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2:確実に近づく恐怖。

2010年12月2日。


ゴゴゴゴ

ゴゴゴゴゴ


「うおっ!地震だ。」


ゴゴゴゴゴ

ゴゴ

ゴ…

「おさまったか。」

ふと時計が目に入る。

「えっ!?」

時計の針は0時03分を指していた。

「0時…。偶然…じゃないのか?」


気になって仕方なくなり、さおりに電話してみる。


『もしもし光?今回は起きたんだ。』

「あぁ。それよりもこの地震はなんかおかしい。」

『うん。やっぱ私もそう思う。なんか嫌な予感がするの。』

「俺もだ。」

『なんか怖いから今日は寝ちゃうね。おやすみ』

「おう。おやすみ。」


カチャッ


なんなんだ。これは?

自然災害なのか。

誰かが起こしてるような気がしてならない。


地割れ。行方不明者…。

何か関係があるのだろうか。



6時30分。


「はぁあまり眠れなかった。」

「光、起きなさい。」

ガチャッ

「あら、珍しく起きてるのね。地震すごかったわね。」



居間でテレビをつけた。

『おはようございます。まず地震のニュースから。今日0時に起こった地震は夜中の2時まで余震が続きました。各地で地割れが見られ、ここ東京では朝からラッシュアワーになっています。また、地震による事故が相次ぎ現在のところ死者17名、行方不明者は362名となっています。一部では行方不明の理由がわからないケースもあり、何らかの事件に巻き込まれたのでは。という考えも出てきておるようです。…続いてのニュースは……。』



やっぱりおかしい。

「おはよーございます。」

「あらさおりちゃん、おはよう!」


「遅かったな。待ちくたびれたぞ。」

「だったらあんたが迎えにきなさいよ。」

「めんどい…」


「はぁ…じゃあおばさん、行ってきます。」

「行ってくる!」いつも通り歩くがさおりの元気がないのに気付く。


「おい!大丈夫か?」

「えっ?何?」

「大丈夫か?って聞いてんの。」

「…なんか昨日から胸騒ぎが消えなくて怖いんだよね。でも大丈夫だよ!。」

ニコッと笑うが無理してる感じだ。




ぎゅっ

俺はさっとさおりを抱きしめた。

「えっ!?ちょっとなにしてんの?」

「変に気なんか使うなよ!何年一緒にいると思ってんだ!お前のことぐらい嫌でもわかるんだよ。」

「・・・」

「いまさら隠すなよ。不安なら言えよ。怖いなら無理すんなよ。そしたら俺が絶対助けてやる。何があってもお前を守ってやるから。」

おそらくこれから始まる恐怖を本能がわかっていたんだろう。

不思議とそんな言葉がでてきた。

言ったというより言わなければいけない。

そんな感じだった。


「…グスッ…ありがとね。」

さおりからいつもの笑顔と涙が見えた。


学校に着く頃にはいつものさおりに戻っていた。




学校も終わり家に帰った。部屋のベットに横になり、考え込んでいた。


気掛かりなことがもう一つある。

時間だ。昨日は0時から1時ちょうど、今日は0時から2時ちょうど。

時間が1時間ずつ増えている。

考えすぎか?




考えすぎではなかった。

その後3日、4日も同じように地震が起き、やはり、1時間ずつ終わる時間が延びていた。

そしてそれに比例するかのように行方不明者は増えていった。

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