219 錬金術学科の護法先生
クエスト達成!
特殊マップ【司城邸】が解放されます!
報酬 住居 が解放されます!
追加報酬 司城邸直通ゲート通行許可証
※オノゴロタワー駅ジャンクション特殊住宅ライン・司城邸薔薇のゲートが通行可能になりました!
《そして息をするように特殊マップをあちこちに仕込んでくるGM》
《演算が足りないって、こーゆーことばかりするからだろ?》
《島は撹拌世界に比べりゃ圧倒的に狭いから、許したって》
手のひらに現れた銀の薔薇が彫刻されたゲートキーを、『体内倉庫』の『大事なもの』のスペースに仕舞う。
おばちゃまが用意してくれた部屋に入った途端【やることリスト】が達成した。
《おっと。これはロココ》
《お姫さまの私室だなあ…》
《おばちゃまったら少女趣味》
「今更ですけど、現地の人たちやプレイヤーの皆さまとお話する時は、ロールプレイング優先で動画への配慮はないスタイルですの。
お許しになられましてね?
やることリストを達成したので、ステータスを覗いてみますわ」
ステータスからやることリストを引っ張り出した。
現地視聴者にはメタ発言はカットされたバージョンの動画が配信されるそうだから、プレイヤー相手にはフォローのひとつもあっていい。
《はーい!》
《メタ禁止な》
《おけまる。ロープレは優先されるもの》
リストの実績に、【下宿先のおばちゃまに挨拶をしよう!】のクリアが書き込まれる。
タップして文字を消すと、新規リストが新しく書き込まれるエフェクトが出た。
2 ワールドウォークから依頼を受けよう!
※さあ、冒険の始まりだ!………でもその前に事前準備はしっかりしよう!
お金はいつだって大事です。
報酬 学校購買カード5000円分
3 学校に行こう!
※ 授業システムを確認しましょう。
報酬 学生証
※ 学生さんはダンジョンの入場料が50パーセントOFF。
《おお、普通な》
《こんなんでいいんだよ、こんなので》
新しく増えているのはこれらだ。
盗んだバイクほにゃららはディスったせいか消えている。
「おばさまが用意してくれたお部屋は女の子の私室ということで、この先は撮影NGに指定しますわね?
と、いうことで部屋を出ます。まだお昼を回ったばかりですもの。
ひとまず学校に顔を出してみようかしら」
《えー?》
《そんなー (´Д` )》
お女中さんに、学校に行くと言付ける。
すると駅に出る薔薇のゲートに案内してくれた。
家族用の小さな裏庭は、表庭と違い欧風だ。
そして薔薇のゲートは風景の一部のように白薔薇が伝う。
「おばさまは薔薇がお好きなのかしら?」
「花は大抵お好きですよ。
ただ薔薇は頂き物をたまさか挿し木にしてみたら、土地と相性良かったみたいでどんどん増えてしまったんですよ。
薔薇は肥料食いで気難しいのにダンジョンとは不思議ですよね。
まあ、うちの佳代子さまは薔薇がお似合いになられますからいいのですけど」
年配の方のお女中さんは自慢気だ。
「あら、うふふ」
メンチを土産にするのは、年頃の少女らしからなかったか。
そのメンチカツはというと、おばちゃまと一緒にお昼にして腹の中だ。
香り高いお紅茶と菫の砂糖菓子でも摘まんでいそうな昭和マダムな佳代子おばさまだが、ダンジョンマスターなら腹ペコ魔神。
油と肉の塊もパクパクぺろりだ。
「お夕飯は7時ですので、それまでにおかえりくださいますよう。
冬の日入りは早くても、ダンジョンは夜も明るくございますから」
「わかりましたわ。気を付けますわね」
忘れないうちアラームをセットだ。
さあ、効率よく回るぞー!
