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嫁が最強スペックすぎて戸惑うんだが。  作者: tetoc
■ 嫁暗躍 編 ■
18/25

【16】ダンと嫁と変態野郎。

 

 フローリア王都郊外にある、俺達(D)のアジト。

 今は夜中、時間的に2時を回ったところだな。こんな仕事をしてると昼夜逆転するのは、もはや必要事項みたいなもんだ。


 俺達のアジトはとても立派。ここは十二貴族の内のある家がこの館を別荘として使っていたそうだから当然だな。

 そんな館をアジトに出来たかって?簡単な話だ、石像悪魔(ガーゴイル)が複数生まれ、冒険者ギルドにより討伐隊が組まれるが呆気なく失敗。

 何故かここの石像悪魔はめちゃくちゃ強かった。Aランクの冒険者パーティーも撃退するほどに。


 だから、その貴族はこの家を手放す時、石像悪魔を倒した者にこの館を無償で譲ると宣言したんだ。まあ、別荘と言えど、気味悪いからな。


 そこで名乗りを上げたのが頭ってわけだ。


 フローリア王都はすぐそこ、人もあまり来ないし、敷地は広い。そして、この館にある家財もそっくりそのまま譲ってくれるってんで、ノリノリで引き受けて、ノリノリで解決した。


 ん?石像悪魔がどうなったかって?

 1匹たりとも逃がさず、お頭の下僕(ペット)になったよ。

 石像悪魔は日中、石像になっているが、日が沈むと動き出す。名前の通り、コイツらは魔族。魔族をなんの対価も払わず、従わせるのって死ぬほど大変なんだよな。



「ゴ主人様、持ッテ参リマシタ。」



 お頭は広い広い庭に出て、月光浴中。

 椅子に座り、のんびり過ごしているお頭の後ろには、3体の石像悪魔が控えてる。因みに、お頭へ飲み物を持って来たのは4体目の石像悪魔。


 先にいた3体は、上位石像悪魔(ハイガーゴイル)…石像悪魔は大体Bランク程度の強さだが、稀に亜種が生まれ、A+くらいの特別強い奴が生まれるんだが、稀に…そう稀に生まれるんだ。

 その稀に生まれる奴が1箇所で3体も生まれたんだ、そりゃAランクのパーティーは勝てねえわな。


 今し方飛んできた石像悪魔がお頭に飲み物を渡し、お頭はにこやかにそれを受け取った。



「…いつ見てもすげーよな…。」

「何がですか?」

「や、なんでも…。」



 頭と一緒のテーブルについてるが…慣れない、石像悪魔達に。頭にはこう言ったペットがたくさんいるんだが、若い時に石像悪魔で痛い目を見てから苦手なんだよ。



『ダン?顔色が悪いわよ。』

「…バステナ様…。」

『あ?あ!本当だ、大丈夫?』

「ええ。まあ、大丈夫ですよ、ラプス様。」

「疲れてるんですか?バステナ、ラプス、ダンにもふらせてあげて下さい。」

「え!?いや、いい!気にしなくて!!」



 黒いにゃんこに白いわんこ…普通のだったら癒されるが、この方々は神獣様だぞ!?無理無理無理無理、癒されるどころか、縮こまっちまう!

 動揺しているとバステナ様は、テーブルに上り俺の前でころんと横になり、ラプス様は俺の膝に飛び乗って来た。



『好きなだけ撫でなさい。』

『もふもふしていいよー。』



 無理だってぇぇええ!!この世界の住人で神様もふれる奴いんのかよ!?頭を除いてだけど!



「あははっ。」

「頭!笑ってないでなんとかしてくれ!」

「バステナ、ラプス。」

『はい、主様。ダン、アナタつまらないわ。』

『つまんないね、ダン。』



 すげえ言われようだな…。

 でも良かった、2柱が俺の周りから離れて、遊び始めてくれた…。



「それで、ダン。私にお話があるとか。」

「あ、ああ。下の者から聞いたんだが、醸造所の件や飛竜の件…ほら、アズールの。」

「ああ、あれがどうかしたんですか?」

「レイノル殿下が調査に乗り出しそうなんだよ。」

「…初耳ですね。詳しくお願いします。」



 俺は、頭に入手した情報をまとめて話した。

 グレイズ殿下の命を狙う者がいて、アズールの使われなくなった醸造所では怪しい動きが見てとれる。しかも、そこを出入りしている奴の中に、闇の薬師がいるということ。

 そして、その醸造所では怪しい薬を作っているのではないかという疑惑。



「闇の薬師…それがグレイズ殿下の命を狙うと仮定付ける理由は?」

いけない(バッド)ローナ。」

「………。王殺しの…なるほど、それは疑わしいですね。」



 バッド・ローナは裏の世界じゃ有名な薬師だ。

 ここから遠く離れた大陸で国の王様やお妃様、王子達を毒殺した前科を持つ。更には、その国周辺の有力者を殺したって噂も立ってる正体不明の薬師。


 バッド・ローナ…そう、ソイツと思しき人間がその醸造所に出入りしていると言う話だ。コイツは、何故だか有力者だけを狙う。…大物中の大物(グレイズ殿下)を狙うのも納得出来る。



