五十九番槍 隠居させていただきます…
越後の龍!
今年の干支にピッタリです!
別にそんなの意識して書いたわけではないのですが…。
そういえば独眼竜も干支には合いますね~。
よっしゃ!みんなで撫で切りだー!
どんな年になるのやら…。
というかもう6日だし…。
越後を治める上杉謙信は、家臣を束ねることに疲労困憊していた。
「はぁ…。もう疲れた…。去年だって北条高広が裏切るし…。はぁ…」
何度も溜め息が出る。
もう限界。
謙信の心は完全に疲れきっていた。
「家臣が言うこと聞いてくれない…。私は見捨てられたのだな…。もう、国を治められる気がしない…。高野山で隠居します。捜さないでください」
謙信が置き手紙を残して春日山城を出ようとしたまさにその時だった。
「大熊朝秀謀反!ってあれ?謙信様?どちらへ?」
家臣の長尾政景が謙信のもとへやって来た。
「政景か…。私は隠居する…。もう嫌だ国主なんて…」
「えっ?いや、あの…。謀反ですって!早く指示を!」
しかし謙信はやる気無し。
それでも必死に政景は謙信の隠居撤回を求めた。
すると、謙信も考えを改め始めた。
「じゃあ、国主は続けるよ…。その代わり…」
「その代わり…?」
政景は固唾を飲んだ。
「命令に背かない?」
「背きません!」
「絶対?」
「絶対です!」
「命掛ける?」
「掛けます!」
「人質差し出す?」
「差し出します!え?」
「そんなに言うなら仕方ないなぁ~。復帰してあげよう!あはははは!」
どこか腹が立ったが、政景は謙信の復帰に胸をなで下ろした。
国主に復帰した謙信はこの後見事に大熊朝秀の謀反を鎮圧した。
謙信は隠居するフリをすることで、権力の底上げを狙ったとか。
隠居はパフォーマンスだったなんて説もあります。
人騒がせな主君でございます。
家臣が結束しないので隠居させていただきます。
今で言うと…。
夫が無視するので実家に帰らせていただきます。
かな?
因みに謙信が国主に復帰したとき、家臣に命令に背くことがないように紙に書かせてます。
さらに人質も要求。
どれだけ家臣が信用できなかったかを物語っております。