学生証を受け取るついでに授業形態の説明を受ける事務室だ。
ダンジョン内にあるオノゴロ島小中学校は、実質的に幼稚園や、高校、大学も併設していた。
クラス単位で動く日本的なカリキュラムなのは小学校までで、あとは授業を選んで受ける単位制だ。
ここはゲームの都合だろうなと、説明してくれるお姉さんの話をふんふんと聞く。
《ここの事務員さん野暮ったくて可愛いよな》
《髪型が昭和のおばはんなのはウケ狙いなの?》
《事務員のサチ子さん、転生しているから、おばはんで合ってる》
《舐めた口を叩くと吊るされるぞ?》
《?!》
「拝見した資料によると、司城さんは高校までのカリキュラムをほぼ終えてますね。
昇殿資格もありますし、どうしましょうか。
高校の単位の習得が終わりましたら、大学の授業も受けられますよ?」
へー。島は撹拌世界やリアルのプロフィールとも連動してくれてるんだな。
昇殿資格があるのは助かる。何度も試験を受けるのは億劫だ。
「学業は勿論ですけど、レベル100まではダンジョンでの位階上げを優先したいので……クエストを積極的に受けたいのですけど。
あと大学のカリキュラムとはどのような?」
「高校、大学はビデオとテキストによる通信教育がメインです。
この辺は本土に比べるとどうしても、格差がでますね。
レベル上げを積極的にしていくなら、一般冒険者クラスに席を置くのをお勧めします。
間口が広いのでクエスト発注が盛んですし、そこで知り合った学生同士でパーティを組むことも多いですよ」
《一応、文系、理系クラスもあるけど、俺らは冒険者クラスを選ぶよな》
《遭難してるのに勉強もしなくちゃいけないとかおかしくない?》
《レベル上がると物覚えよくなるからいいじゃけんの。俺は学生のころレベル上げしたかったー》
「では、そちらに編入させてくださいまし。
いきなり教室に行ってしまってもいいのかしら?」
「好きな授業だけ受けに来る聴講生もいますので大丈夫ですよ。
時間割はステータスからも確認できます。
購買にノートや制服、体操服といった学用品を取り扱っていますので、よろしければどうぞ。
…あ、司城さんは学用品セットをもう購入されていますね。
失礼しました。只今、お持ちします」
《学科は兎も角、スキルありきの授業は、年齢バラバラで大学っぽい》
《それを言うなら専門学校じゃね?》
《俺はカルチャースクールかと》
待っている間に配布された学生証をチェックする。
胸ポケットに入るサイズの手帳だ。
クエスト!
それではメモのご用意を!
重要なことはメモを取る癖をつけましょう!
【司城たつみの手帳】が解放されます!
おっ。学生証はリュアルテくんの日記と同じような機能か。
互換性のあるデータが手帳にざーっと書き込まれていく。
平成以降の漫画や小説といった図書データの一部は見れないようになっているが、図鑑やレシピ、ルルブ等は手帳からもステータスからも呼び出せるようになっていた。
一から図鑑を育てなくていいのは、神対応だ。
《なんや、この昭和ハイテクやぞ》
《言うても劣化端末やん?》
《通信環境なくても使えるのは強くね?》
《野良ダン、エレベーターなしで深く潜ると繋がらなくなる》
そして1畳ほどの大きさのロッカーを軽々運んでくる事務のお姉さんだ。
華奢でフツーなお姉さんに、そゆことされると違和感ある。
「司城さんは『体内倉庫』があるので、ロッカーごとどうぞ。
ロッカーは女子更衣室に置くものですけど、『早着替え』があればそれはそれで便利ですものね。
教室や廊下での武器の持ち歩きは禁止ですので、鍵の掛かる入れ物で運ぶようにしてください」
えっ。
「ロッカーで?」
《ロッカーだよ》
「大斧や大剣を使う子もいますよ?
ジョブによれば司城さんも大盾を使うのですよね。
貸し出しではなく自分で武具を用意するようになったら必要です」
……この学校、『体内倉庫』がないと下手すりゃロッカー担いで歩くのか。シュールな。
「はい、これで司城さんの冒険者クラスへの編入手続きが終わりました。
手をこちらに。戦闘スキルの封印を解きます」
小さなコピー機みたいな箱の上に手を乗せる。
ぴぴっと音が鳴れば終了だ。
「お世話になりました」
「いえ、お疲れさまでした。
………あら、まだ解かれていないスキルがありますね」
クエスト!
