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花影

作者: 倖月 吾妻

初めて書いたホラーなので理解が難しいかもしれませんが暖かい目で見守って頂ければ幸いです。


十五夜お月さま

ひとりぼち

桜ふぶきの

花かげに

花嫁すがたの

おねえさま

くるまにゆられてゆきました


十五夜お月さま

見てたでしょう

桜ふぶきの

花かげに

花嫁すがたの

ねえさまと

わかれおしんで

なきました


十五夜お月さま

ひとりぼち

桜ふぶきの

花かげに

遠いお里の

おねえさま

わたしはひとりに

なりました


 夕月が綺麗な夜。

 桜吹雪が舞っていた。



 ―紅い


 ―紅い


 血濡れの桜吹雪。


 多分…否、全て僕の責任か、それとも紅黒い月か。


 僕らは小さな丘の上に居た。

 理由は……罪滅ぼし。

 五年前の十五夜の夜。

 僕らは禁忌を犯した。

 繋がる血を断ち切って、絡まる罪悪感を振り切って。

 ―追ってくる血を切り刻んで。


 僕と彼女と“アレ”は正真正銘血の繋がった兄妹。正確に言えば兄妹“だった”。

 僕と彼女が結ばれるのには“アレ”は邪魔だったんだ。

 目撃者は消さなくちゃ。

 仕方の無い事だったんだよ。

 でも“アレ”は僕らに『五年後迎えにくる』確かにそう言った。

 強い風が吹いた。

 そして彼女は連れていかれた。

 自分のいる桜の木の上に。

 血の匂いと桜の匂いでクラクラする。

 もう一度強い風が吹いた。

 声が聞こえる。

 喉から息をしているかのような音と共に

 花かげの唄が。

 相変わらず月は桜と一緒で紅黒い。

 ―紅く

 ―黒い

 僕のように。

 気が付けば世界は反転していて。

 目を開けば目の前には月が。

 花影に血が滴る。

 紅い桜吹雪と共に。


 ひらり


 ぽたり


 ひらり



 桜の下に幼女が一人。


 喉から息をしているかのような声で。


 唄っていた。




十五夜お月さま

ひとりぼち

桜ふぶきの

花かげに

花嫁すがたの

おねえさま

くるまにゆられてゆきました


十五夜お月さま

見てたでしょう

桜ふぶきの

花かげに

花嫁すがたの

ねえさまと

わかれおしんで

なきました


十五夜お月さま

ひとりぼち

桜ふぶきの

花かげに

遠いお里の

おねえさま

わたしはひとりに

なりました



月と桜だけの真実。

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― 新着の感想 ―
[一言] 幻想的な雰囲気は好き。でも真意がよくわからない。
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