「しかし、それだけでレイノル殿下が動…きますね、あの方なら。」

「…数打ちゃ当たるって思ってるタイプだからな。割とマジで。」



 頭はため息をついて、さっき持って来てもらった飲み物を飲んだ。

 俺もそれに合わせて、出されていた飲み物を飲む。



「今回の件、上手くやりゃ飛竜の件と一緒に片がつくな。」

「ですね。グレイズ殿下よりレイノル殿下の方が、色々とやりやすいです。」

「この案件は俺に任せてくんねーか?」

「…………。」



 あ、抗議してる。飛竜は私が助けたいのにって、視線で抗議してる。でも、残念。俺も段取りはしてるってわけだ。



「頭は予定通り()()()()()んだろ?」

「実家、ないです。」

「…ないけど帰るんだろ?不仲説を強め、()()()をなんとかする為に。」

「……。」

「無言の抗議は受け付けねえぞ。あと引き下がる気もねえ。」

「……分かりました。ダンに一任します。」

「おう、あんがとな。」



 勝った。よし、日取りもそうねえし。ここから色々と動かねえとな。

 話が一段落した頃、空に流れ星が見えた…が、ありゃ違うな。んなロマンチックなもんじゃない。



「…嫌な気配が…。」



 そう頭が呟いた瞬間、俺と頭が座る場所から5、6m離れた前方に華麗に着地する影が。



「レナート参上!」



 ドMクソ変態野郎だ…。ちらっと頭の方を見ると、嫌そうな顔をしてから何もなかったように、また飲み物を飲む。



「おーかーしーらー!お久しぶりですぅ!」

「はい、お久しぶりですね。レナート。」

「猫なで声出してんじゃねえぞ、気持ち悪い。」

「ダン先輩は黙っててくださいっす!今、お頭と同じ空間にいることを堪能してるんすから!!」



 その空間に俺や石像悪魔もいるんだが。ましてや、神獣様達もいらっしゃるぞ。



『あ、ラプス、見て。変態(レナート)よ。』

『変態?あ、レナートだー。』

「良き夜っすね!バステナ様、ラプス様!」

『中身は相変わらずヘンテコよね。』

『残念イケメンってレナートのことだよね。』

「ははーっ、有り難いお言葉っす。」

『変だね、バステナ。』

『そうね、ラプス。』



 お前…神獣様達からも変態呼ばわりされてんのか。

 神公認の変態なんだな、コイツ。アヴィとラヴィを会わせるの控えよう、間違いなく害悪だ。



「ところでレナート。」

「はいっ!お頭!!」



 あっちに居たのに、瞬時にこっちに来やがった。

 へんた…レナートは頭の足元に跪き、目を爛々とさせている。



「クィナリスのことを任せてあるのに何故ここへ?」

「お頭に会いたくて!」

「…そうですか。5時間かけてここまで。」

「はい!」



 "はい!"じゃねーだろ。お前がこっちに来る5時間の間に、クィナリスで何かあったらどうするんだよ。しかも、帰りに5時間、計10時間じゃねーか!


 部下はどうした部下は!?放り出して来たのか!?



「ああ、お頭…。長く美しいまつ毛は月明かりに照らされ肌に影を落とし、肌はまるで雪の女神も恥じらう潤い…その唇は全ての男を惑わせる。貴女は完璧です!!」

「はいどうも。」



 ああ、あの長ったらしいのは挨拶だからな。挨拶中に邪魔すると、とんでもなく面倒になるから誰も止めないんだ。

 石像悪魔ですら戸惑ってる。まあ、ここはまだ慣れたんだよ、まだ。



「好きぃ!抱いてください!!」



 これだよこれ…。変態が頭の足に抱き着いて頬擦りしてやがる。見てるこっちがイライラする…ってより、気持ちが悪い。



「嫌です。」

「あん!意地悪!でも、好きぃ!」

「頭…限界だ、ぶん殴っていいか。ソイツ。」

「いけませんよ、ダン。レナートが怪我で動けなくなったら誰がクィナリスを指揮するんですか。」



 レナートの額に手をあて、ぐいって引き離す頭。そして、恍惚とするレナート。あ、やべぇ、鳥肌が立ってかやがった。



「レナート。今すぐクィナリスへ戻って下さい。」

「嫌です!ほら、俺悪い奴っすよね!ねっ!?だからお仕置きをしないと!!」



 違う、これは鳥肌じゃない。蕁麻疹だ。息を荒らげてんじゃねえぞ、折角の甘い王子様フェイスが見るも無残じゃねえか。



「絶対に、嫌です。」



 頭がそう言うと、瞬きほどの時間で膨大な魔力が一瞬で練り上げられ、発動される。レナートのすぐ後ろに上位魔法より更に上、特上位魔法を行使する魔法陣が瞬時に生成された。