冒険者クラスに編入したことにより 司城たつみ の戦闘スキルの封印が解かれました!
司城たつみ は20歳以下なので夜のスキルは特殊封印されています!
※昭和の日本人の成人は20歳でした!
お酒もタバコもエッチなスキルも20歳になってから!
《おっ。クエストにジャマー入ったな?》
《GMのネタバレ厳禁のモザイクパターン割りと好き》
《サイコロが一所懸命に転がっているのずっと見ちゃう》
おっとぉ?
「…その、わたくし特殊封印されたスキルがありまして」
「ああ、なるほど。竜の気質があるのでしたら魔力回路が育たないうちに大魔法を覚えてしまうこともありますよね」
ウン、ソウダネ。
《へー!そうなんだ!》
《魔力回路育ってないのに大魔法はあかん》
GMのバーカ!
『録画』してんだぞ、こっちは!
やってみてわかる配信者さんたちの凄さよ。
こんなんいきなり来られたら、動揺するしかなくね?
なんで?!
クリスマスイベントじゃそんなスキルなかったじゃん?!
よし、この辺はカットだな!
そうしてもらおう!
気を取り直して、初授業に滑り込む。
チョイスしたのは錬金術学科の初歩クラスだ。
この学校の初歩クラスは、カリキュラム途中参加OKだ。取っつきやすくて非常に助かる。
午後の教室はノスタルジックだ。
ガラスが嵌め込まれた窓は枠が木製で、机や椅子もメインは木材と釘で作られている。だからだろうか。
しかし建物自体は新しい。なんでもこのレトロな校舎は、卒業製作として先輩たちが作ったものだとか。
まだピカピカの椅子と机も、既製品がホープランプ留学生の体格に合わなかったための手作り品。
モノ作りに特化した錬金術の教室らしい。
《ふわー。木造校舎って超レトロ》
《でも明かりは蛍光灯じやなくて『ライト』の魔道具なあたり、世界観がごちゃってる》
《外は電線あったのに》
《ダンジョン内で電化製品は、魔物招きだからさ。なるべく避ける習慣つけろってことじゃない?》
時間通りに教室に入ってきたのはチョビヒゲに白衣姿の男性教師だ。
きりーつ、れい、「お願いします!」ちゃくせき。
日直の号令に戸惑う者が若干名だ。
一連の動作をすると、パブロフの犬でこれから授業を受けるスイッチが入る。
《おっと。ホープランプさんとこの子が挨拶にマゴっておるぞ》
《隣の子がフォローしてくれるの、なんかいい》
「はい。皆さんこんにちは。初めましての子も違う子も、錬金術学科の授業にようこそ。
講師の護法勉です。
この教室はひたすら『錬金』を使うことで魔力回路のブラッシュアップをしていきます。
単純作業になりますが、おやつと些少なバイト代も出ますので頑張るように。
今日のお題は【紙コップ】と【紙皿】。
前回、前々回の授業でパルプと高分子プラスチックを作成したけど、今日はそれの複合だ。
2種の素材を組み合わせるよ。
紙やプラスチックのレシピのない子は、そちらからまずやってみようか。
さ、私の授業を受けたことがある子は、作業開始していいよ。
初めての子は質問をどうぞ」
ティロン。
【初歩錬金術学科に出席しました】
ステータスの授業表に受けた教室のチェックが入る。
24回授業を真面目に受けたら、初歩錬金術学科は【可】の単位をくれるらしい。
同時に【パルプ】【プラスチック】【紙コップ】【紙皿】のレシピが届く。
同じレシピは持っているが、『錬金』を伸ばしたくての参加なので問題はない。
《なんか初歩の講座、どこもスキルは回数で殴って覚えるスポコンなんかね?》
《ボーイスカウトは飯盒炊爨でカレー作って食べなから、『造水』をしこたまやったぞ》
《格闘総合1は柔道の受け身と『頑健』だったわ》
《スキル石を使わんで覚えろって圧が強い》
「先生、『錬金』を持っていなくてもこの授業は受けられますか?」
紅顔のホープランプの少年が発言する。
180センチ越えているが、たぶん少年。甲殻が胸部と手足の一部しかない。
耳に引っかけた翻訳機は、島内に暮らす者全員が身に付けている支給品だ。
《この教室、ホプさんちの人も参加してるんだな》
《歴史の授業にもいっぱいいたぞ?》
《読み書きを覚えるのに、小学一年生の国語の教室に混じっています》
「もちろん。授業要項には書いてなかったかな?
