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歴史絵巻第七幕Let's Go 城巡り~忍城~

長らく執筆しました…。


というのもですね、今回は写真を見てないんです…。


パソコンに入れたんですが、その後カメラのデータ消しちゃって…。


あまりパソコンで執筆しないもので…。



それで結構時間が…。


さらに冬休みも終わり学校スタート。


嫌だわぁ…。

「先生、明日空いてます?」


「空いてますよ。城巡りですか?」


「ご名答です!」



とある高校の社会科研究室。


ここで今日も歴史研究部の活動は行われていた。


先ほど話していたのは歴史研究部顧問の毛利由佳(もうりよしか先生と、一年生の村上乙葉(むらかみおとは


そして、社会科研究室の端っこでひたすら本を眺める二年生の焙烙晴美(ほうろくはるみ


この3人が歴史研究部を構成している。



「先輩!今度の城は私が行きたい所でもいいですか?」


乙葉が晴美に聞いた。


晴美は本から目線を外し、乙葉の方を見て答えた。


「ん?別に構わないが…。乙葉から提案とは珍しいな。どこだ?」


晴美の問いに乙葉は「えへへ~」と調子良く笑ってから答えた。


忍城(おしじょうです!」


晴美はちょっと驚いたような顔をした。


確かに忍城なんてまず出てこない名前である。


「忍の浮き城か…。なら、ついでに古墳も見たいものだな!」


「同じ行田市ですもんね!」


2人の話を聞いていた由佳先生も話に入ってきた。


「古墳もあるんですか?」


「はい!さきたま古墳群と言って、埼玉の県名の由来になりました。しかも埼玉県の紋章は勾玉なんですよ。古墳の県なんですよ、埼玉県は」


そうなんですか。


そう言って由佳先生が取り出したのはスマートフォン。


検索するワードは「忍城」。


そんな先生はさて置いて、2人は話を続けた。


「何でまた古墳なんか見たいんですか?古墳時代も守備範囲なんですか?」


「いや全く興味は無いが…。忍城に行って忍城だけ見るのは初心者ぞ!」


晴美がこう言う時は何かある。


乙葉は直感的にそれがわかった。


でも、敢えてそれが何かは聞かないことにした。


明日の楽しみは明日に取っておきたいから。


「では明日、8時に校門で!先生、車の運転お願いしますね!」


晴美が先生に振ったが…?


