔石も精度が上がり巨大化する傾向だ。天地を貫く大樹ともなれば、どれだけ奇想天外でも【そう来たか】と納得してしまう。
生態系ごと同伴で界を渡るとか、とんだ外来生物だ。世界を侵略する気満々じゃん。防疫しないと。
「超微少機械。まあ、世界樹のサイズからするとそうなるのか。
興味があるならそのうち読んでみるといい。
天蓋最古の昆虫図鑑は夜露のの上梓だ。
美術資料としても一見の価値ありだぞ」
天蓋?
ああ、山中都市のことか。
ホープランプの住人から、文献によらず都市の名前や愛称を聞けるのは新鮮だ。
東の甲殻人は喋る時に、自分の暮らしてきた街の名前を語らない。
彼らは都市間の対立が過ぎて滅亡しそうになったため、出身都市自慢や煽りは戒められる伝統的な風土があるのだ。
出身都市名を尋ねでもしたら、大事なことだけど恥ずかしいものを問われたように戸惑われる。
そう、まるで【赤ちゃんはどこからくるの?】と小さな子どもに質問されてしまったような反応を返されてしまうのだ。
自らの都市名は秘されたるもの。そんな文化だ。
ネモフィラやヨコハマ。彼らも両者の地名だけは憚ることなく使っている。
それが疑問で尋ねたことがあるが、これらは日本人居留地で、間借りしているだけという頭があるからだそう。
この両者も子どもが生まれ育つようになれば、他の地と同様に名前を呼ばれなくなるということだ。
地方の名産品に心惹かれる日本人のオレらは少々、理解しがたい風習だ。しかし慣れている甲殻人同士は、それで不都合を感じることはないそうだ。
地名はアウトだが施設名はセーフなので、ほにゃらら橋がある近くなんて言い回しはよくしている。
ただ名前が録に出てこないその余波で、オレの各々都市の輪郭がふわっと朧気なものになりがちだ。
ご隠居は異界人だからにしても、感情に素直なチビッ子兄妹が都市名が出ても平然としてるってことは、やはり東西では育まれた文化が違うのだろう。
うーん。お初目からして蛮族根城な印象の山中都市だったはずが、むしろ東方諸都市の戦乱狂気エピの裏取りが取れてしまって大変に草だ。
しかし世界樹か。こいつが歴史のキーパーソンだな。
枯れる前に1度、姿を拝んでおきたいものだ。
今回は諦めるが、いつか山中都市を再訪しよう。
この存在があったからこそ、2人は手を取り合い河を渡ったのだ。
世界樹とちっぽけな虫。それらが彼女の中で結びついた時、夜露の方は天命を受けたように感じただろう。
世界宮子をエンジンに使っていたのなら、彼らの一族にとって宮子虫は帰れなかった故郷の縁のそのものだ。
それにどれほど衝撃を受けたか、想像するに難くない。
失敗だったのは渇望のままに焦り、周りへの理解を求めずに飛び出したことだ。
結婚の話が出てたのなら、そんなことしてる場合じゃない。余計な邪魔されたくないと突っ走ってしまった気持ちもわかる。
当時の笹の葉の君は20そこそこ。夜露の方に至っては同世代だ。そんな若造に根回しなんて到底無理だ。
色々足りてないオレたちが、大人に勝てるのなんて勢いだけ。
「……あっ。昆虫学のススメのことよね!思い出せたわ。国宝よね!」
んんんと首を捻っていた萌ちゃんだったが、どうやら自己解決したらしい。
「アレかあ。ご隠居は実物を見たことある?
経年劣化をケネンして、領立美術館がケチって公開してくれないやつだよな?」
「今はそんなことになってやがるのか?
