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アマリスの奇跡  作者: 及川 莉奈
一章 ガーベラ
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「で、今回の魔物はどうだった」


3人が出て行き副団長も下がらせると団長は徐ろに口を開いた。


「人語を話せるようになってたが、能力は毒針。

後は脳のないやつだ」

「人語か。なにかやつについて話していたか? 」

「何も。まだそこまでは教えてもらえない試作品だな。」

「そうか。で、あいつの方は? 」

団長がそう口にした途端、ルークの表情は抜けた。

「まだ大丈夫だ。」

「ならよかった。

あいつは俺の娘のようなやつだ。

だけどな俺は同時にこの国の騎士だ。

もしあいつの力が目覚め暴走した時は……」

「やめてくれ。現実になって欲しくない。それにまだ確証はない」

ルークは団長の言葉を遮った。

団長はルークの様子にじっとルークを見据えた。

ルークの顔に陰りがさした。


「そうだな。だが、覚悟を決めろよ、ルーク。

お前にしかエレノアは殺せない。」

「……知ってる。」

「だが、覚悟はできてないだろ? 」

「……俺は王子だ。この国を守る義務がある……」

「王子のお前は出来るだろうな

だがな、いざという時にただの男であるルークの

エレノアへの恋心が邪魔になる」

「俺はーー」

「捨てろよ、ルーク。

あいつが復活する前にな。」

「……分かってる。」


わかってる

このアマリス王国を守らなければならない。

そのためには、一人の愛する少女を犠牲にしなければならないことも


団長の言うとおりなのだ。

覚悟を決めなければならない。

この国のために……


ルークは10年越しの想いに鍵をかけた。






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