「およっ?あ、何でしょう…?ごめんなさい…」


聞いてなかったようである。


「明日8時に校門です」


乙葉がフォローした。


「分かりました!」


笑顔でそう言った先生の言葉を聞いて、2人は高校を後にした。


2人は話ながら下校した。


「何でまた忍城なんだ?」


「前にアド街でやってたので!」


テレビ番組の影響でした。



翌日。


時間前には3人集合した。


そして由佳先生の車に乗り込み出発。


まず目指すのは忍城。


「実は、身分証明書だけあれば行田の駅前で無料で自転車が借りれたんだが…」


車の中で晴美が言った。


「でも行田はこっちからだと行きにくいですから。車じゃないと…」


由佳先生が言った。



話しているうちに忍城に到着。


駐車場で既に乙葉が発見していた。


「あの石碑、本丸跡って書いてあります!」


駐車場は元は本丸だったらしい。


もっとも、今ではもう面影も無いのだが…。



3人は駐車場を出て、まず最初に城の周りを散策することにした。


まず向かったのは城と道を挟んで向かい側にある神社。


晴美曰わく「城の近くの神社は城と関係あることが多い!」。


城周辺の神社仏閣も一緒に見るのは城巡りの基本だそうな。


さすが行き慣れていらっしゃる…。



歩道橋を渡った所にある諏訪神社。


人気のない境内の入口に気になる看板を発見した。


「市指定文化財、碁石頭桶側蔆綴二枚胴具足…?信長と秀吉と家康が所持した甲冑ですって!」


乙葉の声が弾む。


「確かに、家康の娘の亀姫がどーのって看板に書いてあったな」


晴美が言った。


「あ、晴美ちゃんの言った通りです!忍城の守り神として建てられたのがこの神社みたいですね」


由佳先生が看板を読んだ。


しかし境内に入ってみたが碁石頭桶側蔆綴二枚胴具足は見当たらない。


仕方なく3人は神社を後にした。


「どんなのだったんだろうな?」


「いやぁ、さすがに名前だけだとちょっと…」


「でも、信長、秀吉、家康っていう3人が所有したっていうのに市指定の文化財止まりっていうのはどうなんでしょうかね?県や国が指定してもいいんじゃないでしょうか?」


みんな思い思いのことを口にした。


神社を見終えたら、再び歩道橋を渡り忍城の前へ。


城の周辺を一周歩いてみた。


駐車場と忍城の模擬櫓の間に立つ何気ない門があった。

特に説明看板は見当たらない。


その門を見て晴美が反応した。


「おっ!高麗門こうらいもんだ!」


看板も無いのに分かるのは事前調査のたまものであろう。


「これは忍城の遺構で、民間の手に渡ったものを再びここに移したものなのだ!」


晴美が説明した。


確認するものが無いが、晴美が言うならそうなのであろう。



高麗門を見た3人は、城の正面に周り、堀(と言っても今はただの池)を渡った。


そして立派な門をくぐり抜けメインとなる御三階櫓へと向かった。


途中に鐘楼があったが、あれは1823年の物らしい。



御三階櫓。

現在は行田市郷土博物館となっている、忍城のメインとなる建物である。


1988年再建。


高校生の拝観料は100円とリーズナブルである。


「さすがに古墳の街ともあってかなり古い史料も豊富ですね!」


由佳先生が言った。


確かに土器やはにわや古墳の展示物も目立つ。


しかし知りたいのはそこではない。



少し進むと、甲冑が展示されていた。


松平忠明(まつだいらただあきらが大坂夏の陣で着用…。松平ってことは家康関連でしょうか?」


乙葉が聞いた。


「ご名答!家康の孫にあたる人物だな」


晴美が答えた。


さらに説明を付け加えた。


「この忍城は成田顕泰(なりたあきやすが建てた城なんだ。広い沼地を巧みに利用して作られたまさに無敵の要塞!天守は無かったけど、この御三階櫓が天守の代わりだったんだな」



一通り展示を見た3人は忍城を出て車に乗り込んだ。


「次は古墳ですか?」


そう聞く由佳先生に晴美は首を横に振った。


「違います!市役所横に水城公園っていうのがありますのでそこに行ってください!」



晴美の指示でやって来た水城公園。


やけに広い池がある大きな公園である。


「ここに何かあるんですか?」


不思議そうに乙葉が聞いた。


確かに一見ただの池。


釣り人が沢山来ている。


「実はここはな、忍城の外堀なのだ!」


しかし看板などが無い以上、よくわからない。


「今は何にも面影は無いけどな」


笑いながら晴美が言った。



池の端には古代蓮の育成地があったが、残念なことに季節が合わなかった。



池を一周して再び車に乗り込んだ。


今度の目的地はさきたま古墳群。


「晴美ちゃんと乙葉ちゃんは古墳にも興味あるんですか?」


由佳先生が聞いた。


私は特に…と答える乙葉。


「いや、別に見たいものが古墳にあるんですよ!」


そう言ってニヤつく晴美。


何があるんだろう?


昨日から少し気になっていた乙葉だった。



さきたま古墳群に到着。


駐車場の向かいに既に古墳が存在している。


しかしそんなものには目もくれず歩き出す晴美。


そしてある古墳の前で立ち止まった。


丸墓山古墳。


実際に上に登れる円墳である。


因みに発掘調査はされていない。


…まだ中にいらっしゃる古墳である。


「この丸墓山古墳に続く道。これが見たかった!」


晴美が言った。


由佳先生も乙葉も全く意味が分からない。


そんな2人の顔を見て晴美は笑った。


「これはな、忍城が小田原攻めの際に攻撃されたとき、石田三成が作った堤なんだ!」


石田三成。


戦国時代の超有名人である。


「石田三成は忍城が沼地で覆われていることから、かつて秀吉がやった水攻めをこの忍城攻略に使ったんだ。で、水を溜めるために28キロにも及ぶ堤を一週間で作りあげた」


その堤の上に今立っている。


そう思うと何だか不思議な感じがする。


まだまだ晴美の説明は終わらない。


「忍城攻略の時に石田三成が本陣を置いたのがこの丸墓山古墳!」


晴美が見たいものはこれだったのか!