司書どもはなにやってんだ。本は読まれてナンボだろうがよ」
ご隠居は気に食わねぇなと、チッと舌打つ。
荷造りした書籍の中に、初版本が混じっていたり、むしろ愛読書でも驚かない。
不機嫌なご隠居には悪いが、そこはまあ。オレも源氏物語の原本を読んでいいよと言われたとして、いいえ電子書籍で充分ですってマッハで辞退する小庶民だ。
全く恐れ多いわな。緊張して文字が頭に入らなそうだ。
ご隠居も本好きなら、慎重に扱いたい司書さんの気持ちも察してあげろください。
「そろそろ喉が乾かれてませんでしょうかー。おやつにしましょー」
映像を見て野次っていると、ポップコーンとコーラが欲しくなる。
両者とも今はゲームの中でしか味わえない故郷の味だ。
少しの間、奥に引っ込んでいたトウヒさんが盆を宙に浮かせてやってくる。
ぽってりとした木の器に盛られたのは、黒蜜きな粉がたっぷり掛かった豆乳アイスだ。豆々しい。
春夏秋冬、アイスはいつでも大歓迎だ。
冷えた舌を温めるホット麦茶もマグカップに注がれている。
「氷菓子だ!ご馳走になります!」
「いただきます。……ねえ、この黒いシロップ食べてみて。お兄ちゃん!
甘くて、ほっぺがきゅうってなっちゃう!」
「未知の味がする!」
今のところ黒蜜は、ホープランプの誰に出しても好評だ。
シュガースライム製の砂糖が安くて美味しくて便利すぎたんで保留していたが、種苗庭園の一区画で隔離してある人待ち種のサトウキビは栽培エリアを増やしてもいいかもしれない。
エリアを厳密に区切ってあるのは、あいつらは閉じ込めとかないと際限なく増えるからだ。
寡聞にして知らないが、本家本元のサトウキビもこんなに生命力がつよつよなんだろうか。
ミントとドクダミ、葛に竹。これらの一族はすぐテロる。そんな印象ばかりが強いが、最近はその強者の一角にベリー類がエントリーした。あいつらも超強い。
スギナ?
やだなあ。奴らはダンジョン出禁にしてますよ?
挿し木で世話焼きしないと増えない桃子は、まだ慎ましやかなお嬢さんだったな……。
「私ね、大人になったらね。洗面器いっぱいの氷菓子にチャレンジするのよ」
「おお、妹よ。その時は是非とも俺を誘ってくれ。
ところで、ご隠居。偽装工作ってバレたと思う?」
マグカップ片手に少年が尋ねる。
訊かれたご隠居はというとそのカップに描かれた鳥獣戯画に釘付けだ。
これが無意識だとしたら本当に、動植物モチーフが好きなんだな。本人たちは石なのに。
オレらだって物言わぬ木や石に魅力を感じるから、そんなものかも知れない。
「さあな。お前らと違って俺は生鮮食品やらの買い置きなんぞしない暮らしだからな。
荒らしはしても見張りは残らなかったのなら、可能性は半々ってとこじゃねえのか?
