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七十番槍 人生唯一の傷

最近城行ってないです。


次の予定は3月です。


さて、どうしよう…。

徳川家康が天下を取り、戦の無い世の中がおとずれた。


そのことにより、今まで武功を挙げて出世してきた名将たちは重要視されなくなっていた。


家康の家臣である本多忠勝もその1人だった。



「殿が天下をお取りになって、世の中は太平となった。しかし、わしはやることが無くなった…。ふぅ。あの腰抜け(忠勝と対立していた本多正信のこと)どもが殿に重要な仕事を任されているのは気に食わんが…仕方ないのかのぉ…」


忠勝はただやることも無いままに流れていく時間を過ごすことになっていた。


そんな彼も、趣味を見つけた。


彫刻である。


元々器用な忠勝。


どんどん彫刻にのめり込んでいった。


そんなある日…。


「さて、昨日の続きを…」


作りかけの彫刻の前に座り、彫刻刀を手にした。


「ここをもうちょっと細かく…あれ?硬い…」


木が硬くて思ったように彫れない。


いっそ力任せで!


そう思い勢いを付けて彫刻刀で木を削った。


その時…。


ガリッ!


「痛っ!!うわー!痛っ!つっ!ぐう…」


手を滑らせて指を切ってしまった。


「血…血だーっ!」


57回戦場に立ち、一度も傷を負わなかった忠勝。


この彫刻刀での怪我が人生初にして唯一の刀傷となった。



「…あぁ。わしもすっかり歳を取ったんだなぁ。心も体も衰えてしまった。この傷はその証拠じゃな…。…わしももう長くはない…か…」


彫刻刀での怪我で自分の衰えを実感した忠勝は、このあとすぐに書斎に向かい、筆を取って遺書を書き記したのだった。

彫刻刀で怪我したくらいで死期を悟るとは…いかにも忠勝らしいですね。


刀傷…ショックだったんだろうなぁ…。


戦場では負ったことないのにまさか趣味で…。



因みに、「忠勝」という名前は「ただ勝つだけの男になれ」という願いを込めて家康がつけたらしいですよ。

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