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アマリスの奇跡  作者: 及川 莉奈
二章 アマリスの乙女祭
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乙女祭開幕!

「いよいよだね! 」

シャラはいつものように騎士団の制服を着崩すことなく襟元までボタンを閉めていた。

その姿はどことなく違和感があった。


「そうね。何もなければいいけど」

銀色の髪と瞳をリリーの魔法によって

亜麻色に変えてもらったエレノアは不安げにうなづいた。


王立騎士たちは乙女の馬車の周りを固めている。

乙女の馬車の前後には

パステルカラーのフリルが多くついたドレスを着た踊り子や銀色の神官服を着た神官たちが待機していた。



乙女祭のパレードは王都の入り口から乙女たち一行が登場する。

そのあと、王都を一行は踊り子たちが舞い踊りながら一周し、最後に城へ繋がる大通りを通って乙女が城に入りパレードは終了する。




「エレノア少しいいですか? 」


リリーがアマリスの花の形をした馬車のなかから呼びかけてきた。

「どうしました? 」

馬車とドアを開けてリリーの様子を伺う。

リリーは頭からつま先まで銀色に包まれていた。

銀色のベールに包まれて顔の表情はわからなかった。


「中に入ってもらってもいいですか」

「えっ……? 」

リリーの言葉にエレノアは躊躇したが

リリーの真剣味を帯びた声色にうなづいてそっと中に入った。

中も目がチカチカするほどの銀一色だった。

リリーに指示されておずおずとリリー席に座った


「エレノア、私は乙女祭が終わったらルーク様に告白しようと思います。」

「……こくはく? 」

突然の告白にエレノアは困惑した。

リリーがルークのことが好きなのは知っていた。

いつもリリーはルークを甘い顔で見つめていて、

その様子にエレノアの心はいつもざわついていたのだ



リリーの顔は見えなかったが、

背筋を伸ばし凛とした空気を見にまとい、

本気で言っているのだとわかった。


リリーはニコリと微笑んだようにみえた。

「エレノアも頑張ってくださいね」

「……何をですか」

「分かっているでしょう? 」


リリーの意味ありげな言葉にエレノアは思わず眉を顰めた。

リリーを纏う空気は穏やかで冷ややかだった。











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