乙葉は全てを理解した。


「じゃあ、古墳に登ってみましょうよ!」


由佳先生の一言で3人は丸墓山古墳を登った。


てっぺんは思った以上に狭い。


こんな所に陣を置くのも大変であったろう。


「あっ!あれ忍城じゃないですか!?」


乙葉が指差す先には確かに忍城の御三階櫓が見えた。


「ここは丁度いい場所だったんだな。城が見通せるし」


そう言った晴美に、由佳先生が質問した。


「水攻めされた忍城はどうなったんですか?」


すると晴美は待ってましたとばかりに話し出した。


「三成のスケールの大きい水攻めでしたが、忍城は少し高いところにあり、残念ながら水没しませんでした。逆に堤が壊れて三成側に被害が出る結果となり、三成は散々他の武将にイヤミを言われました。因みに、忍城は小田原攻めで豊臣軍が落とせなかった唯一の城です」


「それは…残念な結果ですね…」


苦笑いしながら由佳先生が言った。



ここだけ見れれば満足だ。


そう言うように丸墓山古墳のみを見て再び3人は車に戻った。


次がラストです。


晴美はそう言って、地図を見ながらカーナビの目的地をセットした。



次にやって来た場所は…。


一見只の路肩。


土が盛ってあるだけである。


しかし、その路肩を見るための駐車場まである。


そこに車を停めて、3人は路肩を観察した。


「これは鴻巣市側の石田堤。行田市よりも保存状態が良いんだ」


確かに、先程のはただの道だったが、今度のは土が盛ってあり堤だと分かる。


所々生えた松の木が堤の古さを示している。


「結構車で走りましたよ!こんなところまで堤続いてたんですね」


「しかも一週間でこれ作ったんですよ!」


由佳先生と乙葉が関心したように声を上げた。


一方晴美は…。


「高さは1メートル超えるところもあるな…。石碑も説明看板も駐車場もあるとは…」


隅々まで観察していた。



端から端まで歩いてみた。


結構な距離がある。


片方は川で途切れていた。


川をふと見た乙葉が叫んだ。


「あっ!イタチ!可愛いです!」


イタチ発見。


テンションが上がる。


ハシャぐ乙葉だったが…。


グゥ~。


お腹が鳴った。


時計は2時を指している。


「そう言えばお昼…」


「まだでしたね!」



何を食べようか晴美が聞こうとした刹那、乙葉が手を上げた。


「お昼になるわけじゃないですが、せっかく行田に来たのでゼリーフライ食べたいです!」


何とも恐ろしい名前である。


「ゼリーフライ…?ゼラチンを揚げるのか…?」


晴美が恐る恐る聞いた。


それに笑いながら乙葉が答えた。


「ゼリーは銭がなまった結果みたいです。おからを銭型にして揚げたものです!ゼラチンは関係ないんです」


「ゼリーフライは行田代表のB級グルメですね!フライっていうお好み焼きみたいのもありますよ!」


由佳先生が言った。


「フライなのに、お好み焼き…?揚げ物じゃないんですね…」


イマイチ納得しきれていない晴美だった。



3人を乗せた車は行田駅の方へと走り出したのだった。

碁石頭桶側蔆綴二枚胴具足。


何て読むんでしょうね?



ごいしがしらおけがわひしつづりにまいどうぐそく…でしょうか?



殆どが行田市ですが、最後の保存状態のいい石田堤だけ鴻巣市です。



因みに私は行田市駅から全て歩いて回りました。


疲れました…。


行田駅前でチャリ無料で借りれますので…。


無理はしないようにしましょう。



行田駅でゼリーフライマップが貰えるみたいです。


私はゼリーフライ食べ損ねました…。


因みにフライも…。



皆様は是非ご賞味あれ!




鴻巣市側の石田堤は、道に迷っていたら偶然にも発見したものです(笑)


奇跡は起きるものですね~。



忍城は、水攻めしても水没しなかったため、城だけ浮いているように見えたそうです。


そこから「忍の浮き城」と呼ばれました。


本文で書き損ないました…。

ゴメンナサイ…。

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