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アマリスの奇跡  作者: 及川 莉奈
二章 アマリスの乙女祭
12/61

毎朝の光景


コンコン


規則正しく扉が叩かれ、ドアが躊躇なく開けられた。


エレノアはその音にはっとして、

扉の方向を見た


頭から足元まで漆黒に包まれ、

胸の金色の騎士団の紋章だけが輝いている青年、ルークが立っていた。



「珍しいな。お前が起きてるなんて。」

「私だって起きれるわよ

てゆーか、起こしに来なくていいし、

勝手に入らないでちょうだい」


エレノアは朝に弱い。

それを知ったルークは

毎朝エレノアを起こしにくるのだ。


「お前起きてこないだろ? 」


当たり前のように言われても困る。

確かに朝は弱くなかなか起きれない。

だからと言ってこれは如何なものか。

二人は年頃で、ルークは王子だ。

あらぬ噂を立てられて困るのはルークなのに。


もの言いたげにルークを見つめると

ルークは察したのかあっけらかんといった。


「心配ねぇよ。

ここは【ガーベラ】専用だから」

「それもあるけど、根本的な問題が違うわよ

自分たちの年と自分の立場を考えなさい」

「はいはい。

そういえば団長が朝一番に来いって」

「分かったわ」


絶対止める気がないことを悟り

わざとらしく大きなため息をついて、

いつも通り居座り続けるルークを

部屋から追い出し、身支度を始めた。









身支度を終えて扉を開けると、

ルークは扉の横で壁にもたれかかっていた。

これも最近の朝の光景だ……


「行くぞ」

ルークとエレノアは暗い静かな廊下を歩き出した。


「エレノアー!! おはよう!! 」

暗い廊下には似つかわしくない明るい声をあげて

身支度を整えたシャラが

抱きついてきた。


「あっ、ルークもおはよっ! 」

「おまけ感半端ないな」

「そりゃね、私がエレノア起こしたかったのに」

「俺の仕事だ」

「私よ」


エレノアは毎日言い合う二人に挟まれ辟易とした。

毎朝これってどうなのよ。


ちなみに、

【ガーベラ】が与えられたのは城の西の一角。


3階建ての建物で、

1階は食堂と訓練場、

2階は会議室や隊長副隊長の執務室

3階は隊員の私室だ



「隊長もシャラも懲りないな。」

「本当にね」

カイルは眠そうに目をこすりながら

呆れた声でぼそりと呟いた。

エレノアも大いに同意する


いつまでも行きそうにないので

カイルとエレノアは二人を放置して

2階に備え付けられた城につながる渡り廊下へと向かう。

二人がまってよ!! と急いでついてきたが、

一向に喧嘩は止まることなく、

団長の執務室までたどり着いた。












このページで次のページの一通の予告状までいこうと思ってたのですが、

長くなりそうだったので

次のページにいきます。





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