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6:新しい仲間と波乱の予感

12月6日23時00分


ピピッピピッピピッ



5人は目を覚ます。


「いよいよか…。」




緊張で全員沈黙していた。


「地震が来たら電気を消すぞ。懐中電灯は持ってるな?」



「あぁ、でも月がよく出ていて結構明るいな。」



「窓開けんなよ、寒くなるから。」

変なとこを気にする慶。








12月7日0時00分



ゴゴゴゴゴ!!!

ゴゴゴゴゴ!!!!!

ゴゴゴ!!!



「くるぞ!」





・・・・・。




「あれ?静かだね。」



5人は何となくホッとしてしまった。




その時遠くから音が響いた。



ドガガガガ!!!!


パーン!!パーン!!


ドガガガガ!!!!



「広場のほうから聞こえる。おそらく自衛隊が銃撃している音だ。」




「やっぱいるんだね…」

さおりが悲しそうに言った。


光はさおりの元に行き声をかけた。

「大丈夫だ、さおりは俺が守る。」



「いーよ!!」

さおりから返ってきたのは冷たい一言だった。




「なんだよそれ!?

そんな言い方ないだろ?」

感情的になり、きつく言ってしまった。





「友達としか思ってないくせに思わせぶりなことしないで!!」

さおりも感情的になる。



「なんだよそれ…意味わかんねぇよ!!」





「おい、静かにしろ。

感情的になるのもわかるが今はおとなしくしてろ。

見つかりたいのか!?」


里志が注意した。



「・・・・。」






その時近くで声がした。


「キャー!!た、たすけて〜。」


里志と光が窓から外を見る。


「あそこだ!!!」


校庭を逃げる女性の姿

そしてそれを追うあの化け物がいた。




「くそっ!!!」

光が急いで部屋を出ようとした。


「おい光!?待て危険だ!!」

里志が止める。


「だからってほっとけねぇよ。

前にも似たようなことがあったけど、前は怖じけづいて見殺しにしてしまった。もう誰かが死ぬのを黙ってみてんのはごめんだ!!」

里志の手を振り払い光が部屋を出た。

「あいつ一人じゃ危険だ。俺も行ってくる。」

里志がそう言った。


「俺も行く。」

慶も言った。


「いや、おまえは女子2人を守れ!!」


「わかった。」



里志が木刀を持ち、部屋を出た。


残された3人は黙っていた。

ただ、さおりだけは目に涙を流し後悔していた。


「何であんな事言っちゃったんだろ……。

好きなのに……辛いよ…。」







光は校庭へと走っていた。


どこだ?



辺りを見回す。


「いた!!」



30メートルほど先に追い詰められた女性と化け物の姿があった。



まだ間に合う!!


そう考え全力で走る。




「うおぉおおお!!!!」

手に持っていた木刀を構える。



「ギィ!?」化け物がこちらに気付くと同時に木刀をおもいっきり振り落とした。


「くらえ!!!」




ゴツッ!!!!


鈍い音が聞こえ、化け物が倒れた。


やったか!?



化け物は動かない。

倒したことを確認し、肩の力を抜く。


「大丈夫か?」

女性を心配する。


「は、はい!!大丈夫です。あの……ありがとうございます。」

そういうと女性は泣き出した。

よほど怖かったのだろう。


光はそっと女性の肩に手を置いて慰めた。




ゾクッ!!!


後ろに嫌な気配を感じた。


振り向くと倒したはずの化け物が起き上がっていた。



「くっ!!!」

木刀に手をかける。


ダメだ…間に合わない。

やられる…。




「伏せろ!!!」

里志の声が聞こえた。

その声に反応し、バッと地面に伏せた。


次の瞬間、

里志の突きが化け物の首に刺さった。


黒い血を出して化け物は倒れた。


今度こそ死んだようだ。



ため息を一つはいて里志が言った。

「まったく…呑気に女の子を慰めてるからだよ。」


「うるせー!倒したと思ったんだよ。

それにしてもすごい突きだったな!?

さすが剣道部主将だな。」


「感心してないで戻るぞ。いくら月夜で明るくてもここは目立ちすぎる。」



「わかった。歩けるか?」

女性を心配する。



女性はコクッと頷いた。





2時15分宿直室内




「あの…危ないところを助けてもらってありがとうございました。」


しばらく休んで落ち着いたのだろう。

女性が5人にお礼を言った。


「気にしなくていいよ。それにお礼ならこいつに言って?

真っ先に飛び出していったのこいつだから…。」

里志が光の肩を叩いて言った。



「えっ…あの……ありがとうございます。」

女性は慌てた様子で光にお辞儀する。


「お礼はもういいよ。

俺は矢吹光、よろしく!!」


「私は芳賀美月ハガミズキです。」

そう言って2人は握手した。


「んで、さっき喋ったこいつが高橋里志、俺らのリーダー。」


「よろしく!!」


「そこに座ってる金髪のやつが藤沢慶、まぁ問題児?」


「よろしく!!美月ちゃん。」


「次にそこの長い髪の性格きついのが佐藤美樹。」


「一言多いよ!!よろしくね。」


「んでそこの無表情のやつが藍田さおり、俺の…幼なじみ。」


「……よろしくね。」


「っとまぁ、この5人でやってる。」



「皆さんよろしくお願いします。」

美月は会釈した。





「美月ちゃんて何歳?」

美樹が聞く。


「17です。高校2年生の。」


「えっ?じゃあ同じじゃん。私たちも高2。だから気を使わないで普通でいいよ。」



「は、はい。徐々にそうしていきます。」




そのあと美月のことをいろいろ聞いて時間を潰した。



「空き缶も鳴らないし化け物も遠くに行っちまったのかな?」

里志が外を見ながら言った。


時計を覗くともう5時を回っていた。




慶が積極的に美月に話しかけている。

どうやら美月のことが気に入ったようだ。



「さて、外も明るくなってきたし、里志、校内見回りに行かねぇか。」

光が言った。


「あぁわかった!」




2人が部屋を出ようと立ち上がった。


「ちょっと待って!?」

さおりが呼び止めた。


「あの…里志の代わりに私が光と行っていい?」



2人を仲直りさせたい里志は、2つ返事でOKした。

2人が部屋を出て、見回りに行った。


「まったく、世話が焼ける奴らだ。」

里志が言った。




「ねぇ2人って付き合ってんの?」

みんなとも親しくなった美月が3人に尋ねる。



「付き合っては…いないね。まぁさおりは光のことが好きなんだけど、光がよくわかんないのよね。」

美樹がぶっちゃける。


「俺らも光が誰を好きかはよくわかんねー。」

慶が話す。



「そう…なんだ。」

美月が疑問に残る答え方をした。


「それがどうかした?」

すかさず里志が聞く。



「いや…なんでもないの。」

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