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叫んだ

ジリジリと腹の痛みが脳を貫く。少し無理なことをすればこれよりも強い痛みが体中を襲うだろう。


キッと幼女を睨むと俺は出来る限り腹に負担をかけないように立ち上がった。

それでもかなりツラかったが。


「・・・・お前、名前は?」


聞きたくはないが一応聞いてみる。名前さえ分かればどこの誰かは分かるだろう。


「空哉。稑宮空哉。」


「えっと・・・俺の名前は・・・・」


ここでの俺の名前はどうなっているんだろうか。

今になって気づいたが名前が無ければ生きにくいだろう。何事にも、だが。

存在意義が無いのは困る。


少し考えてみたが一生使うと思うとかなり悩んでしまう。

親の気持ちが少し分かったような気がする。


チラとようj・・・稑宮のほうを向くと、早くしろと眉をひそませている。


「・・・俺の名前は・・光琉」


「フン、初めからそう言えばいいのに。」


いっそのこと、と前の人生の名前にした。

これ以上考えるのも、とも思ったのもあるが。


一生ではなく二生も使うとは、幸せだなこの名前。


「それで、何で稑宮はここに降りたんだよ。」


「空哉でいい。高いコンクリートの壁を初めて見た。だから上って、重力に素直になって降りた。」


「それだけ?」


「うむ、まぁそれと同時にこのコンクリートは誰が建てたのか知りたかったというのもあったけどな。」


「どうして。」


「ここは私の領土だ。なのに知らないものなどあったら困るだろう?」


「すまん、この世界について詳しく」


「もしかしてお前・・・記憶が飛んでるのか?いいだろう。教えてやる。」


「よろ。」


「この世界に名前はない。そもそも世界は私たちがいるだけで存在意義がたっていると神が言ったからな。神については置いといて、世界には勿論国がいるし、人もいる。神は私たちを二十の種族に分け、それぞれ平等に領土を与えた。そして神は眠りについたんだ。百年後までね。神が寝ている間、私たちは取り合いを繰り広げていた。食糧などは等価交換ということで世界が回っていたそうだが、領土の取り合いになったんだな。そして神が起きた時、百年前に見ていた種族たちの人口よりほぼ半分も減っていたんだ。その現状に神はショックを受けたらしい。そして神はルールを作った。ここまでいいか?」


「うん、まずルールより神のこと教えてくれ。」


「分かった。神とは世界を作る種族だ。勿論空想ではなく、実物する。神は世界を創り、私たちを観察するのが生きるための一つの方法だ。私たちをいつ死なせるかいつ生まれるかなどは私たちが出来るが、いつ世界が滅びるかなどは全部神が決める。ルールも勿論神がつくらなければいけないことになっている。」


「神については分かった。じゃあ空哉の世界のルールを教えてくれないか。」


「うむ。かなり多くルールはあるが大事なのは全部で九つある。まず一つ、種族を殺すことを禁じる。二つ、領土の取り合いを禁じる。三つ、その他についての争いごとは全て領土主同士で解決する。四つ、領土主が亡くなった場合領土主の子孫が新たな領土主になる。五つ、子孫がいなかった場合は前の領土主が必ず遺言状を書くこと。六つ、遺言状を書いていない場合、その国は必ず無くなること。七つ、国をなくしたい場合は神に必ずいうこと。八つ、世界が滅びるのは1876年の6月20日5時20分38秒に決まっている。この九つは絶対守らなければいけない。」


「ふぅん。その九つは必ず守る・・・そういうことでいいんだな?」


「そうだ。そしてここは私の領土だ。」


「は?」


「だから、ここの領土主は私だと言っているんだ。」


 数秒俺の世界が停止したあと。



叫び。



「えぇえええええええええええええええええええええええええ!!!!」

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