気の利く奴か、普段から家の掃除をする奴でもいたら、違和感を抱いてもおかしくはねえがよ」
「よろしければどうぞー」
ご隠居の前には、水とキャンディポットがコトンと置かれる。
そこで知らない魔石が混じっていたのか彼は数個を手に取ると、じーっと【見て】から味見をした。
口の端が緩んだので、美味しかったらしい。
トウヒさんはそれを見てニコパとなる。
オレにとって石人は全く知らない異界人ではない。撹拌世界の悪友や職場スタッフの出身種族だから馴染みがあるが、彼らが好んで食べる石なんてひとつ、ふたつぐらいしか知らなかった。
ご隠居がどの魔石が好みかなんて、トウヒさんもよく分かったよな。
……あ。なんてことない、ぼんやりしてた。ゲーム内に石人の汎データはあるから、そこからの流用か。
劇物のGMは現在、トウヒさんの庭の資材倉庫に隔離している。
感慨深い。
逆説的になるが、撹拌世界のゲームデータは三千世界の人たちがこちらに漂流してきた時にもこうして役に立ったわけだ。
おし。万が一、熊人が流れてきて、困ってたらオレの全力で支援しよ。犬人もだ。
異界撹拌ゲーム製作チーム世界群には、ひとかたならぬ恩を自分たちは受けている。
ご隠居を贔屓する理由がまたひとつ出来てしまったな。
「おじさまたち、お掃除なんてしたことあるかしら?」
「あるんじゃないか、それくらい。士官学校は生活周りも厳しいって従兄弟ちゃんには、よく愚痴られたぞ。
……あいつらも、もうちょい頑張ればよかったのに。名家パワーで試験は受かっても中退じゃなあ。行き着く先がチンピラとか泣ける」
現場百回の精神でもう一度確認に来られたら、『念動』でふわりと戻した毛皮の端が微妙にずれていたりで違和感を抱かれそうだ。
ハジメさんが回収して、忽然と消えたテーブルセットのこともある。
仲間内の誰かが欲を掻いて、再度居留守強盗したとでも思ってくれんもんかな。
実際に、オレが気付いた限りでも玄関に置かれた丸椅子や小さなキャビネットは持ち去られていた。
だけどそれも不幸中の幸いだ。
ご隠居宅で輩とカチ合うことがなかったのは、泥棒したものを人目を忍んで運ぶのにそそくさと出ていっただろうからして。
ニュースで流れる監視カメラの犯行の手口。あれってビックリするぐらいの短時間で行われる。
家宅捜索のはずが泥棒にシフトしたなら、長居はしない。チンピラの方がこの手のノウハウに詳しそうだ。まさか初犯ってことはないだろう。
「おじさまたち。それでも士官学校に入学だけはできていたのね。知らなかったわ。
大おば様はがっかりしたでしょうね。他人事だけど」
「一応は、そうらしいぞ?
他人事でいられたらよかったのにな。
うちに跡取りのお前の下に兄弟がいないのも、母さんがうちの女をあっちの家にやりたくないからだったんだぞ?
絶対、養子に強奪されて苦労する羽目になるからって。
はー、やだやだ。恥ずかしい!
あいつらろくなことしないどころか本っ気で泥棒じゃん。
ごめんな、ご隠居。俺に出来ることならなんでも言ってくれよな。罪滅ぼしさせてくれ」
犯行現場を見てからその事について口をつぐんでいた実少年だったが、少しの時間で心の整理がついたらしい。思うところを吐き出した。
「チビが余計な気を回すんじゃねえ。別にお前のせいだと思ってねえよ。
長く生きてりゃ、こんなこともある。
たまたまそんな星巡りだったってことだ」
「ご隠居はきちんと怒って!酷いことを、されたんだからな!
ううう。アレらと血が繋がってる事実が心底、辛い。
……萌、俺らは第三の目の下に立っても恥ずかしくないよう、真っ当に生きような!」
「はあい。お兄ちゃん。
でも、ちょっとわかるわ。…ちょっとだけよ?