……書いてないね。失敗したな、後で載せ直しておくよ。
『錬金』を持ってない子は、学生証に紐付けて発動体の貸し出しがあるから取りにおいで。
スキル石を入れる前に、スキルを試しておくのは大事だからね。
ただこれらは学校の備品で君たちの後輩も使うものだから、大事に使い管理すること。紛失するとペナルティもあるから気を付けるように。
それが不安な子は授業ごとの貸し出しもあるから、授業後に相談かな。
さあ、クエストを出してあるよ。自分のMPを勘案して選んでごらん。
ただ最初は少ないロットを受けるのがお勧めだ。
依頼失敗はこちらとしても評価を下げなくちゃいけないんで、重々注意。
素材は箱に積んであるのから、自由に使って構わない。当然、教室の外に持ち出し禁止だ」
「ゴッホ先生。おやつってどうしてですか。小学校じゃそんなのでないよ?」
《この子、小学生じゃん。なんでいるの?》
《ゴッホ?》
《チョビヒゲで護法先生だからやん》
「小学校では出ませんでした」
「…小学校では出ませんでした?」
教室で独り私服の小学生は、言葉遣いを手直しされて首を竦める。
女子の学生服はブラウスに首もと紐リボン、ベスト、膝下15センチスカートのブレザーとスカート姿だ。
女子は中学、高校で違うのは紐リボンの色と、校章のみ。
そして式典の時にはベレー帽がつく。
校則で肩につく髪は纏めろとあるので、たつみお嬢さんの髪は2つお下げに垂らしてきた。
誰にでも似合うように作られている故に、いまいち垢抜けないのが昭和世代の制服だ。
なのに既製品を圧倒的美少女力で着こなす、たつみお嬢さんよ。
校舎の鏡に姿が映るとキラキラしていてマジでビビる。
ちなみに男子は学ランの坊主頭だらけだ。
女子はまだ素朴で清楚とも言い換えられるのに、こちらさんは大変に芋い。
その中で突出して髪型に拘りがあるのはプレイヤーだ。
こちらは現代の高校生と比べても髪がカラフルなんで分かりやすい。
「はい、大変よろしい。小学生なのにこちらの教室に訪ねてきた向学心と合わせて花丸です。
スキルを使うとお腹が空きますよね。
それにはMPを使うからです。
貴女のMPは幾つですか?」
《申請すればカリキュラム外の授業も受けられるのか》
《この昭和、フレキシブルやぞ?》
「40です」
「体の成長著しい小中学生は、MPの半分以上はキープするようこの教室では指導しています。君の場合は現状20だね。
沢山練習したいなら、少ないと感じてしまうだろう。
なので作業前や作業中間食をして、スキルを使える回数を増やすんだよ。
ステータスはあるのかな?」
「はい、あります」
《おっ。優秀》
「素晴らしい!