 そして、頭はレナートの額にかるーくデコピンをする。



「どわっ!!?」



 デコピンだけなのにレナートは吹っ飛び、魔法陣に吸い込まれ、同時に魔法陣が消えた。ここまでの所要時間、1.5秒未満ってとこか。

 何もなかったこのように、また飲み物を飲む頭。



「…帰した、のか?」

「ええ、寄り道もさせてますが。」

「寄り道?」



 俺も飲み物を飲みながら尋ねると、帰ってきた言葉がふと気になり聞き返す。



「ええ、お仕置きを望んでいたので魔王(お友達)の玉座前に転送しておきました。」

「えっ…?」



 い、今…魔王って…?



「ま、魔王って…ベルガトロンの神魔王!?」

「ええ、ザヴィロドス陛下に兼ねてよりお願いしていたんですよ。レナートのお仕置きを。」



 おいおいおいおい!マジかよ!

 魔物の国ベルガトロンの神魔王ザヴィロドス…!

 神獣を追い出し、魔物の国を作り上げた最凶最悪の魔族で、気まぐれで世界と戦争する奴だ。そう、つい20年くらいまで周辺の国々を相手どって苛烈な戦争をしていた。

 見てみろ、神獣様も石像悪魔達もその名を聞いて固まってる。



「安心してください。殺気を常に放ちながら説教してもらうだけですから、きっかり10分。」



 それAランク冒険者でも5分で気絶するレベル…!



「でも、サヴィロドス陛下は女性も男性もイケるらしいんですよね。なんでも、どちらの状況でも()()()()()()とか。」



 頭…こえええ…!!





【16】ダンと嫁と変態野郎。END.

■ 魔国ベルガトロン。

神魔王ザヴィロドスが支配する国です。

元々、神獣がこの地を護り住んでいましたが、それをザヴィロドスが追い出し、支配した国。

フローリア・ギルメキア・ベルガトロンは三強国と言われています。因みにこの三国の力は拮抗していて、軍事力はギルメキア、個の力はベルガトロン、その他はフローリアが名を馳せています。


荒れ果てた大地、暗雲に覆われた空、奴隷にされた他種族をイメージしますが、案外マトモ。自然豊かで、他種族は奴隷化されていません。

国領はこれ以上広くする気はないようで、暇潰しに他国と戦っています。良いのか悪いのか分からない国です。



※私的メモ 5。


■魔法について。

右記の数字は初級を1として考えた必要魔力量。

↑ 究極魔法 800,000

| 極・上位魔法 300,000

| 特・上位魔法 150,000

| 上位魔法 20,000

| 中位魔法 8,000

| 下位魔法 3,500

| 上級魔法 1,000

| 中級魔法 450

| 下級魔法 80

↓ 初級魔法 1 魔法使いの位とリンク。


魔法が使えない人の体内魔素(魔法の素)は15。

初級魔法使いの体内魔素は平均50。

特上位魔法はS-の冒険者(魔法使い)も使えない。S+でようやく使えるの可能がある。とにかく、特上位から上の魔法は、神獣とか聖獣ではないと使えないレベルです。

魔法使い関連はいつか記載します。



■神力と魔力の違い。

神々が使う力は神力。それ以外の者が使う力は魔力。

神力はとてつもなく特別な力です。

また、神力を使って魔法を使うことも可能です。その威力は絶大。例えば、神力で発動した上級魔法は、特上位魔法をも打ち破ることもできます。質が違ってくるんですね。神力を使い発動する魔法は全て、神魔法と言われます。


祖龍>>|越えられない壁|>>原初の神々>>>>神獣>>|壁|>>聖獣>>聖獣の子

くらい神力量の差があります。この辺りは感覚的にとらえていただければ。

ただ言えることは、祖龍の神力量でないと、何もないところから世界や神を生み出すことは不可能です。


神力を宿す条件として、神と血縁関係であること、親である神から神力を分け与えて貰うこと、神力に順応することの3つ。

例外として、祖龍だけは血縁関係がなくても神力を与えることが可能。

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