お爺ちゃまの作る家具は誰より一等ステキだもの。おじさまたち、つい欲しくなっちゃったのね。
だってお金じゃ買えないもの。
お爺ちゃまったら、最近は作ったものを全然市場に出してないんでしょう?」
「その辺の煩雑なやりとりはお前らの一族にずっと頼んで来たからな。自分でやるのは面倒くさくてよ」
ご隠居はひとつ魔石を摘まむ度に、口直しに水を啜る。
石人はその生まれから、細工物には一家言ある種族だ。
そして長く生きるので、のんびり100年、200年。緩く趣味を極めるものがスタンダードだ。
ご隠居が作った丁寧に塗り物をされたテーブルや、落ち着いたカーブが美しい椅子。どれもが余白を多くとり、ささやかに施された彫刻に品がある。どんな部屋に置いても煩さがないものだ。
この感じ。うちの婆さまが堪らなく好きそう。
うちの婆さまは趣味人だ。少しサボれば錆の浮く鉄の包丁や、しっかり耕せる重い農具、襟を毎回付け替える着物、そんな管理にひと手間の掛かるような、丁寧に使わなくちゃいけない生活周りの品を好んでいる。
飾り家具や格子窓。そんな掃除が大変そうなものを、【いつも素敵ね】と楽しく磨けてしまう人だ。
「そう言えばご隠居の『体内倉庫』には、空きがあるだろうか。
ハジメが持ち出した家具は早めに返却したい」
そんな心の内の婆さまが、ご隠居さんの家具はいいものだから礼儀正しく扱えと忠告してくる。
「あん?そうだな、なんならそこの庭先にでもおいといてくれ。なんとも気持ち良さそうな芝じゃねえか。
あの机は防汚処理してあるから、土っぺりでも使えるぜ」
って、作者は自信ありげにしてるけど、どうよ?
視線を向ければトウヒさんは芝生に置くなんてとんでもないと、ふるふる首を振って拒否を示す。
そっかー。
たまにはオレのカンも当たる。
この作者、自分の作品に無頓着だぞ?
アラサウザンドな職人は、人間国宝扱いでいいと思う。
作品も作者も両方大事にされて欲しいかなー?
「手に職があるのはいいことだ。落ち着いたら、仕事を頼んでもいいだろうか」
どうせだからヨコハマの職人連中に紹介したろ。技術は継承してこそだ。
「そいつは構わねえが、そこのポンコツが治ったらだな。俺のメイン工房はこいつの中だ」
「ご隠居ー。いくらロボ男に勝てないからってポンコツ呼ばわりするのよそうぜ?」
ほほう。ご隠居は尻に敷かれている愛妻を外では愚妻と言っちゃうタイプの照れ屋か。
ツンデレじゃなければ、故障中でろくに身動き出来ないロボ男さんのボディは、誰がピカピカに磨いているかって話だもんな。
「ねえねえ、お兄ちゃん。
ずっと迷っていたけど、質問するわ。
お兄ちゃんはあまり驚かないで、呑気にしているけど知っていたの?
萌はドキドキしているわ。よりにもよってお爺ちゃまのお家によ?
隠し通路があったなんて、冒険小説の出だしみたいで」
気が合うな妹ちゃん。オレもだ。
小学校の屋上に続く階段の影に異世界に通じるドアがないかなーとか、老朽化で廃舎にされた旧校舎地下には旧日本軍の秘密基地が隠されていたら面白いのにとか、授業中に夢想していた小学生時代だ。
仲良しのお爺ちゃん家に秘密通路があったらそれはもう、フィーバーだろう。
「あー。知っていたわけじゃないけど、私有の裏口はあるんじゃないかっては睨んでたかな。
ご隠居は魔石や木材の仕入れに外に出ているはずなのに、近くの裏口を使ってなさそうな時もあったし。
だから別に、萌を仲間外れにしてたわけじゃないんだぞ?
俺は萌より年上で兄ちゃんだから、気付けただけだ」
「……うん」
「お前らよく見てんな」
「そりゃあ、家族だし!…多分母さんたちもこの道のことを知ってたよな?
ご隠居には独りの時間も大事だから、そんな時は邪魔しないで帰りを待ちましょうって探すの止められたことがあるからさ。
そうでないと静けさを求めて、5年10年と雲隠れされるからって」
「………あいつ、いつの間にか人を諭せるほど大人になっていたんだな……」
あっ。これは仲良しの幼女の相手に散々苦労をしてきた顔。
コメント、リアクション、評価、誤字報告等、感謝です。
当話で300話に大台に乗りました。いつの間にやら長い話になっております。
まだ細々と続きますので、お時間がある時にでもお付き合い下さいましたら幸いです。