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8/14

8:学校での最後の1日。

宿直室内。


「あ〜心配だ!!」

光が部屋をうろうろ動き回る。


「さっきから何してんだよ!?」

慶がうざったそうに聞く。



ガチャッ


さおりと美月が帰って来た。


光が一気に緊張する。

「お、おかえり…」



2人が揃って光を見る。


なぜか怒られると思った。

しかし予想とは違い、2人はニコッと笑い、仲良さそうに会話している。



その様子にホッとした光。



しかし、このあとから2人の猛アピールが始まるわけだが、

それはもう少し後の話。れはもう少し先の話。




同時刻、屋上。



ガチャッ

「あ、少し寒いね…」

濡れた髪をタオルで拭きながら美樹が言った。


「ま、まぁ冬だからな!!」

明らかにあがっている里志。

まだ風呂に入ってないのにのぼせているようだ…



「でも月は綺麗だよ!!」


美樹の方が綺麗だ…

本当にそう思ったが、絶対に口には出さなかった。


「冬の夜空はきれいだからな!!」




「………。」

美樹が黙って遠くを眺める。


その横顔があまりにも綺麗で、里志はしばらく眺めていた。



「…ねぇ、里志。」

遠くを見たまま美樹が話す。

「ん!?な、なに?」


「里志って私のこと好きなの?」



「え、いやその…何て言うか…」

動揺する里志。

恋愛だけは奥手なのだ。


「はいかいいえで答えて?」


「……は、はい。」

里志は真っ赤だ。



「じゃあ約束して?


絶対に私を守るって!!

そして…絶対死なないって。」


美樹が里志を見る。




「えっ、あぁ…。」

曖昧な返事をしてしまう。



「もっとシャキッとしてよ。いつもみたいに…」




「ああ!!絶対に美樹を守る。約束する!!」



そう言って2人は静かな夜の屋上でキスをした。


そうして互いの気持ちを確かめ合ったのだった…


19時12分宿直室



ガチャッ

里志と美樹が戻る。

そして全員に自分達が付き合うことを話した。



4人は2人のことを祝福した。


「浮かれんのもいいけど、リーダーの仕事忘れんなよ!?」

慶がちゃかした。


「当然。今まで以上に頑張るつもりだ!!」


「その意気だぜ、リーダー!!」

光は笑って言った。



22時35分

全員で少し仮眠をとった。


「そろそろ気持ちを切り換えるぞ!?

ここからが本当の戦いなんだ…」

里志が言った。



「わかってる。」


「あぁそれから、セントリー銃なんだけど、動くものを撃つから人間も危ないんで、人が通れない場所に置いたから。」

光が話す。

セントリー銃は付属のパソコンによってコントロール出来る。



それぞれ光から銃の撃ち方を教わり、扱える銃を装備した。


「銃を持つと気分が変わる…」

今日も慶が似たようなことを言う。



「今回は、前のように簡単ではないはずだ…

そう考えていた方がいい」

光が慶にそう言った。




そうして静かに戦いのときを迎えた。


12月8日00時00分

いつもと同じ凄まじい地震の音がした。



「…………。」



昨日のような銃撃の音はしない。




前と同じく何も起こらない時間が続いていた。

しかし、しばらくして変化が起こる。



5時20分

カランカランカランッ


空き缶が揺れたのだった。


「きた!!みんな静かにしろ…」


みんなで辺りを警戒する。




ドガガガガガッ!!

セントリー銃の音がした。

「裏だ!!」


パソコンの銃の弾数を表す数字が勢いよく減っていく。

2000

1885

1678


かなりの数のようだ。





ガシャーン!!!

玄関の方から音がした。



「くそっ!侵入された。」

「里志、慶!!行くぞ。」

光が銃を持ち立ち上がる。


「行くって校内にか?」

慶が不安そうに聞いた。


「ここがばれたら逃げ道がない。

ガラスも一回しか割れてないから奴らも少数のはずだ。今のうちに数を減らす。」


「分かったよ。」



「行ってくる!!」

光がそう言うとさおりと美月が反応した。




女子を部屋に残し、3人で固まって行動を始めた。



「隠れながら進もう」



だいぶ進んだところに奴らを見つけた。


化け物は3匹、廊下を3人に背を向け進んでいる。


直ぐさま銃を構える里志と慶。



「待て、まだだ!」

光が止める。

「どうして?」


「奴らに今撃っても教室に逃げられる。

それよりもう少しいったら両サイド壁の場所があるだろ?

あそこにいった瞬間撃ちまくる。」



「了解…」



化け物に気付かれないように後ろから近づく。


「窓の外に化け物は見えるか?」


「いや、いない…」



「よし、じゃあ行くぞ!!カウント5で行く。

構えろ。」


「5」


「4」


「3」


「2」


「1」

「撃てー!!!」


「うおおぉお!!」

「あぁあああ!!!」


ドガガガガガ!!!!

ドガガガガガ!!!!



