表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

ファミレス

それから一週間が過ぎた


昼休みに学食に集まった4人が複数のプリントを広げる


返却されたテストだ



太陽と翼のテストは悲惨な結果に終わっていた


最高でも70点


その他は50点台かそれ以下だ




「あまり…勉強が得意じゃなくて…」


太陽が言う


「私も同じく…です。」


翼が同意する



「まぁ、まだまだこれからいくらでも勉強ができるから大丈夫よ。


それより、あんたのその点数は何なのよ!」


莉桜が幸明のテストを見ながら言う



「まぁ、理科が68点なのと、社会が88点なのがなぁ…」


幸明が言う


「そっちじゃないわよ!


ほかの教科が何で私よりいいのよ!」


「ふっ…いつから自分が俺より頭がいいと錯覚していた?」


「すっごいむかつく。」


莉桜が冷たい視線を向ける



「そこは、なん…だと…!?


だろ。」


「はいはい。


てゆーか、数学の95点も驚きだけど、国語と英語の100点ってなによ…


普通、こういう年上の同級生は馬鹿が相場と決まってるでしょ!」


「いや、それは偏見だろ。


それに、国語力は社会人なら重要だと思うけどな。


まぁ、今どきの若者には多少の言葉遣いは仕方がないとしても、伝達能力と読解力は大切だろ。


実際に、り、とかそ・ま、とかwで意味が伝わり理解ができるなんて俺たちよりすぐれてるんじゃないか?」


「…だからって…


あんた、もしかして英語とかが話せたり…」



「まぁ、子会社に海外に支店を持つのが何社もあるからな。


ペラペラとは言わんが何となく意味はわかるし、文法が正しいかはわからないけど言いたいことを伝えれる程度には、な。



ちなみに英語は主軸にして技術系の道に進むならドイツ語、芸術・芸能系と食品系ならフランス語、イタリア語、資産・外資・不動産なら中国語が話せるとスムーズだぞ?


あとは歴史、考古学や文学を学びたいならラテンやヘブライがオススメだな。


さすがに俺はこの二つは話せないがな。」


「他のは話せるの!?」


翼が驚く



「いや、基本は通訳がいるから。


ただ、たまにいるんだが明らかに見当違いのことを言ってるときは違和感があるくらいには聞き取れるぞ。」


「あんた、もしかしてかなりハイスペックなの…?」


莉桜が言う



「今更かよ。


見直したならいつでも記入、捺印済みの婚姻届けを持ってきていいんだぞ?」


「間に合ってるわよ。



それより、太陽はどうしたのよ、ぼーっとして。」


「いや、その、僕はすごい人と友達になったんだなぁ…と。」



太陽が幸明を見つめる


「そんなほめやがって。


よし、今夜は一杯、行くか?」


「未成年よ…。」


莉桜がすかさずツッコミを入れる




「あ、でも、みんなでごはんとか行きたい…。」


翼が言う


「よし、じゃあ行くか。」


幸明が言う


「わかってると思うけど学生の範疇で、よ?」


莉桜が言う


「俺を非常識な何かだと思ってないか?


俺だってファミレスくらいいくっつーの。


独身の一人暮らしだからな。


残業終わりとかは重宝するし、ファミレスのドリンクバーだけでパソコン開いて仕事もするしな。」



「それは迷惑なんじゃ…」


太陽が言う


「とりあえず、駅前のファミレスチェーン店でいいだろ?」


幸明が言う


「そうね。


せっかくだし、勉強もしたほうがいいんじゃない?」


太陽と翼を見ながら言う


「「それはまた今度で」」


二人がハモる









夕方


駅前


「結構混んでるわね。」


莉桜が言う


「席、空いてるかな?」


太陽が店内をのぞき込む



「確認してくる。」


幸明がそういうと店内に入り、すぐに戻ってくる



「5分くらいで席が空くってさ。」


「運がよかったですね。」


翼が喜ぶ






そこで学生らしく雑談をし始める3人と、それらをひたすら聞き役に徹するという営業マンの接待スキルが発揮された



「もう外は暗いわね。」


莉桜が言う


「そろそろ出る?


お腹もいっぱいだし。」


太陽が言う


「すごく楽しかったですね。」


翼が言う



「さて、行くか。」


幸明が言う


「言っとくけど、おごりとかはなしよ?」


莉桜が言う



「俺だって別に人におごる趣味はねぇよ。」


「なら、いいけど。」


「ただ、二人でデート行くときはおごらせてもらうけどな。」


「あんたってチャラいわよね。」


「いやいや、硬派で有名なんだがな。」


「どこがよ…」



「わ、私も…デート…とか、して…みたい…です。」


翼が言う


「任しとけ。


なんなら今からホテルデートでも…」


「セクハラ!」


莉桜が幸明の背中をどつく






レジ前


「あ、俺、割引になるカード持ってるわ。」










帰り道



「かなり安かったね。」


太陽が言う


金額はまるで一人で食事したかのような金額だった


「割引がかなりあった気がしたけど…」


翼が幸明を見る


「カードに株主・役員優待って書いてたけど…まさか…」



「俺の勤めてる会社のグループです。


てへぺろ。」


「てへぺろは口で言うものじゃないと思うけど…」


太陽が言う


「もう、なんか…なんて言ったらいいかわからないわ。」


莉桜が頭を抑える




「今後もうちのグループのファミレスをよろしく。


今度、海外を含め600店舗目が開店しますので。」




こうして夜は更けていく




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