それでは、今日の授業では一回スキルを使うごとにどれだけ魔力が減るのかを確認するといい。
魔力の回復率は個人によって違う。
この授業で自分のスキルとのつきあい方を、学んで帰っていこうか」
………こーいう、ごく当たり前の授業は最初から受けたかったなあ。
それともサリアータの冒険者学校じゃ普通授業でやってるのかな。
リュアルテくんは常にマンツーマンで診られていたから、そう感じるのは贅沢なんだろう。
隣の芝は青いものだ。
「さて、作業に入ってない子は前回のおさらいだ。
科学的手法で作られるポリエチレンと性質が似ているために同じ名前で呼ばれるプラやペット、PPの類いだが、この錬金術学科で使う素材はスライム皮脂になる。
この素材の良いところは燃やしても有毒ガスがでないこと、自然界で分解されるということだね。
これからが大いに期待されている素材だ。
ただし従来のプラスチックより紫外線に弱い問題もある。
用途によっては使うのを避けることを考えるべきだね。
この理由は素材にある魔力が抜けるからで……はい、質問かな?」
「『体内倉庫』に入れておけば大丈夫って話を聞きましたが、駄目なんですか?」
小学生女子、ガンガン質問してくるな。偉いぞ。
「『体内倉庫』の中のものは時間が止まっているというのが、現代の教科書にも載っている学説だ。
それにしてはおかしい事象も確認されているが、物質の劣化や温度の変化はないというのが通説かな。
だから質問には大丈夫です。と、答えておくよ。
ここら辺は専門分野じゃないので、ザックリで悪いね。
ただ、ダンジョンなどの高魔力下の環境では、強い日差しを受けてもプラ製品の劣化が抑えられるとの、本土の大学の発表はあったね」
先生の話を聞きながら、ワールドウォークに紐付けされた学業クエストの発注を見る。
錬金術学科【護法勉】で検索すればリストが出てきた。
【紙コップ】、【紙皿】の最小単位は1ダース。
【パルプ】、【プラスチック】は1キロからだ。
一件につき功績ポイントは、1を割り切って0.1。報酬も1クエストあたり20円と大変渋い。
しかし材料と発動体、おやつを用意してくれるとなるとトントンだ。
《校内クエスト、ケチだな!》
《勉強してお金を貰えるなら、まあ?》
《おやつ、うまそー》
《早速モリモリ食べている奴いるなあ》
《きな粉パンに瓶牛乳は相棒》
《『洗浄』の発動体が机に仕込んであるのは、錬金術学科ならではだな》
「君たちが作ったこの品は、無菌ルームでの検品、『洗浄』を経て、学校行事や地域の祭りなんかに使われるよ。楽しみだね」
なるほど地産地消。
大量生産品を買うより割高になってしまうけど、学生さんの勉強代ってことで島全体で応援してくれてるのか。
学業クエストには備考があった。
実技系のクエストはこなすほど成績に加点がつくらしい。
授業に出るとレシピを貰えるので、そのノートを集めても錬金術学科は加点がある。
これは図書館で調べものしたり、クラスメイトや先輩に声を掛ければいいのかな?
そして集めたレシピで過去の授業のおさらいがやりたかったら放課後クラブ活動に飛び入り参加もできますよ、とある。
初歩錬金術学科は反復練習をひたすらやる系の授業なんだな。
単位をクエストで集めると、工程の多い専門コースに進める。
こちらは金属や木材布製品と素材ごとの高度な取扱いを学ぶそうだ。
「この中には、冒険者として本格的な活動を目指す子もいるだろう。
安全な教室内で魔力回路を鍛えることは、他のスキルを練達する一助になる。
もちろん、その目的は素晴らしい。
学習は効率的にやるべきだ。
一兎だけではなく、二兎も三兎も同時に追うのがいいね。
ただね。私は主張したい。
先達が磨き上げてきたレシピを読める者は幸いだ。
繰り返しスキルを使い親しむことで、これら単純なレシピの一つ一つがいかに洗練されたものであるか、いつか君らも知るだろう。
錬金術の初歩を習っていくと、身近にある大量生産品がいかに創意工夫に満ち、考え抜かれたものであるかわかる。
発想こそは、か弱き人の持つ力だ。
それを鍛えるためにも、君たちにはこの単位をとっていって貰いたいね」
ゴッホ先生はかく語りき。
確かに数をこなさないと見えてこないものもあるよな。
オレも頭より体で覚えるタイプだ。
さあ、時間いっぱいまでクエストをするとしよう。
コメント、いいね、評価、誤字報告等、感謝。
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