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数ヶ月後


学園への入学は思ったよりも早いらしい。

魂開の日の翌日から一週間ほど入学申請の受付期間があり、その数ヶ月後には制服と学園についての事が書かれた本が届けられ、その本に書いてある日に入学式がある。

ちなみに私物の持ち込みが出来るのは貴族だけだったりする。


本曰く、学園への入学は自由だが、成績に応じて退学させるらしい。

その為、平均卒業率は70%を下回るとか。

最近ではまた卒業率が下がって来ているなんて噂もある程だ。


「ここが学園……広過ぎないか?」


パッと見街に見えるほどに広い。

と言うか御者に学園に着いたと言われなかったら分からなかった。

て言うか街だろ。店とか普通にあるぞ。なんなら冒険者ギルドもあるし民家もあるじゃないか。


「んで、入学式やるのは……あそこか。そこそこ遠いな。魔術使おうにも学園内では使用禁止だし、めんどくさいなぁ。」


時間的余裕はあるのだが、目的の場所は如何せん学園の真ん中辺りだ。

外側から2kmくらいあると思う。やはりこの街全体を学園と呼ぶには無理があり過ぎるのでは?


「はぁ……走るか。」


━走る事数分


これまたかなり大きな建物だ。

東京ドーム並みにでかい。

中に入ると、意外と人は集まっていた。

取り敢えず適当に最端の方の席に座って開式を待つ。


待ってる間やる事が無い。

寝ようにも起きれる自信が無い。

魔術も使えないから暇潰しも出来やしない。

この退屈さは間違いなく死ねる。

外に出て観光でもして時間潰したいが、正直楽しめる気もしない。

これは絶望的だ。

んー、素数か円周率か、どっちか唱えでもするか。

少なくとも暇は紛らわせるだろ。

多分、きっと、恐らく、もしかすると、出来るかもしれない……




━━━━━━━━━━━


「……125101……125107……125113……」


「おいおいあいつヤバいだろ、延々となんかボソボソ言ってるぞ(ボソッ」


「来た時からずっとだよな……狂ってるだろ……(ボソッ」


散々な言われようだ。

至って俺は冷静……なのか?

自分でも自分が冷静なのか分からない。

すくなくとも素数を6桁まで数えてるから正気ではないのは確かだ。

やはり退屈は危険だ。


「さて、新入生諸君、随分と待たせてしまったな。では、今から入学式を始める。先ずは自己紹介だ。私はフォートレート学園の学園長、スティア・フェタ・イグナルだ。」


いつの間にか開始時間になっていたらしい。

正面のステージの上に、3~40代くらいの少し派手目なローブを着た女性が立っていた。

かなり洗練された拡声術式だ。

違和感、と言うより風系統術式特有のノイズが少ない。いや、全く無いと言ってもいい。

しかもこれは、ただ単に声を大きくする4層の術式では無い。

記憶が正しければ、一定の範囲内に居る対象全てに声を届ける第七層クラスの術式だったはず。

さすが学園長と言ったところか。


「入学式、と言っても歓迎会の様な物だ。対した話などは無い。話す事は全て配布した本に書いてあるからな。残念な事にこの学園に最後まで居られる生徒はかなり限られている。だから入学式にはかなり力を入れているんだ。最初で最後の思い出になるかもしれないからな。まぁ、私達からの饗さ。存分に楽しんでくれ。」


そう言うと彼女は、手を前に突き出して術式を構築し始めた。

その術式の数は30を超えている。

しかもその一つ一つが、第五層クラス、かなり制御が難しい筈だ。

そんな物をただの饗に使っている当たり、ヤバい人なのは分かる。


「「おぉぉぉぉぉ……!!!」」


少しして彼女の術式が発動し、至る所から驚きの声が聞こえてくる。

かなり大きな建物だが、その天井全てを埋め尽くす程の絶景。

妖精が踊り、精霊が歌い、霊獣が駆け回る。

綺麗な虹が空を築き、森に川までも再現されている、

驚くべき事に、その全てが精巧に出来ているのだ。


「ここまで見せ付けられると、悪戯したくなっちゃうなぁ……」


少しくらいなら……許されるよな?

タイトルは

思い付いたら

書いてくよ

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