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会談

あれから14年が経った


今年一年は平穏無事、安定していたがそれまでが激動だった


小さな工場が大手企業と取引ができるわけもなく、小さな企業に頭を下げ、同時に技術開発をすすめ



給料は5ヶ月分の未払いで無事に終えた


そこから徐々に成長した


技術特許も取った


事業の拡大、子会社、支店も増えた


ただの小さな工場が、大企業と対等に商談をするのだ


IT企業も設立し、食品業、土木建築、貿易、輸送…


様々な業種に拡大した





そして、日本で一番大きなビルを所有し、その最上階に『支店統括事務所・本社代理』を構える



そこに一人のサラリーマンがやってきた



「小鷹常務、お待ちしておりました!」


事務所長の席から飛び出して腰を低く挨拶する男性


「おはようございます。


社長から、ここで会談してほしいと伺いましたが…」


小鷹が言う


「もうお待ちいただいています。」


高級な本革ソファには女性が一人と男性が二人、座っていた


「初めまして、わたくしは御社の社長とは古い知り合いで、本郷、と申します。」


男性の一人が言う


「初めまして。


株式会社TOCの常務取締役、小鷹 幸明 と申します。」


小鷹は名刺を差し出す


「これはご丁寧にありがとうございます。


こちらは少々ありまして、名刺をお渡しできなくて申し訳ありません。」


本郷が名刺を受け取りながら言う


「いえ、お気になさらずに。


社長からは信頼できるお方とうかかがっております。」


「相変わらず、気が利きますな。


早速、お話に移りたいのですが、今回、小鷹さんにお会いした理由はあなたの人となりを知りたくてですね。」


「私の…ですか?」


「はい、初歩的な質問から少し込み入った質問もさせていただきたいと考えております。」



「はい、応えられる範囲でなら。」













その会談は1時間ほど続いた



「いろいろとありがとうございました。」


本郷が終わりを告げた


「なんだか、就職の面接みたいで新鮮でした。」


「小鷹さんは中学をご卒業してから今の会社以外の面接はないんでしたね。」


「ええ。


自分が面接官の立場ではそれなりに経験がありますが、受けるのは初めてです。」


「よい時間が過ごせました。


社長にもよろしくお伝えください。」




こうして、不思議な会談は終わった






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