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明日は  作者: 白い花びら
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はじまり


 そのもの 空から降り立ち

     虹をまといて 明日を導く

 





 母上 神のみつかい様はどんな方なのですか?


 そうねえ、どんな方なのかしらね。

 母はお会いしたことがないからよくわからないけれど、きっとおやさしい美しいかたではないかしら。


 私もそう思います。お会いしてみたいなあ。


 私たちが清く正しく生きていればいつかお会いできるかもしれないわね。


 はい!母上。






  ぉぉじ  おうじ おきてください


 「王子!」


 「せっかく母上の夢を見ていたのに起こすなよ。」


 「それは・・・申し訳ありません。」


 しょぼんとするアルに苦笑しながら俺は起き上がる。小高い丘の上からのいつもの風景。山間まで広がる街並と田園風景。俺はこの国を守っていけるのだろうか。いや、守って見せる。母上が、見ていてくださるのだから。


 「アル行くぞ。」


 「はい!」



 ヨルジャン国は小さいながらも肥沃な大地の恵みをうけ、農業と林業それを加工する2次産業で栄えていた。ところが近年森に凶暴な獣がでるようになり、異常気象が続いて産業に大きな打撃をうけていた。

 灰色の雲が空を覆い、昼でも暗い。日の光は何年もの間、地に届いていない。

 近隣の他国も似たような状況でこのままでは立ち行かなくなると今日からトップ会議をすることになっている。


 もうすぐその会議の時間である。ジークは17才。第一王子としてその会議に出席することになっていた。

 朝から落ち着かなかったジークは従者のアルを連れて国を見渡せる丘に来ていたのだ。





 「獣をまずは退治せねばならぬだろうな」

 「だが、どうやって。聞けば身の丈は大木ほどだとか。一頭ならばそれでも倒せるやもしれんが、複数おったらどう考えても・・・」

 「そうですね。各国の精鋭を集めてもかなり難しいと推測します」

 「冷害や水害も深刻です。この冬しのげても来年の冬は越せないかもしれません」

 「・・・」


 「天候は我々にはどうすることもできぬ。神に祈るしかあるまい。しかし、獣は我々でも何とかできるかもしれぬ。今できることをしなくてはな。」

 「そうじゃな。」

 「国中から選りすぐりを集めて獣退治をいたしましょう。」

 「では3日後に結集。作戦を立てた後、森に入ることにしようぞ。」



 「おや。暗い空から光が漏れだした。」

 「おおっ!!」

 「なんと神々しいことじゃ!」

 「光が強くなるごとに、山々が光り輝くようです!」

 

 七色の橋がかかり始めると城のあちこちから歓喜の声があがりだす。


 「これは気候が良くなる兆しかも知れませんな。」

 「本当に。そう望むばかりです。」


 そこへ、伝令が届く。


 「陛下に申し上げます。高見台からです。お御渡りの中をおりてくるものがあるとのこと。小さくてはっきり確認出来ませんが、人のようであると!」


 「なんと!」

 「そのようなことが?!」

 「すぐに確認に向かわせましょう。危険な獣の可能性も考えられます。腕の立つものの方がいいでしょう。」

 「私が参ります!!アル、いくぞ!」

 「お待ちください!危険です!」


 

  

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