一斉に撃ちまくる。


「ギィィャアア!!」



狭いスペースで集中攻撃を受け、化け物は倒れた。


「…やったか?」

3人は銃をおろす。


化け物はぴくりとも動かない。


「へっ!!ちょろいな。」

慶は、化け物を倒したことで強気に言った。




里志が窓を見て驚いた。

「まずい!!」



その言葉に2人も窓を見た。

化け物がこっちに走ってくる。

銃の音か、化け物の泣き声のせいかわからないが奴らに気付かれたようだ。



「戻れ!!くるぞ!?」



ガシャーン!!


光達の後ろの窓から、化け物が一匹入って来た。



「挟まれた!!」

里志が叫んだ。



「くそっ!!」

光は窓を開け、持っていた銃を構えた。

「俺が外の奴らを片付ける!!

そいつは任せたぞ!?」


光はそう言って外から向かってくる化け物を撃つ。


後ろの一匹はこっちに向かって走る。


「慶、撃て!!」

里志と慶が銃を撃つ。


しかし化け物は廊下から教室に隠れる。


「ちくしょう!!!」



「行くぞ、教室でけりつけるしかねぇ…」

里志が化け物の隠れた教室へ進む。



「接近戦だ、ライフルは不利になる。」

光が撃ちながら言った。


「ならこれしかないか…」

2人はナイフを持って中に入った。




ガラッ!!


化け物はいない。

隠れているのか?



里志が手で合図する。

(俺は左、慶は右から探せ?)



広い教室を慎重に進む。




ガタッ!!


奥の机が動いた。


里志が指を指す。




ゆっくりとその机に近づいたとき


「キシャアアアッ!!!」

机から化け物が里志に飛び掛かった。



「うあっ!!?」

床に倒れる里志と化け物。



「里志!!?」

慶が駆け付ける。


2人は暴れているが、化け物の舌が里志の首に巻き付いた。


「う…がはっ!!?」

首を押さえる里志。



「はなせ、怪物が!?」

慶が持っていたナイフを化け物の背中に刺す。



何度も刺す。


「キィアアア!!!」



慶のナイフが化け物の急所を捉え、化け物は倒れた。



「げほっ!ごほっ!!」

里志は首に巻き付いた舌を取る。


「だいじょぶか?」

そう言って倒れている里志の前に手を伸ばす慶。


「あぁ…助かった。」

慶の手を借り、起き上がる。



ガラッ

「無事か!?」

光が教室に入って来た。



「……なんとかな。それより、外は?」

里志が聞いた。


「片付けた!!」



「おまえスゲーな?普通出来ねーだろ…」

慶は驚くというより呆れ気味だ。


「とにかく戻るぞ。いつまでも帰らないと心配するだろうし…」

光がそう言ったとき、外から化け物がまとまって向かって来た。


「また来たぞ!!」


「あ〜しつこいっつの!!」

慶はそう言いながら何かを投げた。


「お、お前…今何投げた?」

光が恐る恐る聞く。

「手榴弾。」


「伏せろーーー!!!」



ドーーーン!!!!

大きな音と共に近くのガラスが割れ、すごい衝撃を感じた。


パラパラパラ……

破片が落ちる。

化け物は間違いなく死んだ。



「てめー!あぶねーだろ?」

光が怒る。



「あれしかアイデアが浮かばなかった。」

慶がボソッと言う。


「ならしかたないだろう…」

里志が頷き言った。


2人は頷き合う。

化け物を倒したことで2人は一回り(心が)強くなったようだ。

というより、命知らずになりつつあるわけです。



「おまえら頭打ったか?」

まとも?な光はそう言った。

「とにかく今度こそ戻るぞ…」




ゴゴゴゴゴ!!!

ゴゴゴゴゴ!!


教室の時計を見る。


「8時……何とかなったな!!」







ガチャッ!!

宿直室に戻った3人。



「里志!!」

美樹は里志に抱き着く。

よほど心配だったようだ。

「心配かけた。」

里志が笑う。




「……ただいま!?」

光はさおりに言う。


「ただいま……じゃないわよ!!!?」


ボカッ

さおりは光を叩く。


マジで痛い…

しかしさおりの涙を見て痛みが吹っ飛んだ。


「ごめんな…」





「はぁ…」

美月はため息を吐いた。

「どう見ても両思いだよね…。

私には勝てない……かな。」



「どうかしたか?」

慶が心配する。


「ん〜ん、いいの!!

それより、あの爆発何?」


「俺の投げた手榴弾…」


「プッ!!慶って馬鹿じゃないの?」


「よく言われる…」


「馬鹿もほどほどにね…?」


「美月といれば良くなるんだけど。」


「……バーカ!!」





12月8日9時00分



「今の現状からいって隠れ家を変えた方が良くないか?」


例の会議が始まった。


「何で?」

慶が聞く。


「おまえがここをめちゃくちゃにしたからだよ!!」

敵に居場所がバレてる上にこの被害はたしかにまずい。


「すいません。」

慶がへこむ。




里志が立ち上がる。

「じゃあ、新しい場所を探しに行くか?」


「賛成〜!!」




9時30分校庭。


「よっしゃみんな!

お世話になった学校に感謝しよう。」



「今までありがとうございました。」

6人は手を合わせる。


「じゃ行こう!」



いつの間にか、3組のペアが出来上がっていた。


様々な経験を得て、

6人は別の場所を探しに学校を後にした。

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